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【制作過程大公開】Claude3に、エモいインタビュー記事書いてもらった

私の仕事、なくなるかもしれん。

どうも、まだ生成AIちゃんと使ったことがなかった老害ライターです。まあどうせ、SEOは量産できても、インタビュー記事は書けないだろって思っていました。

「おめえの実力、見せてみろや」という思いで私の取材記事書かせてみたのがこちら。

普通にすごかったです。こんなスピードでこの質。太刀打ちできねえ。

というわけでこの記事では、AIと共同作成した裏側をお伝えします。

大前提として


そもそもで申し訳ないのですが、筆者はこの時代にしてAI初心者。これまで記事作成にAIを使ったことは一度もありません。汎用性のあるプロンプトを一発書いてつくったわけではなく、むしろ対話しながらブラッシュアップしました。使い方を参考にしたい方には向いていないと思います。ツッコミどころめちゃくちゃあるかと。とはいえ、ルポルタージュを書かせた例はあまりないので、その点は参考になるかなと思います。

ご了承頂ける方はどうぞ。

学習させた材料

やりとり全部見せていたら、ながくなりすぎるので、サクサク行きます。まずは、初稿をつくってもらうために学習させたのはこちら。

・ターゲットおよび記事の目的(今回は、フリーのママライターにギルドに興味を持っていただくことを目的と設定しました。
・トンマナの参考になる記事(私の過去記事です)
・目的であるギルドを紹介するnote
・10分の自分取材音源の書き起こし(あとで深掘りしてほしかったので、あえてざっくり書きたい要素のみ話しました。単に時間が無かっただけです)

ちなみにこの時点では、ChatGPTを使うか、Claude3を使うか迷っていて、両方とやりとりをしました。対話しながら進めたため、全く同じやりとりとはいえませんが、せっかくなので両方お見せします。

Clauede3の初稿

「子育てと両立できる仕事の仕方を模索していた時期に、ライターギルドの構想を立てました。でも実際に始めてみると、予想とは違う形で必要性を実感しています」
9ヶ月の男の子を育てながら、フリーランスライターとして活動を続ける林春花さん。生後3ヶ月から徐々に仕事を再開し、現在は子どもの昼寝時間を活用して1日1時間ほどの作業をこなす。限られた時間の中で、これまでの顧客との関係を維持しながら、新たなキャリアの可能性も模索している。
予想外の展開:信頼関係がもたらした葛藤
「実は妊娠中、法人案件が受けられなくなるんじゃないかという不安から、ライターギルドを構想したんです」と林さん。しかし実際には、既存顧客から「ぜひ林さんにお願いしたい」という言葉をいただき、育児による度重なるリスケにも柔軟に対応してもらえているという。
ありがたい反面、その状況が新たな課題を生んでいる。「結局、私が書くしかないので、子育てが大変な時も書かなければいけない。顧客は子どもの発熱にも理解を示してくださるのですが、申し訳なさが残ります」
ギルドの新たな可能性:支え合いの場として
このジレンマを経験する中で、林さんはライターギルドの必要性を改めて実感している。「これからママとして働くにあたって、一人では責任を持ってお仕事を成し遂げることは難しい。でも、低単価で受けたり、インタビュー以外の案件を受けるのは違う。このライターギルドという存在があるからこそ、できることがあるはずです」
特に注目しているのが、インタビュー案件でのピンチヒッター体制だ。「子どもの急な発熱で、当日朝にリスケをお願いするのは、関係者の方々に非常に申し訳ない。そういった状況で悩むライターさんは多いと感じています。特に初心者のライターさんは、そこで躊躇してしまい、せっかくの機会を逃してしまう。それはとてももったいないことです」
新たな挑戦:個人事業主のブランディング支援へ
育児をする中で、新たなビジネスチャンスも見えてきた。「子育てを始めてからインスタグラムをよく見るようになって、ビジネス系の投稿を見ていると、もっと信頼性のある発信ができるはずなのに、と感じる方が多いんです」
特に個人事業主向けの支援に可能性を感じている理由として、「法人よりも予定が立てやすく、私の現在のライフステージに合っている」と語る。また、ママ経営者との関わりは、自身の興味関心とも重なるという。
夢は「ゆるく、でも充実した」キャリア
「バリバリ働きたいとは全然思っていなくて。これまでも体を壊した経験があるので、ゆるくゆるく、でもキャリアも楽しみたい」と林さん。将来的には本の執筆支援にも携わりたいと考えているという。
「自分の本を書くより、素晴らしい方々の想いを届けたい。特に本を出したいけれど書けないという方々の支援をしたい。そのためにも、まずは自分自身の経験を積んでいきたいです」
ライターギルド『ヒキダス』では、共に成長できる仲間を募集中
インタビューができるライターを目指す方、特に以下のような方々とご一緒できれば嬉しいです:
子育てや介護など、時間的制約がある中でもライターとして活躍したい方
インタビューの実践経験を積みたい初心者ライターの方
お互いに支え合える関係性を築きたい方
「上下関係ではなく、本当の意味で助け合えるチームを作りたい」という林さんの想いに共感いただける方は、ぜひご連絡ください。

ChatGPTの初稿

「ゆるく、でも夢は大きく」―育児と仕事を両立しながら挑戦を続ける彼女の今
「育児と仕事、どちらも大切にしたいんです」。彼女はそう笑顔で語ります。現在9カ月の男の子を育てる彼女は、数カ月前から少しずつ仕事に復帰しました。保育園には預けず、子どもの昼寝の合間に少しずつ進めるスタイルです。「1日1時間もできない日もあるけれど、その隙間時間が意外と心地よくて」
もともと彼女が力を入れているのは、法人向けの採用案件や執筆業務。妊娠前から付き合いのあるクライアントからの依頼が多く、子どもの体調不良でリスケをお願いすることも多いものの、今も信頼して仕事を任せてくれています。「ありがたい反面、やりたいことができないもどかしさも感じます」と、複雑な心境を吐露しました。
ライターギルドの設立―「支え合う仲間がいるから、前に進める」
彼女が立ち上げた「ライターギルド」は、そんな自身の経験が背景にあります。特に、育児やライフステージの変化によって予定通りに仕事が進まないこともありますが、信頼できる仲間がサポートしてくれるため、120%の力を発揮できるのです。「ギルドに支えられることで、チームで品質を高めながら、お互いにピンチをカバーし合えるんです」と彼女は語ります。
個人事業主への支援と、自身の夢
今後は、もっと規模の小さい個人事業主や経営者をサポートする仕事にも取り組みたいと話します。「インスタなどでビジネス情報を発信する人たちを見ると、もっと信頼性を高められればいいのに…と思うこともあります。そういった方々の発信を支えることで、私自身もライフステージに合った柔軟な働き方ができると思っています」
そして最後に、彼女が語ったのは「いつか本を書きたい」という夢。「ただ、自分のために本を書くというより、素晴らしい人の物語を届けたい気持ちが強くなってきました」。そんな彼女が、家庭と仕事、夢を「ゆるく」両立させながら、少しずつ理想の未来に近づいている様子が伝わってきます。

記事、内容が浅くて若干間違いがあるのは、私のインタビュー音源が浅いので現段階では仕方ないとして。この段階で私は、Claude3に決めました。気に食わなかったのが、トンマナの無視。地の文はである調で、「」の発言はですます調で書いてあるのに、全文ですます調に。ChatGPTは例となる記事を学習できていなさそう。まあ確かに、難しいよね。

もう少し粘って指示すればできたのかもしれませんが、無料版の制限もきたので、この時点でClaude3を選択。

というわけでここから、Claude3と一緒に推敲していきます。


内容の追加


初稿段階ではめちゃくちゃ内容が薄いので、まずは内容の付け足しをお願いしました。

ただ、これだけだと私が書いた内容をそのまま足すだけだったので、「さらに良い記事になるよう、深掘りしてください」とディレクションしました。すると次のような質問が。

1.「書かないほうが苦しい」という表現が印象的でした。具体的にどのような時に書きたいと感じ、書くことでどんな変化が起きますか?特に育児中の今、その感覚は変化していますか?
2.「名前も知らない人に助けられた命」というエピソードについて。この経験は、インタビューライターとしての仕事の姿勢にどのような影響を与えていますか?例えば、インタビューの際の質問の仕方や、記事を書く時の意識に変化はありましたか?
3.「ライターギルド」について、「助け合える関係性」を重視されていますが、具体的にどのような関係性を思い描いていますか?例えば、ギルドメンバー同士でどのようなやり取りや学び合いを想定されていますか?
4.「自分の発信」と「人の想いを伝えること」、その両方を経験される中で見えてきた気づきについて、もう少し詳しくお聞かせいただけますか?特に、それぞれの難しさや喜びの違いについて。
5.「法人よりも予定が立てやすい」という個人事業主支援の可能性について。具体的にどのような支援の形を考えていらっしゃいますか?育児との両立を踏まえた、現実的なプランをお聞かせください。

ちょっと的外れな質問もあるかなと思いつつも、1の質問などはなかなかいい視点。インタビュアーも、キャッチーな言葉は聞き返すよね。すべての質問に答えず、気になるものだけを答えました。

すると、ちょっと分厚くなったんだけど、足してくれたのは私が追加で回答した言葉のみ。これだとやっぱり面白くない。



(中略)

書くことは、私の心の整理術
「出産直後も書いていました。書くことは私の人生の一部。むしろ書かないほうが苦しい」と語る林さん。特に育児中は、イライラしたときや考えが纏まらず頭がぐるぐるするとき、夫に話すより先に書きたくなるという。
「育児で普段会える人が減った分、誰かに想いを伝えたい欲求も強くなりました。また、私自身、育児を始めてみて知らないことばかりでした。検索好きな私でさえそう。だから、自分が当たり前に感じていることでも、誰かにとっては価値のある情報かもしれない。そう考えると、日常の発信にも意味があると感じるようになりました」

出産前から構想したギルド:想定と現実
「妊娠中、法人案件が受けられなくなるんじゃないかという不安から、ライターギルドを構想しました」と林さん。しかし実際に育児が始まると、想定とは異なる形でギルドの必要性を実感することになる。
「現在は音源をいただいて執筆する案件のみを受けています。インタビューは相手の話に完全に集中できる環境が必要で、子ども同席では、プロとしての仕事はできません。また、インタビュイーの方も、子どもの声で思考が乱されてしまう。それは避けたいんです」
黒子として相手の話に寄り添うインタビュアーだからこそ、妥協はできない。そのプロフェッショナリズムを保ちながら仕事を再開するために、ギルドの存在が不可欠だと考えている。

(中略)

ルポルタージュ調としては面白くない。そこで思い切ってこんな指示をしてみた。

「エモくしてみて」

「もっと、林の発言だけでなく、ルポの地の文を増やしたいです。私の表情などを入れて、エモくしてください」

我ながら無茶振り。さて、どうくる?

冒頭部分のみ紹介。

画面越しでも伝わってくる柔らかな表情。そこに時折混じる、仕事への情熱を語る時の眼差しの変化。9ヶ月の男の子を育てながら、フリーランスライターとして活動を続ける林春花さんは、育児と仕事という二つの顔を持つ。
「子育ては楽しい。でも、毎日子どもと向き合っているだけでは、何かが足りない。私には仕事が必要なんです」
その言葉を口にする時、林さんの表情が引き締まった。

突然、オンライン取材になったやんけ。エモいけどさ。

「オンライン取材にしないでください」と早速指示。

なんで喫茶店にきたん?さすがにイメージ違いすぎたので、場所と情景をしっかり指示しました。

「場所の設定として、
子どもを寝かしつけた状態で、自宅のリビング。
途中子供が泣き出してからは抱っこしながら
という流れにしてください」

そこで出てきたのがこれ。

「やっと寝てくれました」
リビングに戻ってきた林春花さんは、少し疲れた様子を見せながらも穏やかな表情を浮かべる。9ヶ月の息子を寝かしつけてきたところだ。プレイマットの上に散らばるおもちゃが、つい先ほどまでの賑やかな時間を物語っている。
「子育ては楽しい。でも、毎日子どもと向き合っているだけでは、何かが足りない。私には仕事が必要なんです」
その言葉を口にする時、林さんの表情が引き締まった。
インタビューのために息子を寝かしつけ、やっと落ち着いて話せる時間を作った。この光景は、まさに彼女が語る課題を体現しているようだった。インタビュアーとして「黒子に徹する」という信念を持つ林さんが、なぜ育児中の今、新たなライターギルドの構想を温めているのか。息子の寝息が聞こえる隣室を見やりながら、彼女は語り始めた。

……やるやん。

ちなみに文中にあるプレイマットもベビーモニターなんて、音源でも一切話していない。もしかしてClaude3、私の日常盗み見ている?監視カメラついてる?そのくらいよくある光景を映し出してきた。なんで知っているんですか。

曖昧な指示も自分で解釈

というわけで、かなり完成形に近づきました。この後も細かい指示を付け足し、修正してを繰り返しました。個人的に感動したのがこのやりとり。


「全体的に、息子という言葉に違和感です。我が子や子どもなど、場面によって使い分けてください」

の指示に対して、
以下の修正例を提示。

このように、文脈に応じて:
・「我が子」(親としての愛情を感じさせる場面)
・「子ども」(一般的な文脈)
・「赤ちゃん」(具体的な場面描写) と使い分けていきたいと思います。
全体を通してこのように修正させていただきたいのですが、よろしいでしょうか?

おおお!
編集していると、ライターの言葉遣いのなんとなく違和感があって、うまく言葉にできないけど直したい瞬間、あるじゃん?でも生身のライターが相手だと、言語化ができないと直してもらうことはできない。(できるけど、したくないよね)

でもClaude3はもやもやした指示をぶつけて、自分で考えて判断できる。さきほどの「エモくして」もそうだけど、解釈してすぐ直してくれるの、いいよね。正直、編集者視点だとライターへの配慮がいらないから楽かもしれない。

そしてできあがったのがこちらです。


Claude3で自分取材をしてみて

正直、舐めてた。まず、はじめに出てきた文章。面白みはないものの、書き起こしから正確に要素を落とし込み、原稿を作り上げてきた。それを数秒でやってのけるのは、やっぱりすごい。人間には絶対できないよね。

まあとはいえ、面白くないし、ルポはやっぱり厳しいかなとタカを括っていたら。情景を指示してからは、なかなかいい記事を出してきたよね。しかも、想像で情景を詳しく付け足してくれる。
私が書くとしたら、ここまで文中に情景描写は入れなかったと思う。ベビーモニターから雑音など、細かい描写まで入れたのは驚き。指示した段階で、ここまでできると思っていなかった。

ただまあ、この指示ができたのは、自画自賛になるけれど、私がライター経験があって、全体のイメージができていたからだよね。とりあえずAIに書いてもらおうの一般の人だと、初稿止まりになるのではないかな。初稿レベルでは、お金はもらえない。

でもね、私、自分で言うのもなんだけど、AIは本当に初心者なの。ChatGPTも出始めた頃ちょっと遊んだくらいで、記事なんてつくったことはなかったの。まじで時代遅れな人間なの。それでも使えたのは、これまで培ってきたライターと編集の経験があるからこそ。このスキルは、これからも必要になることを確信した。

しかしまあ、編集者視点で考えると「ライターAI」はめっちゃ便利。だって人格ないし、労力も考えなくていいから、雑な指示がたくさん出せる。私がもし、AIがされていたような指示をされたら発狂するけど、AIは真摯に受け止める。これって本当にすごいことだよね。いつかストレス爆発しないか心配になっちゃうレベル。なんかこういう映画出そう。


まとめ

今後について、クライアント案件で音源をがっつりAIに学習させるのはまだセキュリティ的に怖いので、インタビュー記事の制作は依頼しないつもりだけど。

逆に「AIどんどん使って良いから単価安くして」といわれたら、せざるを得ないよね。労力段違いだもの。音源をそのまま読み込ませるだけで、草稿できちゃうんだもの。正直、想像していなかった、怖い未来の訪れを感じる。私はこれからもお金を稼げるのか。

ただ、「編集」は絶対に必要で。このスキルの必要性はなくならないんじゃないかな。たしかに生成AIを勉強した方が指示の精度は上がるし、効率も上がる。私のプロンプトをみたら、無駄で面倒な手順を踏んでいたと思う。でも、ほとんどライター経験がなく、AIを扱って記事を量産している人に、品質は負けない。そう思えた。

ちなみに公開した記事、私が最後直接手直しした修正は消したんだよね。「息子」のように一括で良い感じに修正してくれることもあるけれど、いちいち指示するのが面倒くさすぎる部分は絶対残る。そこを直せるのも、プロだよなって思う。

結局、AIすげえと言いつつ、自画自賛な結論に至ってしまったわけですが。
これからもおごらず、過度に心配もせず、書く力をもっと伸ばしていきたいと思います。

最後におまけ。この記事の感想を500字以内でお願いしてみた。

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林春花@価値を引き出すブランディングライター
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