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人は人で磨かれる。IT活用時も忘れずに

セルフレジとタブレットは一体誰の為にある?

久しぶりに行った道の駅での出来事。
とても人気のある場所。大好きな蒸しパンを発見! 
買って帰ろうと思って以前のレジカウンターを見たらレジがない。

ん?? と思って周囲を見渡すとセルフレジが2台並んでる。 パンと土産物全部ひっくるめて精算可能になってる。

店員はまごつく僕を見て、「こちらで精算をお願いします」とおっしゃる。

なんで、旅先でまで僕はこのセルフレジで精算してるの? って疑問が湧いたけど黙って精算。件の店員は役割として手出しできない。


続けて、ランチを食べにレストランへ。

 狭いレストランにお客さんは他にもう一組だけ。フロア担当は1人。

渡されたのはメニューとともに注文用のタブレット。

「こちらで注文をお願いいたします。」

注文を入れたら、「ピンポーン。」っと店中に鳴り渡る受注プリンター。

厨房に注文が入ったことがこちらの席からも分かります(泣)。

フロアの方はずっと手持ち無沙汰のまま。

あの配膳用の猫型ロボットと同じように、暇なスタッフを生み出してしまってる。


いろいろとこの仕組みを見ながら考えさせられたのだけど、機器提供しているベンダーだったら、こう言うのだろうか。

「人手不足のこれからの時代を見据えて、セルフレジとオーダー用のタブレットを導入しましょう。 レジの要員とフロアスタッフの人件費を削減できますよ。」

でも、結果的にはお客さん自身にあれこれやらせてスタッフは何もできずに立っているだけ。これじゃあ、スタッフはスキルアップできないし、ノウハウも磨かれない。きっと、楽しく働きたいと思っているんじゃないだろうか。

大切なことは誰を向いた商売なのか

この道の駅にやってくる人達は地元民だけじゃなく、他の地域、国からも人達が訪れる場所。 

そこでの買い物も”ハレの経験”として記憶を持ち帰ってもらうべき。 そうした発想は出てこなかったんだろうか?と悲しくなってしまった。 



僕がいつもスゴイなあって尊敬している道の駅が隣町にある。

ここのスタッフ募集要項がとても素敵。
https://pia21shihoro.jp/wp-content/uploads/2023/10/recruit231020.pdf


スタッフの目線がきちんと描かれていて、目指す方向性も明確になっている。
道の駅もいろいろ見ていると楽しい。スタッフも商品説明してくれる時もあるし、カフェもフレンドリー。

”体験”としてきちんと描かれています。

ITを活かすのは何の為?

AIやら何やら、ITツールが世の中に沢山ありますが、結局何のためにあるのか? ツールを活かして何をしたいのか? 商売って結局はお客さんによろこんでもらう為にあるのではないだろうか? 予算があるからってスタッフとお客さんの関係性を壊してしまうようなIT活用をしてしまってないか?

これからの時代は違うって言われたらそれまでかも知れないけど、僕はアナログな感覚を持ち続けられるIT活用のやり方がきっとあると思っているので、根っこで持つべき哲学は”お客さんとスタッフ双方の喜びの総量を増やす”ことだと思う、

そのためには”人気(ひとけ)”は減らしちゃいけない。

そんな事をさっき買った蒸しパンを食べながら考えさせられました。


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