土曜日の夜、ビアバーで

最近、土曜日の夜に夕ご飯を食べた後、本を片手に近所のビアバーに行っている。だいたい時間は 21時か22時ぐらい、23時には閉店してしまうから、数時間だけの限られた私の楽しみ。

具体的に、何がそんなにいいのか?と聞かれても全然はっきりとしたことは言えない。でも、私の住む少し栄えた街の中では、少し穏やかなお店の雰囲気と、少しの喧騒が私にとっては心地よく、私が入店してからビールを頼んで以降ずっと本を読んでいても何にも関与してこない、その距離感が自分にとっては心地よい場所なんだろう、と思う。

思えば、長く住めた場所、気に入って住めた場所にはそういう場所がいつもあった。以前、浅草に住んでいた時は、行きつけのバーやカフェがあったし、いつもそこは適度な距離感で薄暗く、自分の存在がちっぽけになって、空気に近く、溶け込めるのが好きだった。お店のスタッフにはすっかり認知されているけど、彼ら・彼女らは程よい距離感で、「いつもありがとう」とだけ伝えてくれる。そういう、ゆるい繋がりが私にとってのサードプレイスであるなと、いつも思っていた。

自分にとってのサードプレイスが欠けた時、自分の中でのバランスが途端に保てなくなるような感覚がある。私の場合は、途端にプライベートの割合が少なくなっていく。自分を保つために、自宅や職場以外の場所が必要だなと、年々強く思う。第三の場所、それがあるときに自分のプライベートとパブリックのバランスが取れる。まるで、プライベートとパブリックを測る天秤のように。

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