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噴火の観察

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火山の噴火は予知できませんが、始まった噴火を観察して、その解釈をすみやかに情報共有することはできます。
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2020年2月の記事一覧

積灰量から噴出量を見積もる早見表

積灰量m(g/m2)が囲む面積をA(km2)とすると、噴出量M(トン)は、 M = 12mA                    (1) で得られる。 火山灰は上空の風に流されて等値線は楕円に似たかたちになる。風が強ければ細く伸び、風が弱ければ風上側にも広がって円に近づく。平均的には、短軸の長さは長軸(分布軸)の1/3になるから、火山からの距離をd(km)とすると、 A = πdd/12                    (2) になる。(2)を(1)に代入す

積灰量を見積もるための基準写真

噴火によって火山灰が降ったら、単位面積あたりの積灰重量を、できるだけ広い範囲の多数地点で測定することが大事です。噴出量を計算するための基礎データになります。火山学の前進だけでなく、防災にも有益ですし、学校で行えば理科教育のよい題材になります。単位面積あたりの重量を測定した積灰写真を下に示します。 400 g/m2、桜島、@tigers_1964、2017年9月19日 86 g/m2、桜島愛宕山、@tigers_1964、2017年9月1日 50 g/m2、桜島、@tig