見出し画像

最高のインテリジェンス「孫子」・その1


食うか食われるか?の陣取り合戦に、我々は絶対に負けてはならない

戦前から続いていた浜松の老舗百貨店が、平成13年(西暦2001年)多額の負債を抱えて経営破綻。全従業員が解雇され、百貨店発行の商品券は紙屑と化しました。地権者が入り組んでいる跡地は未だに更地状態で、浜松の中心市街地衰退の象徴となっています。

原因は、無理な増床による固定費増大にありました。浜松駅前に大型百貨店が進出してくるというので、規模で負けないための拡大策を採ってしまったのです。

増床して「新館」を開店したのは平成4年(1992)。同年の売上高は過去最高を記録するも、勢いはそこまででした。

その前年にバブル経済(1986~1991)が崩壊しました。増床はバルブ経済の勢いの中で進められたわけで、まさか直後に一気に景気が冷え込む事態が待っていようとは予想も付かなかったことでしょう。

会社にとって、倒産ほど惨めで辛いことはありません。日本的経営者は「会社は我が子なり」と考えていますから、経営破綻は我が子の命が絶たれるのと同じくらい悲しいことなのです。

経営している以上、成功しなければ意味がない

企業の成功とは、「会社の天分」即ち「その会社らしさ」を生かし切ることにあります。背伸びして浮つくことなく年輪のようにじわじわ成長しながら、経営者と従業員、顧客・取引先・地域などがそれぞれ満足し、ひいては日本や世界の公益に貢献するところに成功があると思います。

その老舗百貨店は、浜松がアメリカ軍による空襲で焼け野原になる中、奇跡的に焼け残り、戦後間もなく営業を再開しています。百貨店は地上8階建てのビルで、よく目立ちました。

ここから先は

1,173字 / 2画像
これからお届けする【勝つための思考と行動~東洋の英知「孫子の兵法」】は、現時点で書籍化しておりません。 そこで、noteの『定期購読マガジン』機能を活用して記事を配信させていただきます。2年間で読み切っていただけるように鋭意努力して参りますが、月4本は必ず配信させていただく所存です。 どうぞよろしくお願いいたします。

東西文明が交代期にある今、国際政治も会社経営の現場も、鎬(しのぎ)を削る戦いの場となっています。食うか食われるかの陣取り合戦が起こっている…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?