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「テニスの王子様 BEST GAMES!! 手塚vs跡部」観てきました

テニプリ史上もっとも熱い試合だと思います。

近所の劇場で公開されてたので、テニプリ未読の旦那を拉致って観てきました。原作で読んだのははるか昔、試合展開は概ね知っていましたが、さすが熱い試合、やっぱり面白かったです。最後の方は感極まってしまいました。

今のファンならもちろん、過去テニプリファンだった方も、観てほしい

テニプリは最新作こそ追いかけてないですが、中学の頃に途中まで読んでいて、結構ハマっていました。というか、この作品に人生を狂わされました。

コミックスもグッズも買いまくったし、地元ではアニメやってないから、BSで見れると知るまではレンタル開始されるたびにTSUTAYAに通ったりしてました。

たまたま、近所の映画館でポスターを見て再アニメ化を知ったのですが、普段なら「あーテニプリかー。息の長いコンテンツだなー」とスルーしていたところですが、この試合は別。

この手塚vs跡部の試合が本紙で掲載されていた時は本誌をリアルタイムで読んでいて、試合展開の熱さと結果にガチ泣きしたのを今でも覚えています。周りの友達は他校ファンばかりの中、青学びいきだった私は本気で手塚を応援してたんや。

多感な時期に泣くほど感動した試合が再アニメ化するとか、観に行く以外の選択肢が見つからねえ。
おまけに当時テニプリのアニメは、あまり作画やテンポがよくなく、話は面白いのにアニメは少し勿体無い印象を受けていたので、OVAで再編集ならそういう制約もないだろうと。幸いにも近所に観られる映画館があったので、日曜の朝一で劇場行って観てきました。

アニメ自体は、テンポもよくなってたし、テニスの描写も割ときれいで、話に集中できました。あと声優さんの熱演ですね。後半、唐突に挿入歌が入る部分があるんですが、まあそういう作品だと割り切れば気にならない。はず。そして最後には展開の熱さに感極まってしまいました。

ちなみにテニプリ未読で声優さん好きだった旦那も、観終わったあと「面白かった。あと普通にテニスしてた」と言っていました。

奇抜な技はほとんど飛び出さず(奇抜なセリフや奇抜なキャラデザはありますが)、王道的で熱い試合展開、それぞれのキャラの格好良さが引き立っていて、原作をあまり知らなくても楽しめる作りになっていると思いました。

今現在ファンの方はもちろん、当時テニプリファンだった方、お近くで観られる方はぜひ。45分の尺で、1500円で見れるのでスキマ時間にも観れるよ!

本編の感想(ネタバレ全開)

さてここからはネタバレ全開の感想をつらつらと書いていきます。

ちなみに、まともに本編を最後に読んだのは中高生の頃なので、記憶が曖昧です。よって、キャラの心情や立ち位置等は一個人の解釈なので、海のように広い心で捉えてくだされば幸いです。

開幕は名物氷帝コール、跡部コールに始まりますが、試合開始前に高架下での試合からの「青学の柱になれ」のシーンが挟まります。

肘への負担をおしてでも、必殺技を使わなければ負けると思わせるほどのポテンシャルを秘めたリョーマ。手塚自身がかつて飛び抜けた実力で苦労した過去があるからこそ、リョーマに対する思い入れは強いのかなと思います。
リョーマへの期待、手塚の全国への思いの両方の布石である大事なシーンですね。

ちなみにこの辺りでオープニングが挟まるんですが、今回は描かれない学校も出てきました。関東大会以降で戦うメンツだけでなく、都大会で戦った学校も出てきます。個人的に聖ルドルフと山吹が出てきてちょっと嬉しかったです。観月と千石が好きなのでな…。

そして二ヶ月後、時系列は試合に戻ります。
相変わらずコート外からは例のコールが。ちなみにこのコールですが、四方を囲まれた状態で対戦相手の学校から「勝者は跡部!敗者は手塚!」と名指しで言われるとか、かなりのプレッシャーですよね。

それに対して「もういいのか?」と平然とした顔で聞ける手塚のメンタルはやべえなと思いました。今更ですが中学生の冷静さじゃないwまあそこが格好いいんですが。
それに対して「ああ、満足だ」と答える跡部。お互いこの試合を待ち望んでいたのか、強者同士通じるものがあるのか、二人は拳を交わします。

有名な跡部のセリフ「俺様の美技に酔いな」は特にさらっと流れたんですが、ここはわかっていても笑ってしまいましたw
本当こいつ迷言メーカーというか、許斐御大のセンスは飛び抜けてるなと思います。
当時はこのセリフのインパクトは当時本当にすごくて、テニプリ関係の個人サイトが跡部だらけになっていたのを思い出しました。サークル名を「美技」をもじったものに変えてしまう人もいたり。

互いに一歩も譲らない試合展開なのですが、今回は部長同士の闘いとあって、メンバー全員しっかり注目して熱心にコメントしてるのが可愛いですよね(ジローはグースカ寝てましたが)。

あと宍戸は跡部大好きかな?と思ってしまいました。跡部がピンチになるたびに一喜一憂して、コメントくれる健気さ。跡部ファンクラブ会長か何かなのか。副会長は多分忍足。

そういえば、宍戸も当時ダブルスでかなり人気が出たキャラですね。
個人的に宍戸はそこまでツボに来なかったので、一歩引いてみてた節があるんですが、今ならなんとなく人気出るのがわかる気がしました。
挫折してからの復活劇とか、長太郎とのペアとか色々あるんですが、それに加えてこのワンコ感ですよ。あざといか。

それでも私は氷帝では忍足が好きです(どうでもいい)。

あとテニスコートでもスーツを着てスカーフを巻いてる優雅すぎる(榊)太郎が面白すぎて、彼が画面に映るたびにニヤけてしまいました。やたら息の多い小杉さんの芝居もじわじわきてしまうw
…こんなこと言ってますが太郎も好きですよ。

その後、跡部がインサイトで手塚の肘ダメージや肩を見抜く流れで、手塚が怪我を負ったきっかけの過去回想に入ります。

ちなみに2年前の一年生手塚、普通に笑うんですよね。この笑顔を見ると、この2年間に何があったの?と思わずにはいられません(手塚は作中、基本的に笑わない)。
もしくはアレか?大石の前だけで笑うとかですか?夫婦かな????

あと大和部長、やっぱり今見ても、相変わらずの犯罪者臭がやばかった。無精ヒゲで丸グラサンにヘアバンドとか、どういうことなの…。声優さんの芝居も相まって底知れない感じがあるけど、行きすぎてカタギじゃない感すらあるよ。御大は何を思ってこのキャラデザにしたんだ?

まあそんな底知れない謎の先輩、もとい大和部長の想いを引き継いで手塚は肘をかばいながら戦うわけなんですけど、長期戦に挑んだ結果、ついに肩に限界が来てしまいます。

この辺りからアレなツッコミをしてると空気読めって言われそうな感じなので真面目に書きます。

本当もう、相変わらず手塚のメンタルどうなってんの?と思ってしまいました。強すぎるという意味で。
普段ポーカーフェイスな彼が、顔をしかめるほどの激痛で、無茶をすれば選手生命が危ういかもしれない。そんな状況で、実力がほぼ互角な強者との試合。しかし、仮に自分が負けても控えには優秀な後輩がいる。

先を見据えれば、棄権したって、誰も手塚を責めないと思うんです。でも手塚にとってはそんなことは関係なく、部長としてチームのために全力を尽くすことが本懐。自分がここで勝てばチームが次にコマを進められる。だから、ここで引くわけにはいかない。

言うは易しですが、やるは難し。全国にかける想いや執念がやばい。これが決勝戦ならそれもありでしょうが、これまだ一回戦ですからね。手塚…。

基本的に試合は手塚のモノローグはなく、跡部目線で進んでいくので、余計に手塚の全国への想いの計り知れなさが伝わってきました。その上で、蹲った手塚にメンバーが駆け寄ったときの「来るな!!」は胸にくるものがありました。

そして一旦手塚はベンチで。皆が手塚を心配し、棄権を進言します。

ちなみにここで乾が「勝てる確率は極めて低い」って言うんですけど、乾の配慮なのかなと思いました。
これは特に芝居から言外の意味を読み取った訳でなく、完全に私のただの妄想なのですが、乾はデータマンなのでいつも「確率◯%」と明確な数字を出すわけなんですが、その乾が、数字を使わないで濁すんですよね。
冷静な乾のことだから、数値でもわかってるとして、もしそれであえて言わないとしたら…。それは手塚への思いやりか、乾自身が希望を捨てたくないのか、などと飛躍して考えてしまいました。
まあ単に言い方の問題とか、チームのトレーナー的な立ち位置からの発言というだけかもしれませんが。

しかし、こんな時、いの一番に止めそうな大石が、最終的には「行ってこい」と送り出すんですよね。手塚の全国への想いを知っているから、止めたい気持ちを押しとどめて。自分が試合に出られなかった不甲斐なさとか、色々なものを飲み込んで、手塚の背中を押す。大石ほんとおまえ…!!!(語彙力消失)
当時、人気投票は猫に負け、陰が薄いと言われた大石ですが、ほんといいキャラですよ…。(こんなこと言ってますが、私は大石が大好きです)

そして大石が「行ってこい」と言ったなら誰も止めることはしない。青学はほんと、良くまとまったチームだなあ…。

そして手塚の勝利を信じてない訳ではないが、それでも万が一に備えてアップしに行くリョーマ、それを察して付き合う桃。熱いです。個人の勝利ではなくチームの勝利が目的の団体戦ならでは。全員が青学の勝利を見据えている感じでちょっとうるっときた。あとタカさん…腕痛いだろうに。アレ重いんだろうな…あーもう。ほんと好き。

両者一歩も譲らず、1ゲームずつ互いに点を取り合っているので、ついに6-6になってしまいます。私の訓練が足りなかったようで、この辺りで唐突に挟まれる挿入歌(跡部と手塚のデュエット)に集中力を乱されました。なんだこの艶ボイスの中学生共は!!
まあテニプリってキャラソンめっちゃでてるし、こういう文脈の作品だよなとおおらかな気持ちで構え直して、なんとか試合展開に集中し直すことができましたが…。

そして手塚だけでなく跡部の方も、なかなかに熱い。
跡部は、この試合で描写されるまで、氷帝の部長で、天才的な実力があるらしいということ、金持ちのボンボンで迷言メーカー(CV.諏訪部)って感じでしたが、この試合で、その実力は本物だということに加え、内に秘めたものは手塚に負けず劣らず熱いということがわかります。

跡部は、手塚が肩を痛めてベンチに戻った時に、なんとも言えない表情をしていたような気がするんですが、その胸中は複雑だったろうなと思います。もしくは十中八九、棄権すると踏んでたかもしれません。

インサイトで相手の弱点を見抜いてそこを攻めるというのは、言うなれば相手の弱みを突く、いやらしい戦法なわけで、一見するとひどいやつに見えますが、ただ彼は勝つために手段を選ばないだけ。
強者が勝つのは当たり前で、それに対する良心の呵責もない。また、自身が強者であるが故に、強者に対する敬意も持てる。テニスに臨む姿勢には嫌味がなく、ものすごく潔いキャラだと思います。

ただ今回は、いつも通り相手を潰そうと自分が仕掛けた持久戦に、ハンデのある状態にもかかわらず、相手が真正面から挑んでくる。

これはあくまで想像ですが、跡部自身はその実力ゆえに自分と対等に渡り合える相手が少なく、少なくともこれまでは、手塚のようなプレイヤーが跡部の前に現れたことはなかったんじゃないでしょうか。
この試合における手塚の姿は、跡部のテニス人生において、大きな衝撃だったんだろうなと。

「この試合は間違いなく、俺にとって、無二の試合となる」とも言ってますしね。「それだけのポテンシャルを持った選手が、どれだけいるだろうか」という跡部の独白からも、手塚に対して敬意を持っているのがわかります。

そして、手塚の肩は限界を超えているはずなのに、まだ試合は終わりません。リョーマたちがコートに戻った時にはタイブレークのポイントは30点を超えています。

もはやこの時、誰もがどちらが勝つか予想できなかったんじゃないかと。当時は実際、読みながらそう思ってました。「どっちが勝ってもおかしくない。でもできれば手塚に勝ってほしい。」と期待しながら。
(まあメタいことを言えば、このあとにリョーマが控えてると思えば手塚の勝敗は予測できたんでしょうが、当時はピュアだったんですよホント。無粋なことは言いっこなしデス)

それでもじわじわと、限界が近付いてきます。手塚のドロップショットがネット側に戻らずバウンドしてしまう。この時の絶望感は半端なかった。そして、それは跡部に返されます。このときなりふり構わず、腹ばいになってまで拾いに行く跡部も格好いい。

そして本当にラスト、肩が上がらずコードボールになってしまいます。とうとう限界が来てしまった。それまで作中無敗だった手塚が負けた瞬間でした。

実力は伯仲していて、本当にどちらが勝つかわからない試合でしたし、どちらが勝ってもいいと思える試合でした。

跡部は心の中で、手塚を潰すのは惜しいとも思っていたんじゃないかと思います。それでもチームの勝利のために、執念と情熱でハンデをカバーして立ち向かってくる手塚に対して、半端な試合をするなんてこと、跡部は出来るわけがない。むしろ、自分が負ければチームの負けが決まる訳ですから、跡部としては絶対に勝たなければいけない。

試合終了時の握手の際、選手生命よりチームの勝利を取って必死に戦った手塚を称えて拳を突き上げる跡部。このシーンは、本当に名シーンです。ちょっとわざとらしいくらい雰囲気のある仕上げになってましたけど、両者の胸中を思うと、そんなことどうでもよくなるくらい、感極まってしまいました。

拳を持ち上げられて、少し驚いたように目を見開く手塚と、表情が見えない跡部が印象的でした。

試合が終わり、跡部にタオルを渡す樺地。そういえば樺地もタカさんとの試合で腕痛めてたよね…?それなのにタオル渡す樺地まじ健気…!(顔を覆う)なんなの?妖精か何かなの?

ちなみに「ウス」の一言だけの樺地。中の人ネタでアレなんですが、樺地の声優、鶴岡さんの名前を知ったのはこのアニメが最初でした。まさか今となっては某スマホゲーで毎日声を聞くことになるなんて思わなかったよ。そういう意味では長太郎もか。

そして、二人は下がり、補欠同士の試合になるところでエンドロールへ。

今回描かれるのはこの試合だけですし、この先の展開を知っているので私はなんとも思いませんでしたが、旦那は手塚が負けて終わったのですっきりしなかったみたいですw
続きが気になるなら本編を読みたまえよ。沼はいつでも口を開けて君を待っているぞ。

まとめ

それにしても、今更ですが跡部ほんと格好いいなと思いました。
いや、手塚もすごいかっこいいんですけど。どっちも格好いい。
ただ、もともと好きだった手塚に対して、あまり興味のなかった跡部が今見るとめちゃくちゃ格好よく見えてしまって困ってます。

テニプリを読んでいたときも、離れてしまってからも、祭り上げられて度々ネタになる跡部様を遠巻きから眺めていた自分ですが、改めて真面目な跡部を見て、あー格好いいな、人気出るなこれはと納得してしまいした。

当時私は自分の感想を言語化できるほどの読解力を持ち合わせていなかったのですが、もし今私がどっぷりテニプリにハマったら、おそらく軽率に跡部王国に納税し出すと思います。

昔感動したところはそのままに、違う見方もできて楽しかった。本当にこういうの有り難いし、こういうことされるとカンタンにお金落としちゃうんだからな!(チョロいオタク)

ちなみに入場特典は旦那と二人で行ったので2枚もらえました。欲しいなと思っていた2枚が出たので思わず座席で「神かよ…」と天を仰いでしまいました。ところで、このタカさんかっこよすぎない…?(タカさん好きです)

ちなみにこれ、ラインナップ見ると、氷帝戦のシングルスのメンバーなんですよね。ジローはいるのに不二はいない。彼は赤也との試合がアニメ化されるんで今回は保留な感じなんでしょうね。

あー。コミックス全部売り払ってしまったんですけど、時間あったらテニプリ読み返そうかな…。

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