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ユーザー目線を失っちゃいけないよ

日銀の支店が小樽にあった頃の日本。
人々の暮らしの中での金融機関の位置づけってどんな存在だったんでしょうね。古き良き時代の建物を見ると、そんな事を考えずにはいられません。


セキュリティ確保のためにユーザビリティを失った仕組み

コロナ禍の時に、持っている金融機関の口座すべてでオンラインバンキングで使えるように手続きしておいた。

久しぶりに、〇〇銀行の口座残高を見てみようと、パソコンからログイン画面に進み、パスワードを入れるといきなりこの画面。

新しいパスワードを決めろ。さもなければ使わせないという強い姿勢(泣)。

すみません、これ、誰得なの??って思わず目が点。。。。(・・;)
もう、アホらしくなったのでこの先に進む気が無くなりました。
そろそろ変更した方がいいですよ〜っていうアラートを出してくれる所は多いけど、変更しなければ先に進めない、というのはここだけ。

なんで、あなたの取り決めに従ってパスワードを変更せねばならないのか・・。

だったら、スマホのアプリと連携するとか二段階認証をかませるとか、ユーザー目線でできることは他にもあるのに、パスワードの定期的変更=セキュリティ向上 という理屈を優先にしているこの仕組み。

こういう仕組みになる理屈はわかる。

  • 金融機関はセキュリティ3原則(機密性、完全性、可用性)を高いレベルでまもるべき(と、考えている)

  • 機密性と完全性を守ることが何よりも優先される(と、考えている)

  • (結果的にユーザーに提供する)可用性は二の次。

多くの金融機関の仕組みが使い勝手悪いのは、可用性を全くと言っていいほど考慮できていない事が原因。

こうした仕組みを見ると、システムを運用している組織の硬直性・ユーザー視点の欠如がはっきりと感じ取ることができます。

コンピュータシステムに組織感は如実に出る

コンピュータシステムを構築する時に、その会社や団体の持つ組織感みたいなものは如実に反映されます。

今年、エスコンフィールドでの応援の流れで口座を作ったファイターズ銀行

まあ、実体は住信SBIネット銀行のOEM提供みたいなものなんですが、アプリで全ての手続きが簡単にできるし、スマホのwallet登録もできるので、デビッドカード決済も容易。本人認証の仕組みももちろんきちんと整えている。こういう仕組みを見ると、”ユーザーの使い勝手”と情報セキュリティを高いレベルで実現しようと色々考え抜かれているなあと思います。

ITシステムの構築も原点回帰は必要

ウェブサイトを構築する時って、必ずと言っていいほど、企業なり組織なりの原点に立ち返って、存在意義を見直すことが多い。
そうして浮かび上がった企業経営の原点をウェブサイトという道具を使って多くの方々に伝えていきます。あと、機能的なウェブサイトは別の立ち上げ方ですが、それはそれでまた別の機会に。

ユーザーに提供するITシステムの構築・運用も”組織が提供すべき価値”を突き詰めて考える必要があります。
ここで、組織の論理を優先したり、ベンダーの言いなりになったりするとユーザーがどこかに置いていかれたITシステムができあがってきます。

今回、紹介した、ユーザーにサービスを提供するつもりが結果的にはユーザーの仕事を増やしているだけのシステムができあがったりします。

ユーザビリティの高い仕組みに皆、慣れている

使い勝手の悪いウェブ系の仕組みを見ると、”普段、ウェブ使ってますか?”と聞きたくなることが少なくありません。普段使っていたら、何が便利で何が不便かは肌感覚で分かるはずなのに、それが分かってない。

昔と違って今の人達はこうした使い勝手の良い仕組みを沢山知っているので、”使えないシステム”はよほどの理由がない限り使おうとは思いません。
みんな、スマホアプリを中心としたユーザービリティの高い仕組みに慣れているという今の時代を理解すべき。

どんなときもユーザー目線を忘れちゃいけないよ

様々な要素を組み合わせる必要もあるし、ここ最近はセキュリティ確保のためにやるべきことも沢山ある。だからこそ、どんなときも、ITシステムを作るときにはユーザー目線を忘れちゃいけないよ。

そんな事を思い出させてくれた今日のオンラインバンキングのログイン画面。ログインIDも第一とか第二まであったけど、面倒くさくてこの銀行は使わないかなー^^;。

あ、そうそう。どんなときも、といえばこの曲。関係ないけど。ないか?

ほんと、昔からの金融機関のオンラインバンキングはどこも似たようなものだから、何とかして欲しい。
セキュリティ確保だけじゃなくユーザーの時間も大切にしてください^^;。

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