映画「キング・オブ・コメディ」狂気もまた努力のひとつ
自分を天才コメディアンだと思い込んでいる一般人の暴走物語。
デニーロ演ずる主人公パプキンは妄想癖が激しく、現実と妄想がひんぱんに交錯するので決して見やすい映画ではない。
とにかく全編においてうすら寒さと気味の悪さがすごくて、
観客突き放しっぷりは同じくマーティン・スコセッシ作品の「タクシードライバー」以上かも。
しかし、自分のやってることがうまくいかないことばかりだと、
この映画の主人公が時折見せる苛立ちや不安の表情に引っ張られてしまうのが怖いところ。
とくにゾッとさせられるのがラストにおける一連の流れで、
「んなわけあるか!」なのに答えがいっさい出ない理不尽さにただただ茫然とさせられる。
(でも、やはりガツンとくる)
昨年公開された「ジョーカー」がこのやタクシードライバーを下敷きにしているのは有名な話。
ジョーカーにハマったのなら上記二作品や「レイジング・ブル」「ローリングサンダー」もぜひご覧いただきたい。
ストーリーのみならず、映像や音楽もきっと気に入ってくれるはず。
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