立ち止まり ふりかえり うずくまり また前を向く

私のやってきたことは
妄想の世界から
現実の世界に
自分を引き戻す作業

家族の誰も
私の苦しみを解さない
そんな残酷な現実を
この身に刻むための作業だった

温かな夢も
優しい闇も
苦しい夜も
本当はなくて
私にあるのは
ただ歯車が噛み合わなかっただけという
空虚な事実だけ

それに気付いてしまった時
私は叫びを上げた

私の心はどこへ置けばいいんだろう
私の怒りはどこへ向ければいいんだろう

目が曇ってちゃんと現実が見えなくなると
すきがきらいに反転する
全部全部、大嫌い

知識に意味があるの
言葉に意味があるの
信じたものが
信じたそばから崩れていく

スクラップアンドビルドの毎日

何が正しいのかわからない
誰も信じられない
誰も私を解さない

どうせ救えない世界なら
もう世界全部壊れて
人類なんて滅べばいいと思うこともある

でも

それでも信じているものがある

崩れても大丈夫
苦しいときは苦しいと
叫ぶことができたなら
またきっと立ち上がれる事

だから私は
どんなに膝が折れようと
また立ち上がる

最後に描けるものが
希望であり
幸せだと信じて

そう願うことすら覆されたとしても
見据える先は揺らがない
諦めることはしたくない

この人生がいつ終わるかなんて
生きているうちは絶対にわからない

死の恐怖にとらわれているわけでもない

私に恐怖があるとすれば
何も残せないまま終わること

もし死が終わりだというなら
せめてこの人生でよかったと言えるように

もし輪廻転生があるなら
次の生に悔恨を残さぬように

だから私はまだ死ねない

たとえ呪われていたとしても
その呪いを浄める手立てを
その呪いを跳ね除ける強さを
求めることをやめるつもりはない

誰かが私の生き様を見て救われたと
ひと時でも思ってもらえるなら
願ってもない
それが私に届かなくても
信じたことをやり続ける

誰かが私の祈りに気付かなくとも
想いを届けてもらえると信じて
私は私の道を地に足つけて

空虚な現実も
苦しい夜も
優しい闇も
温かな夢も

そんな日々と
怯えるだけだった小さな自分も
全部抱きしめて生きていく