2024年5月11日に北日本各地で撮影されたオーロラ写真
太陽活動が活発化している知らせが広く行き渡った11日、雲なくよく晴れた北日本各地から多数のオーロラ写真がツイッターに報告された。前夜、ヨーロッパと北アメリカで、ふだんオーロラを見ることがない低緯度までよく見えた知らせが届いたことが観察機運を高めた。土曜日だったことも幸いした。
日本では、北海道から京都府、兵庫県、そして(おそらく)神奈川県までオーロラが撮影された。下の地図の風船をクリックすると写真が出る。紫風船がオーロラ。青風船は検討するも不採択。
肉眼では見えないオーロラがカメラで撮るときれいに写るのは、火山の火映と同じだ。いまのカメラの性能はすごい。スマホ搭載のカメラだって十分にすごい。だから昔の記録と単純な比較はできない。カメラがなかった昔に史料に書かれた赤気はもちろん肉眼で見えたことを意味する。今回オーロラが肉眼で見えたのは北海道だけだったことに注意する必要がある。雄武町では「ぼやっとした赤い光と黄道光のような縦方向に伸びた光を確認することができ」た。小樽市では「目が慣れたらかすかに見える程度」だった。
明和七年七月二十八日(1770年9月17日)に本州各地で見えた赤気は今回よりずっと強かった。絵も複数残っている(扉写真は『星解』松坂市郷土資料室所蔵)。
それでは、2024年5月11日に日本各地で撮影されたオーロラ写真を北海道から順に見ていこう。名寄市では、オーロラに特徴的な縦縞がはっきり写った。『星解』に描かれた雉の尾とよく似ている。
近くの雄武町では、肉眼で縦縞が見えたという。
上川町で撮影されたこれは、今回もっとも芸術的で美しい写真のひとつだ。
岩手県洋野町でも縦縞が写った。20時30分ころが最も盛んだったようだ。
能登半島珠洲市で撮影されたタイムラプス動画。これは肉眼で見えたのではなかろうか。
関東地方では、日光戦場ヶ原で複数のカメラマンによって撮影された。
京都府京丹後市の空はこのように赤く染まった。
神奈川県秦野市でも、ほんのり赤が撮影された。
愛知県東栄町のこれは、手前の低い雲が赤くなっている。だからオーロラではない。上に掲げたオーロラ写真はどれも、遠くの高い空が赤くて手前に低い雲があるとそれを隠している。
そのとき、東京の北の空はこうだった。明るいところが複数あるが、遠くの都市の灯りだろう。
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