マガジンのカバー画像

潮彩の僕たちは宛てのない道を歩く

77
運営しているクリエイター

#ポニーテールの女の子

第36話「潮彩の僕たちは宛てのない道を歩く」

ご機嫌に話しまくるマスターの横で、北城さんも楽しそうに会話を弾ませていた。四人だけの歓迎…

第35話「潮彩の僕たちは宛てのない道を歩く」

ワイングラスを磨きながら、僕は若干うわの空だった。北城さんの下の名前名前を聞いたとき、僕…

第34話「潮彩の僕たちは宛てのない道を歩く」

雨上がりの金曜日。僕はアパートの鍵をかけて街へと向かった。専門学校に通っていたが、入学し…

第33話「潮彩の僕たちは宛てのない道を歩く」

白に近い光は、やがて薄暗い光に調節された。瞼の上から感じる程良い光は私の感覚を現実へと呼…

第32話「潮彩の僕たちは宛てのない道を歩く」

誰かに話しても無駄なことは沢山あった。伝わらなければ意味がないから。千夏先生から教わった…

第31話「潮彩の僕たちは宛てのない道を歩く」

確か、桃香はこの部屋を慎重に選んでいた。あのとき、僕は何故それについて聞かなかったのか。…

第30話「潮彩の僕たちは宛てのない道を歩く」

真っ暗な部屋だった。理由は、僕が瞼を閉じていたからーーーー意識が脳と繋がった瞬間、僕は閉じた瞼に気がついた。あの感覚が蘇るようだった。実際に僕が感じてる感覚は、あのときと繋がった。 鏡に映る僕が、不思議な意識を持ったんだ。縦横無尽に鏡から鏡へ意識が飛ぶ。無我夢中な僕と違って、冷静な思考を持った僕が、鏡から二人を見つめていた。 あとから考えると、もしかしたら、その僕も鏡越しに映った二人を見つめている可能性さえ感じた。そんな風に思う僕が冷静だと、鏡の僕が冷静じゃないと思われる

第29話「潮彩の僕たちは宛てのない道を歩く」

甘い香りが強くなったとき、私はあの謎の声を再び聞いた。内緒話みたいな声がパーテーションの…

第28話「潮彩の僕たちは宛てのない道を歩く」

会話をしても良いのだろうか?今さらルールを破っておいてそれはないだろう。それが僕の本音だ…