【創作百合】初恋はカラメルシュガー

※アンハッピーエンド


「今年のバレンタイン、どうする?」

 年明け、始業式すぐに紗絵がそう話しかけてくるのは、もはや恒例だった。お菓子作りの本は真新しく、今年も我慢できずに買ってしまったらしい。たいしてレシピに違いはないのに、と呆れると、彼女は少々赤くなった目尻を下げた。

「それに、毎年そうやって聞くけどさ、いっつも紗絵の指示に従ってつくってるだけじゃん、私」

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