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世界一周50日目 疲労困憊でぼったくりに引っかかってしまった話
6月9日
今日は流石に落ち込みました。
落ち込んでるというより自分はなんて馬鹿なんだと、お前はアホかと。
何があったのかというと、タクシーでぼったくられました。そしてそれに伴うように不幸が不幸を呼び、僕はもう疲労困憊でした。
順を追って説明します。
まず昨日ギリシャからイスタンブールまで合計16時間以上のバス移動で体はボロボロでした。トルコに着いてからはスマホも使えないし、ホテルまで行くにも距離的にはそんなに離れてはいなものの立地が悪く電車を2回乗り継ぎバスを使わないと行けなくて、流石に今の状態それはしんどいなぁと。
そんな時バスの運転手さんが近くにいたタクシードライバーさんを連れてきて「このこをこのホテルまで連れて行ってくれ」と言ってくれたんですね。
距離的にも15キロぐらいだしそこまで高くなることはないだろうと思い、僕はタクシーを使うことにしました。ドライバーもちゃんとメーターをと使うと言っていたのでこれは安心だろうと。
出発してからも「メーターつけてね」としっかり言ってドライバーもつけてる素振りを見せたんですけど、どう見てもメーターが付いてないんですね。確認すると「車のメーターは今壊れてて、携帯と繋がってるから大丈夫」と言ってきたんですね。
いやこいつめちゃめちゃ怪しいなと。
絶対に降りた方がいいと思って、いつ言うべきかと。もう限界まで疲れてたので、この人と色々言い合うのすらやだと。
そんな時にタクシーのドライバーが「フィフティー」と言ってきたんですね。
ん?
15?
本当バカですよね、いやバカすぎるでしょ。50と15を聞き間違えてしまったんです。
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(15€だと2000円ぐらいか、高いけど15km以上あるしそのぐらいなら普通だよね...)
と15€と勘違いして「フィフティーオッケー」と言ってしまったんですね。思い返せばドライバーもびっくりしてて「本当に?」みたいな顔してました。
その後急にドライバーの機嫌が良くなって「ブローブロー!」と連呼。「日本人はいいやつだ!俺は日本が好きだ!」みたいなことを言い出して、おいおい急にどうしたんだと思いながら「僕もトルコが好きだよ」とお返し。
ちょうどサッカーのチャンピオンズリーグ決勝がトルコのイスタンブールで開催される予定でサッカーの話題になって...あろうことかそこで少し仲良くなってしまったんですね。
その時僕は完全に15€だと思ってますから、このドライバーさんがボッタクリじゃないと思ってたんです。(後々調べたら15€でもぼったくりだったんですが...)
そんな中ホテルの前についてお会計僕が15€を渡して出ようとすると
ド「足りないよ?」
僕「え、15€やん」
ド「ノーフィフティーン、"フィフティー"」
僕「.......え?」
車内「シーン........」
地獄の雰囲気でした。
ここでやっと僕は自分が15と50を聴き間違えていたことに気づきます。そして自分が「フィフティーオッケー👌」なんてバカなことを言っていたことにも、その後ドライバーが急に機嫌が良くなったのも、全ての辻褄が合いました。ぼったくりドライバーに対する怒りよりも、自分自身への失望で頭の中はいっぱいでした。
とはいえ僕もそんなにやわじゃないので、50€なんて絶対に払わないと心に決めてドライバーに色々と事情を説明しました。
僕「50€は払えないよ」
ド「なんで、さっきオッケーって言ったじゃん」
僕「15€だと思ってたから、聞き間違えた」
ド「それ君の責任じゃん、僕悪くないよ」
この時、完全に頭がカッチーンと来てしまって僕はもう怒り狂いました。
僕「そもそも最初メーターつけなかったのそっちじゃん」
ド「でも50オッケーって言ったじゃん」
僕「でも乗る前にメーターつけるって言ったやん」
ド「じゃあなんで50€オッケーしたねん」
僕「だから15€と聞い間違えたんやって」
もちろんこれは僕の頭の中の会話のニュアンスなので、僕はこの勢いで喋ってましたよってだけで実際は翻訳機でもっと丁寧に説明してました。
ド「だから聞き間違えたん俺悪ないやん」
僕「50€は悪いやろ。正規料金違うやん。」
ド「とにかく払って」
僕「ごめんけど、ほんまに払えへん。今お金ないし」
ド「オッケー、ATMな」
と言って、車を出して近くのATMまで行きましたんです。
いや、こっわ。10分前まで"ブローブロー"って言ってた人にATM連れて行かれるって本当に怖いです。
でも、こうなったのは全て自分のせい。
楽をしたくてタクシーを使おうとしたこと、怪しいと思った時にすぐ降りなかったこと、50と15を聞き間違えて呑気に話してたこと、
どう考えても自分が悪いとしか言いようがなくて、きっと疲れていたからなんでけど途中からドライバーに対してなんか申し訳ない気持ちが出てきたんですね。僕の間抜けさがこの人を悪者にしてしまったと。
でもごめんなさい。50€は本当に払えないんです、と強く心に誓い僕は粘りました。あらゆる角度からドライバーを納得させようと、
僕「僕はお金が本当にないんだ、お願いだからもう少し安くしてくれない」
ド「俺だってお金ないよ」
僕「僕みたいな若者の観光客に、君はこんなにお金を取るの?」
ド「俺だって若いよ、毎日朝から働いてる」
僕「いくつ?」
ド「23」
僕「18」
ド「...わかった45€でいいよ」
少しだけ下がりました。これなら行けるかもしれないと思い僕は攻撃を続けます。
僕「僕はトルコで自身の被害似合った子供たちのところへ行って、手助けをするんだ。君にこんなにお金を払ってしまったら、被災地に行けないよ」
ド「...わかったよ、40€だ」
僕「お願いだから15€にしてください」
ド「ブロー...僕たちはもう1時間以上も争ってきた。君がお金を払わないこの時間で僕はたくさんのチャンスを失った、やっぱりちゃんと50€払ってくれ。」
40€になってたのが50€に逆戻りしてしまいました。そして僕も、まだ被災地にコンタクト先がないのに"被災地に行く" と嘘をついてしまったことで、自分が悪者に見えてきてしまいドライバーに申し訳なくなってきました。
楽をしようとしてタクシーを使ったせいで、結局何倍もしんどい思いをするはめになってしまいました。
ギリシャでひったくりにあいそうになってからの16時間以上の移動で心身ともにズタボロ、そして1時間以上にわたるドライバーとの言い争い。高校時代からしらこさと頑固さでは誰にも負けなかった僕でも、流石にHPの限界が来てしまいました。
本当に、本当に情けない話ですが50€をし払ってこの戦いを終わらせるという決断をしました。いくつも気づくべきポイントがあったにもかかわらず、楽をしようという僕の怠惰がこういう結果を招いてしまいました。
本当に、申し訳ありません。深く、深く反省しています。
そしてこの話にはまだ続きがあります。この程度で僕の1日は終わりません。
僕は確かに記載されたホテルの住所の前まで連れてきてもらったんですが、どこを見渡してもホテルなんかないんですね。
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携帯も使えないので自力で探すしかなくて、ただでさえ疲れているのに同じ道を行ったりきたり。何人もの街の人に尋ねても誰もそのホテルを知りませんでした。
かなりの時間探し回ったのですがそれでも見つからず、僕は極限状態でした。もしかしたら僕が予約したホテルは存在せず、また詐欺に遭ったのではないかと考えました。
全てが嫌になって、息をすることさえ辞めたかったです。最後の最後、微かな希望を抱き唯一近くにあったホテルの中に入り色々と事情を説明しました。
違うホテルを予約してる奴が助けを求めて来てもどうせあしらわれるだけなんだろうなと思っていました。
でも、僕の予想とは反しそのホテルの管理人さんが本当に良くしてくださって、その人の優しさに泣きました。
まずWi-Fiを貸してくださって携帯を使えるようにしてくれて、疲れている僕の顔を見てコーヒーを淹れてくれました。僕が予約したホテルに代わりに電話をして事情を説明してくれて、「僕は仕事があるからもう行かないと行けないけど、好きなだけここで休んでいていいよ」と言ってくれました。
こんなの泣くでしょう。
「愛」を感じました。
幸い僕が予約していたホテルはすぐ近くに存在していて、ただ看板も何もなく言われなければ絶対に分からないような半地下の家でした。
ものすごく長い時間、何かと戦っていたような気がします。やっと落ち着きました。かなりメンタルがやられていましたが最後の最後で救われました。
予約したホテルのWi-Fiでタクシーの正規料金を調べると150TLでした。
つまり、6€(約900円)ぐらいです。
勘違いの15€ですら倍の値段でした。【50€/1276TL(7500円)】改めて自分がぼったくられたという事実を知り、僕はまた絶望しました。
一回ならまだ間に合うことも、誤った判断が何度も続けばそれは自分自身を破滅に導くんどと学びました。辞めるべきときに辞められるか、今回の件で言えばタクシーに乗るもっと前の段階から改善できました。
自分で自分の首を絞めて、破滅しました。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
すみませんでした。
僕のことを応援したいと思ってくださる方がいましたら、サポートもぜひお願い致します。 サポートは全て世界一周と起業するための費用にさせて頂きます。 これからもどうぞよろしくお願いします!!