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2021年映画ベスト

早くも大晦日になってしまいました。
今年は毎週「note」を書くと誓いながら、10月末までは続けられたことについては
凄いなと思いながらも、2ヶ月空白期間を空けたことについては痛恨の極みです。

コロナが明けてきて忙しかったし、日曜日の夜に書くことがしんどくなってきていて、ついつい疎かになってしまいました。うーん。続けることが僕が苦手だと思わされました。これは今年の反省として、また来年への糧にします。

「note」を始める理由としては、自分が見た映画や本を記録したかっただけなのです。そのおかげもあって、映画だけでも映画館で80本の新作を見ることが出来たので、ある程度価値はありました。初めて1年間、映画館で映画を見るということを完走することが出来ました。今までは、ベスト10なんて語る資格もなかったと思ってたんですけど、今年は出来たので、ある程度真面目に書き残しておきたいなぁと思ったので一年の最後に簡単に記録しておきます。

◎10位 ビーボ

今年もNetflixにお世話になった一年でした。
相変わらず、賛否両論あるんだけれど、リリースされるオリジナル作のクオリティは言わずもがなで素晴らしく、アニメも良い作品がありました。その中で、「ミッチェル家とマシンの反乱」も良かったんですけど、僕は「ビーボ」が大好きです。笑い有り、涙有り、音楽有り。これぞ映画というエンターテイメントがこれでも溢れてくる最高の映画でした。

◎9位 由宇子の天秤

2時間半感情揺さぶられっぱなし。
この映画を見るにはこの言葉が1番似合っていると思います。何が正義で、真実かなんんて分からないんです。この世は混沌としているとはまさにこのこと事と言うべきなのでしょうか。何とも生き辛い現代社会を生き抜く中で、ここまで苦しい思いを抱くことになるなんて。何に変える事も出来ない複雑な感情を抱きながら歩いた帰路を忘れることは出来ません。

◎8位 シャン・チー/テン・リングスの伝説

今年もアメコミ映画は充実してました。
「ブラック・ウィドウ」「エターナルズ」「ヴェノム」「ザ スーサイド・スクワッド」はもちろんのこと、ディズニープラスの配信関連もあって1年間飽きることはありませんでした。なので、アメコミ関連全般的にと言っても良いのですが、個人的に一番好きな作品ということで「シャン・チー/テン・リングスの伝説」を入れさせて頂きます。
カンフー・ドラゴンとカンフーリスペクト全開でありながら、アメコミ映画としても王道映画となっている仕上がり。万人に受ける映画として、完璧な出来だったと思います。来年もアメコミ映画は早速来週のスパイダーマンからスタートして行きます。来年も目を離す事が出来ないほど、目まぐるしく進んでいくと思います。

◎7位 浅草キッド

これもNetflix作品で、話題沸騰中の「浅草キッド」です。単純に素晴らしかった。
最初、見た時には正直あれれと思いましたが、その後思い出せば思い出す程見返してしまう映画となりました。僕にとってはスルメ映画です。
12月はMー1もあり、今年は錦鯉の優勝。これはこれで書き出すと長くなるので、別件としますが、M-1を見た後だと更にこの映画のことが大好きになるはずです。
個人的には、たけしさんと深見さんが「捕鯨船」でその場にいる店員・他の客関係なく全員を笑わせながら飲むシーンと最後のフランス座のシーンは今年ベストシーンだと思っています。あのシーンだけで泣けてきます。
芸人愛に溢れる映画。お笑い芸人ってなんでこんなにかっこいいんでしょうか。

◎6位 フリー・ガイ

ゲーム世界のモブキャラが主人公という本作。
本来は主人公になるはずではない登場人物が世界を救う物語。
自分達も主人公になれるのだと観客に強く訴えてくれる本作は基本的に脇役として生きている人達は勇気をもらうことが出来るはずです。
ゲームの世界という現代らしい斬新な切り口で普遍的な物語を紡いでいく。
簡単そうに見えて、難しいことをあっさりとやり退けてしまっています。
主人公のライアン・レイノルズは本作も最高であり、「レッド・ノーティス」も良かった。一旦、休みに入るとのことですが、次回作以降もとても楽しみな俳優です。

◎5位 猿楽町で会いましょう

今年の上半期、間違いなく話題となった作品は「花束みたいな恋をした」でした。
僕も鑑賞後は結構やられたなーと周りに話していましたが、冷静になってみると絹ちゃんみたいな女性は本当にサブカルにズブズブ浸かっているような男を好きになることはないと思い始めたところからあの物語はファンタジーだと思うと少しずつ冷めていきました。
そんな中、登場したのが「猿楽町で会いましょう」でした。
本作には、僕が女性ってこうだよねって思うところがトラウマ級に詰め込まれていて、「そうなんだよ!そう!」・「だから、無理なんだよ!」って鑑賞中から思わされました。 本作の方が「花束みたいな〜」よりも確実にリアルだと思わされ、ずっとこっちの方が嫌でした。だからこそ、この作品の方を僕は推したいと思います。

◎4位 あのこは貴族

地方から東京へ上京した経験がある人であれば、この映画を好きになる人は多くなるのではないでしょうか。僕も1年3ヶ月という短い間でしたが、東京に住んでいたことがありました。地方から上京した人間の立ち姿・東京で育った人間に感じる圧倒的劣等感・東京から地元へ帰った時の実家・同窓会に出席している同級生の出立ち・その全てがリアルで仕方ありませんでした。地元を離れ、都会で働く僕にはこの映画が鏡のようでした。一方で、東京の名家出身のお嬢様という地方出身者からすれば本来交わるはずの無い立場の人間の決められた道筋からの脱却と成長・旅立ちも丁寧に描かれており、ほんの一瞬交わった互いの糸をきっかけとして成長していく姿・自転車二人乗りは間違いなく2021年の代表的な一本でしょう。

◎3位 ヤクザと家族 The Family

「ヤクザと家族」は鑑賞後、しばらくはこの映画がぶっちぎりトップを走っていました。本作だけでなく、今年は多くのヤクザ映画が公開されました。同時期に公開された「すばらしき世界」・「狐狼の血 LEVEL2」・「無頼」・「JOINT」等。その中では本作がぶっちぎりに大好きです。ヤクザが隆盛を極めた時代から暴排条例により、活動自体が制限され社会的弱者と移り変わる様の描かれ方が素晴らしかったです。襲撃する事しか出来なかったのか。そして、殺されざるを得なかったのか。今でも見返すたびにそんなことをついつい考えてしまいます。残された家族や今は幸せに生活することが出来ているでしょうか。ついつい、想いを馳せてしまう本作は本当に大好きな一作となりました。

◎2位 映画大好きポンポさん

今年、一番の幸せな感情を抱きながら映画館を出たのは「映画大好きポンポさん」でした。作品全体が映画愛に溢れているのはもちろんのこと、映画制作の過酷さも描いており、中でも撮影後の編集にスポットを充てており、コンテンツ制作者のリスペクト満載の作品となっている。そして、何より登場人物一人一人のキャラが立っており、凄く魅力的で大好きになりました。映画以外に取り柄のなかったジーン君が大好きな映画の世界に身を投じて苦悩しながらも夢を追う姿と同級生のアランが仕事に限界を感じるもジーンの頑張る姿に夢を重ねる姿には夢を諦めてしまった僕には愛しく思ってしまい、勇気づけられるものがありました。少々強引な展開もありますが、映画全体は多幸感に包まれており、鑑賞した人全員を幸せにする素晴らしい映画でした。

◎1位 アメリカン・ユートピア

今年の一位は「アメリカン・ユートピア」です。
限られたステージの中での音楽表現や人種・性別を超えたメンバー構成等々練りに練られた内容。全部が絶妙なバランスで作り上げられているステージは最高でした。そして、この作品を映画館の大画面で見ることができた喜びを強く噛み締めながら見ることが出来ました。デイヴィッド・バーンの作家性だけに留まることなく、スパイク・リーらしさも絶妙なタイミングで提示されていました。
すばらしい音楽とステージパフォーマンスを見てきた最後。ライブの観客だけでなく、映画の鑑賞者にも強く「VOTEせよ」と訴えかけてくる。改めて、民主主義の中で生きる我々に最強の革命の手段として投票することを訴える姿勢・メッセージ性に強烈にやられた。そして、観客席を練り歩くアンコールにコロナ以前の世界を思い、この事態からの脱却を願わざるを得ませんでした。文句なしの今年のベスト映画です。

以上、今年のベスト10でした。
それ以外にも入れたい映画はいっぱいありました。
正直、ベスト3は鉄板ですが、それ以降はほとんど順不同という感じでしょうか。
ワーストは「哀愁しんでれら」です。うん。色々と許せませんでした。

今年は大変お世話になりました。
本当にカルチャーに浸りながら生き延びた一年でした。
来年も自分の備忘録として、自分のペースで残し続けていきます。

では、今年の最優秀歌曲賞でお別れです。良いお年をお迎えください。

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