#2「深い友達」
夏草が僕に問いかけた。夏草に僕も話しかける。緑が覆いつくしているこの地球で―。
「長い長い付き合いだけども今日の僕は新しく、今日の君も真新しいね。」
しばらく見ないうちに周りの風景は変わった。でも変わらないもの。二人はお互いを確かめるように少ない口数で、ゆっくりと会話する。
「随分暑い」
僕は吹く。君は在る。この地球は変わっていかなければならない―。
二人はお互いの再会を楽しむように、ゆっくりと会話する。
この穏やかな星と、自らの命を繋げていくように。
(了)
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