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ベルフェイス流ABM施策|コンテンツ×デリバリーのポイント

こんにちは。ベルフェイスでマーケティングをしている林です。

弊社のマーケティング組織(Marketing Division)は現在3チームから成っているのですが、そのうちのAccount Based Marketing Team(ABMチーム)とCustomer Marketing Team(CMチーム)の2チームでマネージャーをしています。

今期はABMチームを立ち上げ、いろいろやってきた半年だったのですが、そろそろ上期も終わりということで自分の中で振り返っていたら、「てかこれってnoteにしたら多少は誰かの役に立つのでは」と思ったので久々にnoteを書いている次第です。

FORCASさんの力でだいぶ日本のBtoB界隈にも広まってきているABM。しかし「ABMをやっている」と言っても、

・リストを作って
・手紙を送って
・infoからお問い合わせして
・電話をかけて

と実質はアウトバウンド営業をABMと名付けた活動になっている企業も多いのではと考えています。

このnoteでは、弊社がこの半年でどのようにABM施策を考え・実行し・どのような成果が出たかを紹介します。ABM自体は幅広い概念ではありますが、今回はターゲット選定やナーチャリングの話は抜きにして、リードジェンに限った話になっています。ターゲット企業をバイネームでリストアップした状態でその企業の方のリードを獲得する方法、くらいに考えてください。

所詮半年なので、まだまだこれから、という未熟なレベルではありますが、だれかの参考になると幸いです。

なぜABMを始めたのか

つい先日、弊社は資金調達のプレスリリースを出しました。プレスリリースについて扱っていただいたBRIDGEさんの記事にも書いてあるのですが、弊社は今回のコロナ禍で営業戦略を大きく変えることを余儀なくされた企業の1つです。(オンラインツールなんてイケイケでしょう、とよく言われたものですが実際はなかなか大変な1年半でした笑)

市場のニーズや競合の動きの急速な変化を目の当たりにする中で、ベルフェイスが改めてターゲットとして考えた業界の1つが、金融業界です。

また、ベルフェイスは営業データを活用して組織の営業成績・生産性を向上していくツールなので、どちらかというと規模の大きい営業組織に向いています。

という中で、これまで業界問わずホリゾンタルにマーケティングを行っていた時代と比べると、業界特化で企業数を絞ったマーケティングを行っていく必要がありました。そこでこの4月からABMチームを発足し、アカウントベースのマーケティングをしていくことにしたのです。

どんな成果が出たか

このABMを始めてから、現在は弊チームが実施するウェビナーに参加・申込いただく企業様の大半は大手金融機関の課長以上の方となっています。

外資系金融機関の経営者の方も参加いただいたり、さすがにリストを見せられないのですごさをうまく表現できないのですが、いちITベンチャーの単独ウェビナーにこんなにすごい方々が参加してくださるのか…と我ながら毎回驚いています。

大手生命保険会社の方に、1回のウェビナーに同時に20名ほどご参加いただくこともあったり、企業×部署に対してもドンピシャでこちらからコンタクトしたい方と接点を持つこともできたりしました。

何度も書いている通り成果としてはまだまだ、もっといろいろやれる余地は、、という状況ではあるのですが、一旦発信できるくらいの成果は得たなという思いです。ということで何をやったか書きます。

ABMのポイントはコンテンツ×デリバリー

別にABMに限った話ではないとは思うんですが、ABMをやる上で成否をわけるのはコンテンツ×デリバリーでした。

リストを作ってそこに営業力でアプローチしていくのであればまた別の話ですが、ターゲットとする企業の方に、弊社に興味を持っていただき、少しでも営業活動の成功率を高めるためには、

・そのお客様が気になるコンテンツをいかにドンピシャに提供し
・それを限られたお客様に正確に届けるか

が鍵となります。

ABMコンテンツ設計のポイント

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ということで、じゃあどうやってターゲットとなるお客様が興味を持ってくれるようなコンテンツを作るんだ、という話になります。一般的なマーケティングであればカスタマージャーニーマップやペルソナをベースにこのコンテンツを作ると思いますが、

ABMにおいてはターゲットアカウントが決まっているので、なるべく具体的にこのターゲット企業が気にしている情報を収集しにいきます。

きっかけは営業が「最近商談の場で●●って言葉よく出てくるんですよね。部署名にも入ってたりするし、中期経営計画にも出てきます」と教えてくれたことでした。

試しにこれをウェビナーの題材に据えてタイトルにも盛り込んでみたところ大当たり。実際にその「●●」を中経でも大きくテーマとして扱っている企業の方々から、約20名ほどのお申込みをいただきました。

聞くところによると、この企業の管理職の方が、社内で「このセミナーよさそう」と拡散してくださったとのこと。企業が大きなテーマとして扱っているものを題材にしたセミナーは、社員への情報流通・教育の観点で管理職の方にはよいのかもしれません。

いわゆるダークソーシャルというような、先方企業内で拡散してくれる動きは、コンテンツがドンピシャな時にこそ起きる事象と言えるかと思います。

それを踏まえ、ターゲット各社の中期経営計画書を読み、頻出するワードと出現回数をカウントしたり、もしました。

必ずしも中経である必要は全くないのですが、自身のターゲット企業界隈で最近どのようなワード/テーマに注目が集まり、情報収集をする行動が増えているのかにアンテナを張ることが重要だと痛感しました。

そういえば、私宛にたまにTwitterなどでDMをいただくことがあります。申し訳ないことにすべては見られていないのですが、中に一部私のツイートやnoteなどを読み込んでその情報を散りばめながらDMをくださる方がいます。そういったものは自然と最後まで読んでしまいます。

やはり人間は興味ある情報に自然と目が行く生き物なので、ターゲット企業が決まっている中で、いかにその企業の方々にとって興味ある情報を特定できたかがABMの鍵になります。

その企業のWebサイト、その企業の方のインタビュー記事、業界誌、直接話で聞いたこと、噂、などなど、様々な方法からそういった情報を仕入れていくことが成功のポイントなのでしょう(うちももっとやらなきゃ)。

ABMデリバリー設計のポイント

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ウェビナーやホワイトペーパーなど、興味を持っていただけるコンテンツを作ったとして、それがターゲット企業の方に届かなければ意味がありません。

ターゲット企業をバイネームで抽出しているABM施策においては、いかに高い精度でこのターゲット企業に届けられるかも成功の重要な要素の1つですね。

幅広く広告を打っていては、非ターゲット企業にも多くあたるので、費用をかける施策の場合はターゲティングのメニューや精度がかなり影響します。

広告についてはいつかきっと弊社の敏腕担当が発信してくれると思うのでw一旦ここでは言及しないものとして、

デリバリーのポイントとして私が感じたのは、BDR(インサイドセールス)との連携です。

マーケティングをやっているとどうしてもIPアドレスで企業ターゲティングをして、、とテクニカルなことをやってみたくなりがちですが(実際やりました)、最適解はシンプルだったりします。

結局ターゲット企業の方に正確にアプローチするために有効な手段としては、手紙・メール・電話なのです。

ウェビナーのテーマや開催日時、LP公開タイミングなどを密に連携しながら進めていくことで、タイムリーにこのウェビナーを話のネタにメールや電話を案内してもらいました。

また、面会のご依頼としてお送りしている手紙に、ウェビナーの案内チラシを同封したりしています。

ちなみにこのウェビナーの案内チラシ、紙でお送りしてQRコードからLPを読み込んでWeb上で参加申し込みをするというなかなかハードな導線にも関わらず、申込/送付率が4%を超えており、結構なパフォーマンスだと思っています。チラシだけでなくBDRからのフォローメール/コール時にお申込みいただく方もいるので、それも加えるともっと高い確率です。

手紙/メール/電話の連絡手段を持てない方に関しては広告でアプローチ。これらの手段がある方に対してはBDRと連携して。この方法で大手金融機関の課長以上の方々に多数ご参加いただけるウェビナーになりました。

今後

一旦今回はここまでなんですが、今後もたまに弊社のマーケティングについて発信していきたいなと思ってます。

冒頭に書いた通り弊社のマーケ組織には現在3チームあるのですが(組織変更多いのでまた変わるかもw)、「ブランドマーケティングチーム」という認知率・第一想起率・好意度などを向上させる動きをするチームがあったり、「カスタマーマーケティングチーム」という既存顧客向けのマーケティング組織がCSではなくマーケ内にあったり(最近移った)、SaaSのマーケ組織には珍しい部分が結構ある気がしています。

まさにPDCAの最中みたいなことも多いのですが、成果が出たらきっと弊社の誰かがそういった部分についても発信してくれるので乞うご期待くださいということで、以上です!

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