越後妻有里山現代美術館 MonET へ
桜を吹き散らす風の吹く中、
お花見もかねて、新潟県の『越後妻有里山現代美術館 MonET』に行ってきました。
<公式サイト>
新潟県は、越後妻有地域において、
『大地の芸術祭』という大規模な国際芸術祭を1年を通して開催しています。地域のあらゆる魅力をアートを媒介にして、地域内外に発信しているのだそう。町中に、アート作品が展示されており、アート作品を楽しみながら、地域の魅力を感じることができます。
車で移動していたのですが、道端や、街中、山のてっぺんなどに、大きなオブジェや、アート作品がぽつんとあり、一瞬、アート作品なのか、地域特有のものなのか判別がつかないこともありましたが、普通であれば何でもない土地が、作品があることによって、その土地や風景すらもアートの一角になっているようで、地域全体が大きな美術館に感じ、終始心が躍っていました。
そしてこの『大地の芸術祭』の主要施設の一つである
『越後妻有現代美術館 MonET』に行ってきました。
展示作品は、国内外のアーティストによるもので、越後妻有の風土や文化をアートに落とし込んだ作品が展示されていました。また、体験型、空間を使った作品なども多く展示があり、想像を働かせながら体全体で鑑賞することができました。
特に印象的だったのが、「16本のロープ」という作品です。
空間に16本のロープが張り巡らされているのですが、そのロープには旧ソ連圧政下における人々の暮らしの中の声や、会話の一部がぶら下げられており、それらを鑑賞するようなエリアになっていました。
「洗濯物を取り込んでおいて」「今日のご飯は?」などの日常的なものが手前(入口付近、明るいエリア)に吊られており、奥(暗いエリア)に行けば行くほど、支配が続き、将来への希望が見いだせないような状況においての人々の不安や恐れを感じさせるような言葉が多く吊るされていました。
空間の光の入り方と人間の感情の明度を掛け合わせた空間になっていたように思います。
新潟県は、日本の中でも旧ソ連との距離が近く、旧ソ連時代から現在までも、ロシアという対岸国との交流がさかんな県らしく、その一部としてこのような展示があるのだと理解しました。
私は、今回初めて新潟県を訪れたのですが、地域特有の産物を活かした街づくりや世界、他県との交流がさかんな県であることに気づきました。
今までは、雪が多くて、ただ広くて、閉鎖的で、、のような外面しか見ていなかったのですが、実際に、車を走らせると、その厳しい風土の中でも工夫を凝らした面白い暮らしがあったり、海外への距離の近さも感じたり、様々な面でとても開放的な土地なのだなと感じました。そのような新潟県の良さをアートとして落とし込み、地域外の人間にも魅力を存分に伝えてくれる現代美術館だったと思います。
私は、現代美術、アートに少し苦手意識がありました。
何を表現したり、伝えているのかがわからずもやもやするからです。
でも、今回初めて友人と出向き、なにこれ?こうなんじゃない?など、疑問を言葉にしながら、作品に自分たちなりの答えを見つけながら鑑賞することができました。答えが見つからないものもありましたが、それはそれで面白かったです。アート鑑賞に正解などなく、それぞれがその対象に感じることすべてが肯定されるべきなのだと感じました。そのため、より一層アート鑑賞に深みが増しましたし、これからもっといろんなジャンルのアート作品に出会いたいですね。
最後になりましたが、冒頭に、'お花見もかねて'とあるように、新潟随一のお花見スポットである「高田城址公園」にも行ってきました。
しかし、前日の雨でほぼ落ちていたり、葉桜になっているものが多く、残念だったのですが、美術館に向かう際の道中に、偶然桜スポットに出会うことができました。4月中旬でしたが、やはり新潟、気温が低いためか雪も残っている中、桜、満開でした。
来年のお花見はどこに行こう。
次はどこの美術館に行こう。
暖かくなってきましたし、今年の美術館巡り計画を実行していきますね。
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