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僕はゴーストライター

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男子高校生・綾瀬圭吾の父柊介は人気脚本家。しかし、その脚本を書いているのは息子の圭吾だった。人間的に駄目な父親とゴーストライターになってしまった息子のコメディー。
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#幼馴染

僕はゴーストライター Story03.

僕はゴーストライター Story03.

「圭吾。鈴ちゃんが来たわよ」
 玄関から母さんの声が聞こえる。朝の身支度を終えて、僕は部屋を出る。脚本でストーリーの持って行き方に苦労して、深夜まで脚本を書いていた。それから宿題を済ませたので、睡眠時間は三時間ほど。本当に眠い。
「おはよう」
 玄関では江藤鈴奈(えとうすずな)が待っていた。鈴奈が朝に家に来るのは、日課になっている。僕は母さんが見送るのを背に、待っていた鈴奈と一緒に家を出る。
 鈴

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