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夢の神が登場するギリシャ神話の物語🌈

私たちが眠りにつくと見る『夢』。

ギリシャ神話には24の神様が出てきますが、その中に1柱、夢を創り出す神様がいます。

それが、『モルぺウス』という神様。

モルペウスは、ギリシャ語の『morphe(モルフェ)』から来ており、「形づくるもの」という意味を持っている神様です。

あまり注目されることのない夢の神話。

今回は、そんな神話の物語を要約して、皆さんにご紹介します。


モルペウスは、眠りの神『ヒュプノス』と夜の女神『ニュクス』の間に生まれた神様で、兄弟は、2人います(『ポベートール』と『パンタソス』)。

彼は、2人の兄弟とともに、夢の支配者として活動していました。

・モルペウス
⇒ 夢や空想の中に人間のイメージを送る
・ポベートール
⇒ 動物に悪夢を送る
・パンタソス
⇒ 無生物にややこしい非現実的な夢を送る


モルペウスは、ギリシャ神話の『ケユクス王』と彼の妻『アルキュオネー』の話(『夢の神話』)に登場します。


ケユクスは、兄の豹変ぶりとその後続いた異変に対し、不安になり、海に出ます。

その海で、ケユクスは嵐に遭い、死んでしまいます。

その頃、妻のアルキュオネーは毎日、ケユクスの無事を女神『ヘラ』に祈っていました。

その時、ヘラは、ケユクスが死んだことが分かっていたんです。

心を痛めた彼女は、虹の女神『イリス』を呼び出します。

「忠実な私の使者イリスよ。ヒュプノスのところへ行き、夢で、アルキュオネーにケユクスの幻を見させ、事の真相を知らせてほしい」

イリスは、早速、ヒュプノスのもとへ向かいました。

到着すると、ヒュプノスは、黒檀で出来た寝台で寝ていました。

イリスはヒュプノスにヘラの命令を伝えると、眠くなるのを恐れ、すぐにその場を離れ、飛び去っていきました。

ヒュプノスは、3人の兄弟の中からモルペウスを呼び起こしました。

「夢の中で、亡くなったケユクス王になり、妻アルキュオネーに真実を知らせるのです」

モルペウスは、アルキュオネーの寝台のそばまで行くと、ずぶ濡れになったケユクスに成り代わります。

「妻よ、私が誰か分かるか? 私の顔は変わってしまった。君には、夫ではなく、亡霊が見えているだろう。アルキュオネーよ、君の祈りは何の役にも立たなかった。私は嵐に遭って死んだのだ」

「そんな……」

「分かったら、私を待つのはもうやめなさい。さあ、起き上がり、喪服に着替えるのです。嘆かれずに、黄泉の国に行きたくはない」

モルペウスは、こう告げると、その場を立ち去りました。

アルキュオネーはうめき声を上げながら、両腕でケユクスを求めますが、その手はただ空を切るだけでした。


「夢は、決して良い夢ばかりではない」


このような不思議な夢は、目が覚めた後も印象に残り続け、人生を良い方向へ導いてくれます。

ギリシャ神話の夢の話は、今、皆さんが見ている夢に意味を持たすために書かれたものかもしれませんね😌

最後まで読んでいただきありがとうございました🌈
 

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