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甘美なるフランス展 感想

ポーラ美術館コレクション展 甘美なるフランス

Bunkamuraといえば美術館。そう、今日の展示は「ポーラ美術館コレクション展 甘美なるフランス」である。事前予約制ではあるが、予約はしていなかった。大体なんとかなるを信条に渋谷109の横を抜け東急本店を目指す。

渋谷は基本的に嫌いである。悪臭が漂い、人がごみごみと蠢き、地面にはゴミが散乱している。ここが日本の中心だと思うと少し悲しくもなる。ただ、GMOのCMのような渋谷をみると幻想的にも感じる、こんな状態が続けばと僕は願うが、大半は今の活気のある渋谷を望むのだろう。

Bunkamuraに着いた。東急の地下を抜けBunkamuraへ入るとそこには小さな噴水そして美術館の入り口が見えた。

とりあえず入れるか聞いてみると混んでいるが空きはあるからそこの券売機でチケットを買って来れば大丈夫とのこと。学生証を出し、1000円を支払いチケットをゲットした。

チケットを切ってもらい中に入るとまずは音声ガイドが積まれている。美術館初心者は最大限に楽しむためには音声ガイドが必要だろうと思い、そこで600円を支払った。音声は下野紘である。言わずと知れた鬼滅の刃の我妻善逸の声優だ。昨日の鬼滅の刃の初テレビ放映は見逃した。映画館に足を運んで、映画自体は見ているので許して欲しい。

全ての解説に目を通し、音声ガイドを聴きながら鑑賞すると2時間近くかかり、どっと疲れた。

以下の文は美術素人の感想である。美術に精通しており、表現を不快に思われた方は途中で読むのをやめてこの文章を記憶から抹消していただきたい。

まず紹介されるのはその時代における画家がフランスにおける産業革命をどう描いたかである。

自然と産業の対比を描いた作品、産業革命によってもたらされた新たなものを描いたものなど様々である。たまに香水の入れ物が展示されていたが、ガラスの大量生産が産業革命によって始まったということで展示されているらしい。。

この展示でやはり目を引かれるのはルノワールの作品だ。パンフレットの表紙にも登場する「レースの帽子の少女」この甘美さといい、美しさといい完璧の域だった。当時流行したというレースの帽子、筆致をみると一際力を入れて書いた事がうかがえる。

また、今回印象に残ったのは「エッソワの風景、早朝」だ。ルノワールの妻アリーヌの故郷エッソワで描かれたものらしい。農家の朝を描いたものだが、この両脇に立つ木々のぼんやりとした色彩と立体感に一際目を引かれた。このボリューム感は3Dで見ているかのようで軽く興奮を覚えた。

印象派の次に来るのは新印象派だ。点描で描かれた鮮やかな色彩に目を奪われる。ジョルジュ・スーラというのが代表らしい。筆触分割を使い、論理的な色彩表現を用いることによって再現されたという。

新印象派の後に来るものといえばポスト印象派である。ゴッホとゴーギャンが代表例だろう。今回展示されていたのは「ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋」だ。この作品はゴッホが日本のような場所を求め、アルルに到着してすぐの作品で、橋の描き方や、色彩から明らかな浮世絵の影響が見てとれ、初心者でも楽しむ事ができる作品だ。

このブースにはセザンヌの絵もあったのだが、三角形の構図とピカソが尊敬していたということしかわからなかった。調べるとキュビズムの元祖と言える存在らしい。あとで深く調べてみよう。

キュビズムについてはピカソの作品以外は全く見た事がなかったのだが、今回の展示では、アンリ・マティスなどのフォービスムと呼ばれる種類の画家たちがいることを初めて知った。

デュフィのパリは凡人の私でもわかるくらい素晴らしかった。色のグラデーションの美しさとパリへの愛がひしひしと伝わってきてとても見入らせられる作品だった。

キュビスムは緻密な計算に基づいた幾何学模様でできているのだろうが、それ以外は結局凡人には理解できないということがわかったのは新たな発見だろう。

ピカソは絵を描いた数が桁違いだし、実際に絵も上手いんだなんて話もあるけど結局評価されるのは大体キュビスムの絵ばかりだ。いつの時代も美術の世界では新しい視点を得たものが評価されるのだろうか。

最後に、マリー・ローランサンの絵はやはり印象に残った。白い柔肌を感じさせるふわっとしたタッチの女性像。まだ女性画家は珍しかった時代である。

強く印象に残ったし、親近感的なものを感じたので検索してみると、いわさきちひろの絵に大きく影響を与えたのがマリー・ローランさんだそうなのだ。いわさきちひろの絵は日本人にとって馴染み深い。親近感を覚えたのもそのせいだったのだろう。

今回、19世紀から20世紀の絵画の流れを見てきて、俄然美術史を学びたくなってきた。この展示の第1章では産業革命と絵の繋がりというものが見て取れる展示がされていた。美術史はもちろん世界史と繋がっていて、美術史を学べばより広い視点で世界史を見ることができるようになる。またルネサンス絵画なんかは宗教への理解がなければ到底理解できないだろう。

知識の幅を広げるという点で美術史は本当に良い教材になりうる。

世界一小さな美術館

いつだったかニュースを見た。なんとGMOの熊谷社長が世界一小さな美術館と銘打ってバンクシーの絵を展示するらしい。そんな事が思い出され、

疲れ切ってはいたものの、すぐに引きこもる癖のある自分が今日行かなければ一生行かないだろうという思考のもとに向かった。

東急プラザの中に入り、デジタル忠犬ハチ公が見えた。スタッフの方に試しに聞いてみるとさすがIT企業、完全予約制ですと言われてしまった

その場でネット予約し、入場まで時間を潰した。beamsのインバウンド狙いぽい店があり、それなりに退屈はしなかった。

QRコードをゲートにかざして入場する。

最初に全方位のスクリーンから流れるのはバンクシーの説明。立ち位置によって聞こえる言語が変わるらしい。あいにくその日は機械トラブルでそのシステムは稼働していなかったらしいが。

バンクシーについて説明が終わると、スクリーンが開き、バンクシーのGirl with balloonが現れた。

余談だが、バンクシー作品は天才か反逆者か?展の時に見に行こうかと思ったが、怠惰な生活に邪魔され行けなかったので初めての経験だった。

作品への感想であるが、バンクシーを否定するわけではないが、出オチ感が半端なかった。これに関してはおそらく下調べをしなかった僕が悪い。世界一小さいとは言いながらも数点くらいあるものと勘違いしてしまっていた。

あと、筆致なんかがあるわけでもないし、詳細にみるところといえばバンクシーのサインにハートがついていることとナンバリングくらいだった。

それなのに、密室に5分から10分くらい閉じ込められた。気まずいったらありゃしない。

まあ、高校生だから安いし来場記念シールがもらえたので元は取れた気がするが、あれなら無料展示して前でレモネードでも売ったらどうなんだろう。

バンクシー作品はそのイデオロギーや社会へのメッセージ性を含まない限り、価値があるとは言えないし、その絵が美しいとか上手いとかではないと僕は少なくとも理解しているのだが、絵のバックグラウンドについての解説は薄く、少しがっかりした。

そういった内容の展示を求めて天王洲のバンクシー展に今度行ってみたいと思う。

甘美なるフランス、途中で書くのに飽きてしまったため最後雑ですが申し訳ないです。まあただの日記なんでね。書いたから一応公開しとこみたいな感じなので。どうぞ。











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