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【平成を語る】昭和の日

昭和の日に書くnote

これがほんとの

ショウワノート

はいどうも、昭和生まれです。

といっても、昭和50年代生まれだから、あんまり昭和のことは記憶にない。社会的なイベントは、国鉄民営化とソウルオリンピックぐらいしか覚えていない。

ロサンゼルスオリンピックとか、竹の子族とかは覚えていない。ピンクレディも踊れない。

昭和ひと桁生まれの方と話すと、「その程度かあ」みたいな感じで言われる。モグリの昭和生まれとすら思われていそうである。

私が聞いたことのある、モグリでない昭和生まれの方々の印象的な発言をまとめてみる。

1:「あの子は今どきの子だから」

とある女性(86)が、とあるおじいさん(71)のことと評してそう言った。たしかに、15歳年下であれば「あの子」っていう表現も出てくるわナと思ったけれど。その方にとっては、71歳は「今どき」なんだなあ、としみじみした。「戦争を知らない世代」っていうのもポイントらしい。


2:「誰かにインスピレーションを与えたくてやっている」

とある会合で、毎回面白いアイディアを考えて来る男性(84)の発言。その時の、その方のアイディアは確かに面白かったんだけど、いろいろ濃すぎて逆に採用を見送らせてもらった。そのことを伝えたときに、こう言った。

ボツになっても気を悪くしない、自分のアイディアをもとに何かが変わって、誰かが花を咲かせてくれるならそれもいいんだと。

謙虚なまま老いるっていいな、と思った。というか、器が大きい人は謙虚なんだなあと思った。


3:「63を足すから、ええっと…」

時系列を昭和で把握しており、西暦で言われてもピンとこないという方は多い。和暦ならわかりやすいだろうと、「いま平成31年です」と言っても、63を足して昭和にしないと、今がいつなのか腑に落ちないという方もいる。

ちなみに、「昭和94年」と明記してあるカレンダーもある。

そういう方と今度の改元のことを話すと、「これからは63を足してさらに30を足すわけでしょ、ややこし~(笑)」という感想が返ってくる。

そして、「ま、計算することで認知症予防になってるわけよネ…なーんて、もうとっくにボケてるかもしんないけどサ!」と、その方は笑いながら言った。


4:通称「歩け歩け大会」

ウォーキングの大会は、かなりの高確率で「歩け歩け大会」と呼ばれている。

ウォーキング大会が開催されて、ポスターにもチラシにも「ウォーキング大会」って明記されているのに、参加者が誰一人として「ウォーキング大会」とは発音しない。事務局のスタッフ以外は、みんな「歩け歩け大会」って言ってる。

問題は、事務局のスタッフだけはウォーキング大会って言うということ。

客「歩け歩けって、まだ申し込みできる?」

事務局「ウォーキング大会ですね、できますよ」

なんていう会話が普通にある。なぜかそこで言葉の壁がある。

それで完全に通じるからいいんだけど、こういう場面、AIだったら問い合わせに対応できるのかしらって思う。


ちなみに、「熟年バンド」のことも、みんな「おやじバンド」って言う。

「〇〇さんは、熟年バンドに参加されてましたよね」

「ああ、おやじバンド?やってるね」

っていううっすい言葉の壁。


5:「若くいるためには、恋よね~!」

通りすがりの、80代ぐらいの女性たちの会話より。確かにみなさんキャピキャピしていた。


「高齢者」っていうくくりも雑だよなと最近思う。65歳以上なら、80歳でも100歳でも120歳でも高齢者。当事者からしたら、だいぶへだたりがあることだろう。「後期高齢者」という呼び名も失礼だ。75歳からは全員「後期」っていうけど、そこからがむしろ人生花盛りの人もたくさんいてほしい。他人の人生に線を引くなんて簡単にやっちゃいけない。

たゆみなく流れる時間に、線を引くのが元号だろうか。昭和の記憶を憶えている人がいるかぎり、まだ昭和は終わらない。そんなことを感じる、平成最後の昭和の日だった。

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