庭にどろぼうさんがいた

 帰り道を10分ほど走ると1時間早い電車に乗れることに気づいてから、毎日、走っている。走るのに慣れていない38歳は汗みどろとなって、電車にある。この甲斐あって、最寄りの駅に辿り着くと車で迎えに来てくれる日があった。妻と娘2人、家族総出である。昨夜、その車内で聞いた話だ。


 ボケとお姉ちゃんが言うと、そんなキレイな花の名前を誰に教えてもらったん? と妻が尋ねた。しばらく考えた後に、どろぼうさんに教えてもらったと答えた。

「どこにいたの?」
「庭で逆さまになってたの、それから警察がきてね、切られちゃったの」
「そうなんだ」

 このようなことを事細かく話してくれた妻は、お姉ちゃんは天才だと言った。ぼくも天才だと喝采を送った。お姉ちゃんは得意気に、ぼくにも話してくれた。

 こんなことがあったから、今朝見た、高井さんの子育て本なんて書けないはタイムリーだった。

 記事の中で紹介されていた自己肯定の鬼。

 妻と娘の関係が、自然とこうなっているのだと思った。ぼくも帰ったら、俺イケメン! 天才って言おう。機嫌よくニコニコできる場所、それが家族なんだもんな。

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