不可解なインドの電車システム。

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インドの電車システムは難しいです。

インドは本当に広いので移動するのに電車は必須です(日本の約9倍)。そしてインドの長距離移動は基本寝台電車です。お金に余裕があれば、飛行機や高速列車(すごい高いわけではない)の選択肢もありますが、貧乏旅行の場合は寝台列車が安いです。その中でも等級がいくつも分かれていて、金額も約¥150〜4000。快適さと値段は雲泥の差です。

なぜ今回自分がこの記事を書こうと思ったのかというと、インドの電車システムは本当にややこしくて、最初はわけがわからなくてめちゃくちゃ不安になるからです。インドに到着してから移動しようと思っても1週間後までキャンセル待ちだと聞いたときの絶望感を今も忘れないです。はじめてインドを旅する人の助けに少しでもなればいいなと思い、この記事を書くことにしました。ついでに自分の旅行記も少し読んでいただけたらなと思います。

チケットを買いに行く前にしておきたいこと

まず最初に、インドの電車には全て5桁の数字がついてます。これは駅で電車が何番線に到着したかという情報を知る時や、チケットを買うときに紙に書く必要があるのでまず買いに行く前にどこからどこまでの何番の電車のチケットを買いたいのかということを調べておく必要があります。
それと、これ自分は結局できなかったのですが旅慣れしている人ってパスポートナンバーを暗記しています。なんだかんだパスポートナンバーを書くことが多いインドでは覚えておいた方が後々便利かもしれません。

外国人専用窓口

まず最初に、どこでチケットが買えるのかというところからお話ししますね。主要の大きい駅には基本的に外国人専用窓口というのがあると聞きました。実際に自分が目で確認したのはニューデリー駅とバラナシジャンクション駅で、ここには外国人専用窓口というのがあります。そこでは無愛想なことはありますが比較的英語が流ちょうなインド人が対応してくれるので、そういう意味で安心できるのと、外国人旅行者向けにチケット枠が確保されているらしいのでインド人が取れないチケットをそこで買うことができます。そして何よりインド人に割り込まれずにチケットを買えるというのが大きなメリットです笑。International tourist bureau というのが目印です。
外国人専用窓口の詳しい情報はこちらのサイトを参照ください。
https://tabibeer.com/info/newdelhi_foreign_ticket/

通常窓口で買う方法

小さい駅には外国人専用窓口はないです。なので、普通の窓口で長い列に並んでチケットを買う必要があります。外国人専用窓口がなかったからといって落ち込まないでください。通常窓口でもチケットは取れます。そしてインド人は荒いけど優しいです。自分も窓口の前に人が殺到していて唖然としてしまいましたが、最終的には1人のインド人が予約の紙を窓口にねじ込んでくれたのでカオスの中、無事にチケットをとることができました。
その時の写真がこちらです笑

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左側の呆然と突っ立っているのが自分です。
チケット購入の手順は外国人窓口とあまり変わらないです。予約用紙をもらって情報を書き、窓口に行き、席に空きがあれば買うことができます。

旅行会社に頼むという選択肢

これもありです。めんどくさい手続きは全て代理店の方がやってくれるのでだいぶ楽です。ただ、ここで詐欺にあったという話は旅行中もよく聞きました。実際に自分も被害者の1人です笑(この話はまたいつかするつもりです)。代理店の人も売りなれているので巧みに日本語を使ってきますし、こちらがインド初心者かどうかはすぐに見破って初心者なら普通より高い手数料で売り込んできます。全ての旅行会社が悪者ではないですが、お金を取れるとこでは容赦無くとるのがインドの商売人です。

満席時の救世主、TATKAL(タトカル)

席が全て埋まって、チケットが買えない!!ということがインドの電車はよくあるのですが、まだ諦めないでください、前日枠というものがあります。それがTATKAL。予約が満席になるとWL(ウェイティングリスト。キャンセル待ちの意味。)となるのですが、そうなるとキャンセルがでないと電車に乗ることができません。それを根気よく待つのもありですが、ここは救世主TATKALを頼ってみてはいかがですか?前日枠はその名の通り出発の前日にのみ販売されます。販売開始時間は前日の10時からです。10時になると代理店やらがこぞって予約を始めるので、10時前には確実に駅にいたいです。
一つ言い忘れましたが、TATKALチケットは手数料が少々上乗せされます。そして、窓口に予約用紙を渡すときにTATKALチケットが欲しいということを相手に伝えてください。用紙の端っこにTATKALって書いておくとなお親切だそうです。
TATKALの詳しい情報はこちら。
https://around-india.com/1612-india-train-tatkal/

車両等級

インドの寝台電車には等級があります。先ほど書いた通り、値段もかなり違えば快適さも雲泥の差です。自分は全てに乗ったわけではないですが、なんとなく情報は聞いたので、書いておきたいと思います。参考程度に読んでください。

1A 
寝台電車のなかで最高等級です。これには乗ってませんが、鍵付きの個室に二段ベッドの部屋です。1人でここのチケットを取ると知らないおじさんと2人きりになることもあるそうです。もちろん、毛布、枕とエアコン付き。

2A 個室ではなくなり、二段ベッドに毛布、枕とエアコン付きです。これには一回乗りましたけど、ベッドは常にオープンにしておけて、スペースも大きいのでなかなか快適です。ただ、自分のスペースというのが比較的大きくあるので乗客同士の会話というのは少なかったです。

3A 2Aの三段ベッドバージョンです。ここで発生する問題が中段のベッドは昼間座っている時はたたまれてるので、中段ベッドになってしまった場合は周りと寝る時間を話し合う必要があります。でもここでの会話はなかなか楽しいです。場合によっては俺は早起きだから上段の君と交換しないかという流れになったりそういう会話は自分は旅をしているんだという実感を湧き起こしてくれます。

SL(スリーパー) ここから毛布と枕とエアコンが付かなくなります。スタイルは3Aと基本的に同じですが、作りがチャチなのかここの窓は振動で勝手に開きます。これが冬季だとかなり地獄です。冷たい風とともに毛布なしで寝るのですから。自分はこの等級を一番よく使ったのですが、現地で買ったストールにくるまっても夜中に寒すぎて目が覚めました。現地人は皆、毛布を持参して電車に乗ってきます。夏季はエアコンがないので汗はだらだらだそうです。こう言ってしまうと悪いことばっかのように聞こえますがもちろんいいところもあります。SLから下の等級は格段に値段が安いのと、旅話のネタになるほんの少しの不幸が味わえるのはこの等級ならではです。そして、三つの等級に乗ってみて思ったのはインド人との関わりが多くなるのは圧倒的に下の等級です。ハプニングもそれなりに起きますし、お金があんまりない人の方がなぜか旅人に興味を持ってくれて懸命に質問をしてきますし、たくさん関わることができます。なので自分は断然SL派でした。

GN(ジェネラル) さらにインド人と濃密に関わりたいという方はジェネラルへようこそ。この等級は自由席で、乗車率は300%を超えると言います。実は自分はGNを体験していないのですが、ホームに止まっているときに外から見た感じだと相当ヤバめです笑。乗った人の話を聞くと、それはもう立体パズルの1ピースになった気分と言ってました。武勇伝の材料としては最適です。しかも値段は150円程度。自分も次インドに行くことがあれば是非試したいと思ってます。

以上が基本的なインド寝台電車の等級の説明になります。
一つ書き忘れたのが、夏季のエアコン付きの車両は結構寒いらしいので、羽織るものが必須だそうです。インドの電車は30両編成ぐらいあるので端から端まで歩くのがすごく時間がかかり、自分の車両を見つけるのに結構手間取ります。等級を超えての車両内での移動はできないので、早めに駅に行って自分の車両のだいたいの位置を確認しておきたいです。
最後に余談で恥ずかしい話ですが、自分はCoachというのが車両という意味だということを知らなくて自分の車両番号がわからなくて最初結構焦りました。。

最後に

旅は一番百聞は一見に如かずという言葉の意味の正しさを改めて感じることができる行為だと思います。この記事を読んだり、他の方の体験談とかを読んだりしているときにいろいろな想像を膨らませて不安になっているかもしれないです。でも、踏み出したらなるようにしかならないし、結局トラブルも想定してないところからやってくるし、ということはあんまり予想は意味がないと思います。とりあえずやってみて、上手くいかなくて大変な目にあったとしてもそれは土産話になります。土産話を作ろうとして危ないことをやるのはなんだか違う気がしますけど、何もハプニングがない旅なんてないと思うし、あったとしたらそんなの面白くないです。めちゃくちゃ偉そうですけど、これは自分にも言ってるんです。飛び込んでみたら後はなんとかしかならないので気になったらあんまりリスクを考えすぎずに飛び込むことが出来る人生は楽しいと思います。

今、この記事を読んだあなたがはじめてインドの電車のチケットを買うことで不安になっているのだとしたら、自分はこう言いたいです。

とりあえず駅に行ってみてください。もう、電車の番号を調べなくてもいいです。そんなの、窓口で聞けばいいです。めんどくさそうに、次って無視されるかもしれないけど諦めないでください。インド人は根負けしなければいろいろやってくれます。頑張ってください。良い旅を。



P.S.長文失礼しました。ただインドに行った時の自分の不安と孤独を思い出したら、あれも書かなきゃこれも書かなきゃといろいろでてきてしまったんです。あ、それとこの情報は2020年1月のものです。₹2000札が使えなくなるとか、5年ビザが発行されなくなるとかいろいろと変更の多い国なので、読んでいただいている時に電車の制度がどう変わっているかまでは分からないので、責任は負えません。ご了承ください。最後までありがとうございました。


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