私の仕事、なくなるかもしれん。
どうも、まだ生成AIちゃんと使ったことがなかった老害ライターです。まあどうせ、SEOは量産できても、インタビュー記事は書けないだろって思っていました。
「おめえの実力、見せてみろや」という思いで私の取材記事書かせてみたのがこちら。
普通にすごかったです。こんなスピードでこの質。太刀打ちできねえ。
というわけでこの記事では、AIと共同作成した裏側をお伝えします。
大前提として
そもそもで申し訳ないのですが、筆者はこの時代にしてAI初心者。これまで記事作成にAIを使ったことは一度もありません。汎用性のあるプロンプトを一発書いてつくったわけではなく、むしろ対話しながらブラッシュアップしました。使い方を参考にしたい方には向いていないと思います。ツッコミどころめちゃくちゃあるかと。とはいえ、ルポルタージュを書かせた例はあまりないので、その点は参考になるかなと思います。
ご了承頂ける方はどうぞ。
学習させた材料
やりとり全部見せていたら、ながくなりすぎるので、サクサク行きます。まずは、初稿をつくってもらうために学習させたのはこちら。
・ターゲットおよび記事の目的(今回は、フリーのママライターにギルドに興味を持っていただくことを目的と設定しました。
・トンマナの参考になる記事(私の過去記事です)
・目的であるギルドを紹介するnote
・10分の自分取材音源の書き起こし(あとで深掘りしてほしかったので、あえてざっくり書きたい要素のみ話しました。単に時間が無かっただけです)
ちなみにこの時点では、ChatGPTを使うか、Claude3を使うか迷っていて、両方とやりとりをしました。対話しながら進めたため、全く同じやりとりとはいえませんが、せっかくなので両方お見せします。
Clauede3の初稿
ChatGPTの初稿
記事、内容が浅くて若干間違いがあるのは、私のインタビュー音源が浅いので現段階では仕方ないとして。この段階で私は、Claude3に決めました。気に食わなかったのが、トンマナの無視。地の文はである調で、「」の発言はですます調で書いてあるのに、全文ですます調に。ChatGPTは例となる記事を学習できていなさそう。まあ確かに、難しいよね。
もう少し粘って指示すればできたのかもしれませんが、無料版の制限もきたので、この時点でClaude3を選択。
というわけでここから、Claude3と一緒に推敲していきます。
内容の追加
初稿段階ではめちゃくちゃ内容が薄いので、まずは内容の付け足しをお願いしました。
ただ、これだけだと私が書いた内容をそのまま足すだけだったので、「さらに良い記事になるよう、深掘りしてください」とディレクションしました。すると次のような質問が。
ちょっと的外れな質問もあるかなと思いつつも、1の質問などはなかなかいい視点。インタビュアーも、キャッチーな言葉は聞き返すよね。すべての質問に答えず、気になるものだけを答えました。
すると、ちょっと分厚くなったんだけど、足してくれたのは私が追加で回答した言葉のみ。これだとやっぱり面白くない。
ルポルタージュ調としては面白くない。そこで思い切ってこんな指示をしてみた。
「エモくしてみて」
「もっと、林の発言だけでなく、ルポの地の文を増やしたいです。私の表情などを入れて、エモくしてください」
我ながら無茶振り。さて、どうくる?
冒頭部分のみ紹介。
突然、オンライン取材になったやんけ。エモいけどさ。
「オンライン取材にしないでください」と早速指示。
なんで喫茶店にきたん?さすがにイメージ違いすぎたので、場所と情景をしっかり指示しました。
「場所の設定として、
子どもを寝かしつけた状態で、自宅のリビング。
途中子供が泣き出してからは抱っこしながら
という流れにしてください」
そこで出てきたのがこれ。
……やるやん。
ちなみに文中にあるプレイマットもベビーモニターなんて、音源でも一切話していない。もしかしてClaude3、私の日常盗み見ている?監視カメラついてる?そのくらいよくある光景を映し出してきた。なんで知っているんですか。
曖昧な指示も自分で解釈
というわけで、かなり完成形に近づきました。この後も細かい指示を付け足し、修正してを繰り返しました。個人的に感動したのがこのやりとり。
「全体的に、息子という言葉に違和感です。我が子や子どもなど、場面によって使い分けてください」
の指示に対して、
以下の修正例を提示。
おおお!
編集していると、ライターの言葉遣いのなんとなく違和感があって、うまく言葉にできないけど直したい瞬間、あるじゃん?でも生身のライターが相手だと、言語化ができないと直してもらうことはできない。(できるけど、したくないよね)
でもClaude3はもやもやした指示をぶつけて、自分で考えて判断できる。さきほどの「エモくして」もそうだけど、解釈してすぐ直してくれるの、いいよね。正直、編集者視点だとライターへの配慮がいらないから楽かもしれない。
そしてできあがったのがこちらです。
Claude3で自分取材をしてみて
正直、舐めてた。まず、はじめに出てきた文章。面白みはないものの、書き起こしから正確に要素を落とし込み、原稿を作り上げてきた。それを数秒でやってのけるのは、やっぱりすごい。人間には絶対できないよね。
まあとはいえ、面白くないし、ルポはやっぱり厳しいかなとタカを括っていたら。情景を指示してからは、なかなかいい記事を出してきたよね。しかも、想像で情景を詳しく付け足してくれる。
私が書くとしたら、ここまで文中に情景描写は入れなかったと思う。ベビーモニターから雑音など、細かい描写まで入れたのは驚き。指示した段階で、ここまでできると思っていなかった。
ただまあ、この指示ができたのは、自画自賛になるけれど、私がライター経験があって、全体のイメージができていたからだよね。とりあえずAIに書いてもらおうの一般の人だと、初稿止まりになるのではないかな。初稿レベルでは、お金はもらえない。
でもね、私、自分で言うのもなんだけど、AIは本当に初心者なの。ChatGPTも出始めた頃ちょっと遊んだくらいで、記事なんてつくったことはなかったの。まじで時代遅れな人間なの。それでも使えたのは、これまで培ってきたライターと編集の経験があるからこそ。このスキルは、これからも必要になることを確信した。
しかしまあ、編集者視点で考えると「ライターAI」はめっちゃ便利。だって人格ないし、労力も考えなくていいから、雑な指示がたくさん出せる。私がもし、AIがされていたような指示をされたら発狂するけど、AIは真摯に受け止める。これって本当にすごいことだよね。いつかストレス爆発しないか心配になっちゃうレベル。なんかこういう映画出そう。
まとめ
今後について、クライアント案件で音源をがっつりAIに学習させるのはまだセキュリティ的に怖いので、インタビュー記事の制作は依頼しないつもりだけど。
逆に「AIどんどん使って良いから単価安くして」といわれたら、せざるを得ないよね。労力段違いだもの。音源をそのまま読み込ませるだけで、草稿できちゃうんだもの。正直、想像していなかった、怖い未来の訪れを感じる。私はこれからもお金を稼げるのか。
ただ、「編集」は絶対に必要で。このスキルの必要性はなくならないんじゃないかな。たしかに生成AIを勉強した方が指示の精度は上がるし、効率も上がる。私のプロンプトをみたら、無駄で面倒な手順を踏んでいたと思う。でも、ほとんどライター経験がなく、AIを扱って記事を量産している人に、品質は負けない。そう思えた。
ちなみに公開した記事、私が最後直接手直しした修正は消したんだよね。「息子」のように一括で良い感じに修正してくれることもあるけれど、いちいち指示するのが面倒くさすぎる部分は絶対残る。そこを直せるのも、プロだよなって思う。
結局、AIすげえと言いつつ、自画自賛な結論に至ってしまったわけですが。
これからもおごらず、過度に心配もせず、書く力をもっと伸ばしていきたいと思います。
最後におまけ。この記事の感想を500字以内でお願いしてみた。