大事に思う人だけ大事にするようにしたら心が楽になった

私は、自分の大事な人ほどないがしろにするという悪癖があった。自分の大事な人の中には、もちろん自分も含まれている。

世間体を気にしていた家族の影響もあるのかもしれない。自分の旦那には適当なのに、よその人にばかりいい顔する所があった。

心のどこかにどうしようもなく埋められない孤独感や空虚さがあって、それを埋めるために、新しい刺激を求めていたように思う。仲良しの輪に入れない自分にどこか引け目を感じていて、そういう自分を恥じてもいた。

今思えば、私の根っこにある気持ちは「置き去りにされること」や「見捨てられること」への恐怖と不安だった。しかしそれを埋めようと近寄った相手とは、最終的にろくなことにならないことが多く、空虚さを埋めようと他人に求めて失敗して、逆に孤独感を味わって余計に辛くなるというループに陥っていた。

どこか対人関係に完璧さを求めていたのかもしれない。自分のことを本当にわかってくれる相手がどこかにいる、なんて幻想を抱いていた。だから、少しでも分かり合えないと感じたら、心のシャッターを勝手に降ろしてしまっていた。

しかし、ここ数ヶ月の間に大きな失敗をしでかして、このままではダメなんだと思った。失敗をする時は大体「自分の器を大きく見積もりすぎている時」なんだけど、何度も同じような失敗を繰り返す中で、自分の器の大きさとは、身の丈に合ったものとはなんだろう、と突き詰めて考えるようになった。

そしてある時、急に視界が開けて、なんというか、外に求めていることがばかばかしくなってしまった。

私がきちんと見ようとしていなかっただけで、少なくとも今の自分を尊重してくれたり、完璧でなくとも、分かり合える部分が多い人には、ちゃんと出会えていた。私は全然孤独じゃなかった。そう気付くことができたのだ。

そして目が覚めたように、本当に自然に「少なくてもいい、この人たちを大切にしよう」と思えた。

そう思って実際に行動するようになってから、自分の中にも少しずついい変化が訪れた。まず、これまでも少しずつ降り積もっていた基本的信頼感の量が、今回ぐぐっと上がった気がする。生きていることへの負い目がとても軽くなった。

自分の意志で大切にしたい人たちなので、優しくして喜んでもらえればそれだけで嬉しいし、不安がなくなったぶん、自分のペースを考えつつ向き合う心の余裕もできた。

あと、特に一番ありがたいなあと思った変化は、一人反省会をしなくなったこと。以前はよく人と話した後にはいつも「あれ、言いすぎたかな」「不快じゃなかったかな」「もっとああ言えばよかった」と後悔に頭を占拠されていたのだけど、いつの間にかそれが減っていた。完全になくなった訳ではないけど、9割くらいは減った。

嫌われることへの恐怖が和らいだのだと思う。もちろん、その「大事な人」枠の人たちに嫌われてしまったら、それはきっと悲しい。けれどそれは、きちんと向き合った結果そうなったのなら、それはもうそういう縁だったのだと思える。

一応、「気になる人」段階の人には未だに「嫌われてしまったらどうしよう？」という不安は感じることもある。けれど、それは健全な不安だとも思う。ただもしかしたら、それももう過去の傷の名残みたいなもので、これから少しずつ癒やされていくのかもしれない。

実は、この気持ちの変化のおかげで、これからもっと人間関係が好転していくのではないか、という予感がある。

人間関係、本当に苦手だった。人との交流は好きなのに、うまく行かないことの方が多くて、すっかり萎縮してしまっていた。人の輪に馴染めず、理解されないことのほうが多かったし、昨日まで仲良かった子が突然私を無視してきて、わけがわからないうちに関係が終わったこともあった。傷つけ、傷つけられるだけの関係や、私が好きな人には嫌われ、逆に嫌いな人には好かれ……というままならない関係もすごく多かった。

そんな経験を積み重ね、すっかり人が怖くなった。私は薄情で、人の気持がわからない……と、そう自分を責めてもいた。けれど、最近になって、全然真逆のことを言ってくれる人もいた。優しくて、人の気持がわかる人、と。

ここ数ヶ月、ずっとダメだと思っていた自分に対して肯定的な意見をくれる人に出会えている。

人は自分が表に出す殻に応じて、付き合う人が変わるという。今、その殻を変えている最中なんだと思う。実際に、付き合う人が変わってきている。それは今年の後半からさらに加速している。

これまでたくさん失敗もしたけれど、その分学んだから、大事にしようと思った時に大事にできるだけの共感力や観察眼が身についたのだと思う。傷付いたぶん、大事と思える人に出会えたことがありがたく、身にしみる。正直今、とても嬉しい。生きていてよかったとも思える。まだ不安なこともたくさんあるけれど、大切な人に向き合うと、心が癒やされる。

そして今度は、外に求めないと決めたのに、不思議なことにまた新しい縁が繋がりそうなのだ。あんなに怖かった人間関係が、これから変わっていくのが楽しみになっていることに、自分でも驚いている。

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実は最近あまり長文を書けていないのは、めまぐるしい変化の時期にあるからです。なんというか本当に、変化の早さと細かさが、いちいち記事にまとめていては追いつかないくらい。でも、とてもいい感じです。

いつも読んでくれている方々も、本当にありがとう。これからも読める範囲で引き続きお付き合いくださると嬉しいです。