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高杉隼人
2018年3月2日 21:37
夜の十時前くらいに私は風呂からあがった。そして、冷蔵庫からペットボトルのサイダーを取り出す。二人分のコップを用意して、一つを紗奈に渡す。私は二人分のコップにサイダーを注いでいく。コップの中で炭酸がきらきらと弾けて綺麗だ。無色透明な液体の中で、炭酸はしゅわしゅわと踊るように弾ける。 風呂上がりのサイダーは、中学生の頃からの私の日課だ。サイダーを飲まないと風呂あがりな気がしないくらい、いつも飲んで
2017年12月9日 00:52
私と紗奈は同じ大学の一年生。学部は文学部心理学科。受けている講義もよく被る。いつも一緒にいるから、傍から見ると親友のように見える。誰も私たちが付き合っているだなんて、微塵も思わないはずだ。 私たちは相性が良い。見た目の系統とか性格とかは全然違うけど、相性は抜群に良いと確信している。まるで磁石のS極とN極が引かれあってくっつくように。パズルのピースが綺麗にはまるように。私たちの関係はそれくらいぴ
2017年12月1日 22:36
好きって何だろう。私はいつもそれを考えている。それが分かったら、世界は変わるだろうか。おそらく変わらないのかもしれない。でも私は知りたい。好きという意味を。 講義を終えて、私はアパートに帰る。今日はアルバイトも休みだし、特に予定も無いので真っ直ぐに部屋へと向かう。五階建てアパートの四階にある一室、それが私の住んでいる部屋だ。家の鍵は開いている。これはいつものことだ。だって、ここに住んでいるの