見出し画像

透析リハにおいて血液データから読み取れることとは?

私は東京都町田市にある病院でPTをしているものです!

免許をとって4年目になりますが転職等あり職場では3年目として頑張っています🦾(笑)

元々は通所型デイサービスで仕事を始めましたが1年半ほどで退職。
現在の職場が2つ目で今年10月で2年目になります㊗️

それは扠置き、今回は透析リハにおいて見落としやすいと思われる血液データから予測できる症状について書いていきます。

①まず透析している方にリハビリを行うことでどのような効果があるのか?!

上記にまとめたように
・透析患者は潜在的虚血性心疾患を有しており、透析直前は心不全、高血圧、透析直後は起立性低血圧を合併しており積極的な運動を行えないことが多い。
・しかし運動をしない透析患者では生命予後が悪く、低栄養、左室肥大と同程度に生命予後に影響する。
・また透析患者の運動耐容能は心臓自立神経の副交感神経の活性指標であるHRV indexと正の相関を示す。 →運動耐容能の高い患者ほど生命予後が良好!!

また上月らによるリハビリ効果としても以下のようにまとめました。👀 (1)

ここから透析患者の血液検査上で注目すべき項目のまとめです‼
高値、低値での症状は他にもたくさんあります。参考程度に覚えてください😅

血清クレアチニン(Cr)

・筋肉の代謝産物であり、腎機能、栄養状態の 指標となります。尿細管でほとんどが再吸収されることなく尿として排出されます。
・透析患者の場合腎機能低下により体外への排出が低下。血中に多く残るため高値となりやすいです。
(注意)Crは筋力量に依存するため若い男性では高値なることもあります🦍

血中尿素窒素(BUN)

・尿素由来の窒素量を示す単位で、肝臓で合成され、腎臓を通って体外に排出されるため、肝機能、腎機能の状態を表します。
・蛋白質に影響されやすいため、Crと同時に腎機能を理解する必要がある。
透析患者の場合腎不全、心不全による脱水で、循環血液量低下、腎血流量減少、糸球体濾過量減少によってBUNが上昇。→口腔乾燥、発熱、手指冷感、ハンカチーフサインを確認。
(ハンカチーフサインとは?😲)
前腕、胸骨上の皮膚をつまみ上げて離し、2秒以内に皮膚が戻れば正常😊
2秒以上皮膚の皺が持続していれば脱水を疑う😨というものです。
実際現場でやって見ると透析患者以外でも高齢者の場合皺が戻らない人が多く見受けられます。

血清カルシウム(Ca)

・言わずと知れた骨の元となるものです。体内の99%以上が骨、歯に存在しており、残り1%あまりが細胞内に存在しています。💀
・カルシウムは筋肉の収縮、血液凝固に使用されています。
・透析患者の場合、腎機能の低下によりビタミンDの活性が阻害されてしまう。そのため腸管内でのカルシウム吸収が低下してしまい低カルシウム血症を引き起こしやすい。

尿酸(UA)

・プリン体の代謝産物。一般的には痛風の発生原因として知られています👣痛風以外にも脱水、腎不全の指標ともなります。
・上のスライドには腎不全が2つありますが、慢性的に高尿酸血症が続くことで腎臓組織にも結晶化が及んでしまい腎不全となってしまいます。低値での急性腎不全(急性腎障害)では腎臓にて尿酸の濾過が亢進することで体内でのバランスが崩れることで発症します。
(補足として腎性低尿酸血症として難病に指定されています。🧐)

ナトリウム(Na)、カリウム(K)

・人間の体内水分量は電解質バランスの変動によって左右されており、その中でもナトリウム、カリウムは酸塩基平衡、浸透圧に大きく関わっている。
・ナトリウムは腎臓に調整されており、腎機能低下により尿量が減少することで体内水分量が上昇。顔や手足に浮腫が出現。血液中のナトリウムは水分が多くなるため薄くなってしまいます。
・カリウムは一般的には腎臓から尿として体外に排出されます。しかし腎 機能の低下により尿として排出されないと体内に留まるため血液中のカリウムは上昇してしまう。カリウムは細胞内外の濃度差によって心臓の興奮、神経の興奮に役立っていますが、高くても低くてもバランスが崩れることで不整脈や心停止等の重篤な状態に陥ってしまうこともあります。

ヘモグロビン(Hb)

・一般的には貧血の指標として使用されています。透析患者では比較的一般の人より低めにコントロールされていることが多いようです。→そのためリ中の貧血には十分注意が必要。😨

ヘマトクリット(Ht)

・血液成分内の赤血球に関する検査項目。赤血球の割合のこと。透析患者の場合低値になりやすい。ヘモグロビンと同じ様に貧血の指標となる。

②おまけ

eGFR(推算糸球体濾過量)

・慢性腎不全の重症度分類の指標の一つとしてeGFRが使用されている。糸球体の1分間あたりの濾過能力であり、血清クレアチニン、年齢、性別から概算することできる。
・他慢性腎不全の重症度の評価として尿蛋白、尿アルブミンが指標となる。

一応式を書いておきます。(特に活用することはないかな😭)
男性
eGFR(mℓ/分/1.73㎡)=194×クレアチニン値−1.094×年齢−0.287
女性
eGFR(mℓ/分/1.73㎡)=194×クレアチニン値−1.094×年齢−0.287×0.739(2)

まとめ

・透析患者は合併症として心疾患等患っている方が多く、日によって状態の変化が見られるため、リハの進行の妨げにもなりやすく予後予測が難しい😫
・しかし血液データを読み取ることができればリハ開始前の状態予測、リスク管理や負荷量の決定にも役立てることでき、リハを行う上での重要な手がかりとなる😁

《引用》
(1)上月 正博.腎臓リハビリテーション-現況と将来の展望-.リハビリテーション医学.2006;43:105-109
(2)よくわかる健診・人間ドックガイド
.https://kenkousupport.kyoukaikenpo.or.jp/topics/kenshin/guide/index/08/03.html,(参照2020-08-18)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?