見出し画像

浮気モラハラ年下男からようやく抜け出せた話②

お久しぶりでございます。元彼話、続話です。

「1度目」の別れを迎えた私たちだが、その後どうなったか。大体察しはつくかと思うが、関係は続いていた。

私は無事生理が始まり、PMSによるイライラや不安は無くなり「私も言い過ぎたかな」なんて反省してしまった。彼は彼で、いつも一緒にいた「人肌」が急に無くなったことに寂しさを感じたのか、付き合っていた時よりも優しい口調で家やデートに誘ってくるようになった。

そんなズルズル、ダラダラした関係が3ヶ月続いた頃、私たちはヨリを戻した。「もう一回付き合うか、もう二度と会わないか決めて」と決断を迫ったのは私だった。

それからしばらくは、驚くほど平穏な日々が続いた。以前より仲良くなったのでは、なんて錯覚してしまうほど喧嘩も言い合いもしなくなった。クリスマスなんて、手を繋いでイルミネーションを見て、ワインを飲んで、プレゼント交換をして、とても幸せだった。

しかしクリスマスの翌日、私はパンドラの箱を開けた。そう、彼のスマホを見てしまったのだ。「スマホを見るのが悪い」と言われれば本当にその通りで、申し訳も立たない。けれど、ここ数日感じていた「嫌な予感」の正体を確かめずにはいられなかった。

彼はクリスマスの前の週、友達と飲みに行っていた。終バスの時間も過ぎ、彼に「車で迎えに行こうか?」と連絡すると「今日は友達の家に泊まる」と返事が来た。いつもならラッキーとばかりに食いついてくるのに…そんなに盛り上がってるのか?「友達」という表現もいつもは使わない。彼はいつも友人を名前で呼ぶ。私と話す時もだ。色々と疑わしい要素が多くて、でも確かめる術もなく、私は不安に駆られながら夜を過ごした。

クリスマスが幸せだっただけに、勘違いであって欲しいという小さな期待も込めて開いたスマホだったが、中身は真っ黒。心臓は大きく鳴り、気づかないうちに涙が流れ、立ちくらみの時のように頭がクラクラした。証拠を残すなんていう考えにもいきつかなかったが、相手の名前だけはしっかりと目と頭に刻まれた。

「あやか」

飲み会の後泊まったのは、この女の家だった。LINEのやりとりでは、私がまるで2人の仲を阻む障害かのような扱いをされていて、吐き気がした。

ああ私は、彼の手のひらでコロコロと転がされた、ただのバカ女だったんだ。なんて最低な男なんだろう。

頭ではそう思うのに、横で寝ている彼の寝顔を未だ愛しいと感じてしまう自分に、また泣けてきた。泣きすぎて嗚咽していると、彼が起きた。「どうしたの?」と聞かれて「他に好きな人がいるんだね」と彼のトーク画面を突きつけた。

彼は少しだけ焦って、スッと私の手からスマホを取り上げ、「違うよ、言い寄られてるだけ。もう寝よ。」と私を抱き寄せた。馬鹿にするなと罵ればよかったんだと思う。思いっきりビンタでもして、家を飛び出せばよかった。だけど出来なかった。この温もりを手放せなくなっていたのは、私の方だった。

私は、浮気されていることを知りながら「情」にしがみつく女になってしまったんだ。

***

次回に続く。

泣いたり笑ったりして喜びます。