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コルクの歴史を紐解く🌈

とても奥が深いお酒の一つ、ワイン。

「ワインは、特別な日に飲むお酒」

これは、ワインが数あるアルコールの中で唯一、コルクで栓が打たれているアルコールだからかもしれません。


コルクの主な産地は、ポルトガル。

全世界の約70%を占めています。

ポルトガルの他に、スペイン・イタリア・モロッコ・中国などでも生産されています。


コルクは、カシの木の一種『コルク樫(コルクガシ)』の木の皮を使って作られる自然素材。

コルク樫は、非常に特殊な環境で育つため、日本にはなく、イベリア半島の沿岸地域(スペイン・ポルトガル・南フランス・北アフリカ)に多く生息しています。

コルク樫の森はこれまで、南欧の砂漠化を防止し、イベリア山猫のような希少種の生態を支えてきました。

コルク樫の実『どんぐり』は、イベリコ豚の飼料にもなっています。


コルク製品は、コルク樫の樹皮を分厚く剥ぎ取ったものをくり抜いて作られます。

コルクマットなど、板状のコルク製品を作る場合は、この樹皮を粉砕して、それを接着剤で固めて成型しています。

今は機械化が進んでいるため、様々な形にくり抜く作業は、それほど大変なものではありませんが、未だに古来の製法は見つけることができていないそうです。


最初にコルクが発見されたのは、約2000~4000年前。

この時すでに、ギリシャでは使われていたのではないかと言われています。

ギリシャの哲学者が、コルク樫の樹皮を剥がしてみたところ、新しい樹皮が早く出来ることを発見。

「コルク樫の樹皮は繰り返し使える」

その時の用途は、ビンや樽のフタでした。

これが、古代ローマの時代になると、コルクに保温性がそれほどないことが分かり、ミツバチの巣箱に使うことが推奨されるようになったそうです。

保温性がそれほどないということは、それだけ、熱がこもらないということ。

同じ頃、コルクは屋根材としても重宝されていました。

今でも、北アフリカで使われている伝統技法です。

漁業関係では、ブイ(浮き)に使われていたこともあったようです。

確かに、軽くて浮きやすそうですね。


イギリスのオックスフォード大学の教授が行った実験によると、

全く同じ赤ワインでも、コルクで打栓された容器とスクリューキャップで打栓された容器では味の印象が異なり、8割の人が、コルクで打栓されたワインの方が「美味しい」と答えたそうです。

コルクを扱う所作は、ソムリエの間で代々受け継がれてきたもの。

つまり、ワインは、口にした時の風味だけでなく、視覚的要素も影響しているということです。


コルクは、昔から、生活用品や船舶漁業用品から居住用品まで、幅広く使われてきた自然素材。

・軽くて弾力性がある。
・断熱・防音性に優れている。
・摩擦係数が高い。
・液体に対して疎水性に優れている。
・質感・感触がよい。
・安全性が高い。
・腐りにくい。

これらの特徴を活かし、コルクは、今でも様々な分野で活用されています😌

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