鎌倉時代が終わった頃、我が国は朝廷が二つに分かれる南北朝の動乱時代に入ります。吉野に南朝、京都に北朝が、約60年間並び立ったのです。
南朝方に、公家でありながら武将としても活躍した北畠親房(きたばたけちかふさ)という人物がいました。親房は、北朝方と対戦する最中(さなか)に、南朝の正統性を明らかにした本を書きました。それが『神皇正統記(じんのうしょうとうき)』で、冒頭に次のように書かれています。
この言葉は、本当にその通りです。
でも、神国の説明として、まだ足りないことがあります。
そもそも、神の本質は正義と仁愛(じんあい)にあり、地上に平和をもたらすのが神のお働きですが、天照大御神が国の基礎を起こされたり、大御神から続く正統として代々の天皇が続いてきたり、我々国民が皆、神の分派(神の子)であったりという連続性のほかに、忘れてはならない仲間同士の努力があります。
それは
”八百万(やおよろず)の神々が力を合わせ、平和で安定した国を建設してきた事実と、そこに流れる深い慈愛の心”を見失ってはいけない
ということです。
「平和を求める大御神のご精神を、八百万の神々が”心を一つにして実行”された」のです。無数の神々が、いろいろなところで大御神の願いを受けて、よく励みました。
例(たと)えば、山には山の神がいて山の幸(さち、恵み)を司り、海には海の神がいて海の幸を司りました。さらに、水にも、火にも、草にも、木にも神がいます。あるいは、産業にも、商売にも、学問にも、政治にもそれぞれの神がいて、各(かく)神々が、その受け持つ場所や場面の繁栄と幸福を担(にな)いました。
昭和2年に出版された著書ながら、今読んでも新しく、胸に突き刺さる指摘ばかりです。新しいがゆえに、我が国の抱える病巣や問題の根が深いことが良くわかります。
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