『ソロモンの偽証: 第I部 下巻 』(著:宮部みゆき)~ダーク思考が加速していく!人間の暗い感情を煮詰めるとここまで残酷になるのかもしれない…~
いや〜、怖い!
鬱積した暗い感情が溜まりにたまって爆発(暴発?)した感じです。
上巻よりも登場人物たちのダーク思考が加速してる。
中学校が主な舞台ですが、ルサンチマンを吐き出すのは中学生だけじゃない。
大人だって吐き出します。
現実世界ではなかなか起こり得ないことだけれど、でもなんだかそれは紙一重なような気もする。
自分が中学生の時代、ここまで鬱屈した感情なんて持ってなかったと思うけど、解像度を上げていくと、ところどころで本書のような暗い感情を持っていたはず。
まぁ、さすがにここまでではなかったけど。
でもそれが煮詰まればひょっとしたら本書の中学生のような感情を持っていたかもしれない。
大人になった今はどうだろう?
残念ながらダークエネルギーは子どもの頃より確実に大きくなってる。
理不尽な上司への対応とか、お客さんへの対応とか、家族に関する悩みとか…
だからこれほどドロドロしたストーリーなのに目が離せないのかも。
もちろん、ダーク思考の描かれ方が、ある意味ではめちゃくちゃリアルっていうのもあります。
最後の最後に少しだけ明るい兆しが見えてきましたが、続く第2部への布石かもしれません。
あと4巻、またぼちぼちと聴き進めていきます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?