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【感想】NHK大河ドラマ『光る君へ』第24回「忘れえぬ人」

2024年6月16日(日)20時『光る君へ』第24回「忘れえぬ人」を視聴しました。

<NHKのあらすじ>
宣孝(佐々木蔵之介)から求婚され、さらには、周明(松下洸平)からも一緒に宋へ行こうと誘われるまひろ(吉高由里子)。
しかし、心の内には道長(柄本佑)が…。
一方内裏では、一条天皇(塩野瑛久)が定子(高畑充希)と生まれた姫皇子に会いたい気持ちを募らせていた。
詮子(吉田羊)は一条の願いをどうにかかなえてあげてほしいと道長に懇願する。
行成(渡辺大知)の案で、内裏の外で会えることとなったのだが…


■プロローグ

■長徳3年(997年)
前回の回想から
「わしの妻になれ、忘れ得ぬ人がいても良い」まひろを京で待つといい戻って行った宣孝です。

---音楽---
冬野ユミ

---テーマピアノ演奏---
反田恭平

■恋心

「自分が思う自分だけが自分ではない」と独り言を言っていると、周明がまひろの下へやって来ました。
宋人でもなく日本人でもない、宋人は他国のものを信用しない、わかってくれるのはまひろだけと言います。
まひろに宋の国を見たいか尋ね、一緒に宋へ誘う周明、まひろの気持ちを読んでいます。

●詮子
詮子が病で寝込んでいます。
伊周が恐ろしい形相で睨んでいたとうわ言を言います。
道長は、邪気払いをするように命じました。

●安倍晴明
安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)が詮子の邪気払いをしています。

■内裏

一条天皇が詮子の病気回復のため、大赦の勅を出します。
また、伊周、隆家を都に召喚すべきか意見を聞きたいとも。
陣定が開かれ、伊周の罪を許すべきか意見がかわされました。
そして、伊周、隆家を都に戻すとの結論に達しました。
呪詛は噂に過ぎず、矢も車にあたっただけだと聞いた一条天皇は道長に詰問しました。
ここで、上を目指したい斉信にやられたと道長は気が付きました。

●明子
斉信が上手であったと道長は膝枕で明子に話しています。
明子(瀧内公美)は上に立つものの周りは敵だと述べます。


(感想)
斉信が策略家として描かれていますね。
実際、道隆から道長に変更するなど、変わり身の早さの記録が残っているようです。
まあ、当時は戦争もなく、貴族社会ではそういった人が出世するのでしょう。

●伊周と隆家
藤原顕光(宮川一朗太)によると、隆家が出雲から二十日はかかるところをもう戻ってきたとのことです。
「不可解なり」(実資)
道長は隆家(竜星涼)に伊周も太宰府を立ったのか尋ねるものの、知らないと答えました。
矢を御車に放ったのは自分、兄はびくびくしていた。

■周明の想い

周明から中国語を習うまひろ。
まひろを包容する周明、左大臣に手紙を書いてくれと依頼します。
自分を利用するためだと見抜くまひろ。
周明は、突然ツボを割り、破片で脅しながら左大臣に文を書くよう脅迫します。
書かないとつっぱねるまひろ、母が目の前で斬られたことを話すと、気安く死ぬなと語るまひろです。
お前が夢に描いている国ではない、日本を見下している、つまらぬ夢など持つなと言いました。
中国語の勉強で書いた文を焼き捨てようとし、何か思いついたようです。
乙丸(矢部太郎)がまひろの様子を心配になってやって来ました。
「なぜ妻を持たないの?」(まひろ)
北の方が斬られた時、何もできなかったので、姫様だけはお守りしようとしてきたと乙丸は打ち明けました。

■詮子を見舞う帝

一条天皇が詮子の見舞いにやってきました。
生まれた姫を内親王とすると宣言すると、詮子は自分が帝を追い詰めていたことを詫びます。
しかし、中宮を内裏に呼び戻したいと言い出す一条天皇です。
ここで手を差し伸べないと、最初で最後のわがままだとも述べます。
詮子は叶えて差し上げてと道長に命じました。
行成(渡辺大知)は、実資が厳しいことを言いそうだと感じています。
道長は出家したものを内裏にいれるのは難しいと思っています。
行成は、職御曹司へ入れるのはどうだと提案します。
道長は行成に帝への説得を一任しました。

■職御曹司

●ナレーション 伊東敏恵(NHKアナウンサー)
「その日のうちに、定子は職御曹司に入った」
「職御曹司は内裏の東に隣接していた。わずかな距離ではあったが、天皇が職御曹司に行くにはいちいち輿に乗らなければならなかった」

職御曹司へ移る定子です。
ようやくの定子と一条天皇の再会です。
娘の脩子を抱く一条天皇、清少納言(ファーストサマーウイカ)へも感謝の言葉をかけました。

(ナレ)
「この日から一条天皇は、政務もなおざりで連日定子の下へ通い続けた」

「どの面下げて戻ってきたの、図々しい」と噂が立ちます。
「前代未聞、空前絶後」(実資)


(感想)
さすが藤原の子、剃髪せず出家したのですか。
あの出家事件はなんだったのかと思えてきます。

■越前

為時が戻ってきました。
取り計らいを頼んだ大野国勝(徳井優)は、気比宮の宮司は官位が欲しくて媚びを売っていただけだと打ち明けます。
まひろ宛に届いた文を読みます。
そこには、さわが亡くなったと記されていました。
「ゆきめぐり あふを松浦の鏡には 誰をかけつつ 祈るとかしる」


(引用)
筑紫にある肥前という所から、友が手紙を送ってきたのを、私は大そう遠い越前の国で見たことだった。その返事にあなたに逢いたいと思っている、この私の心情こそは、御地の松浦の鏡明神も、きっと大空から照覧していらっしゃることでしょうよ。(紫式部から友へ)
◇友からの返しは次の通りでした。それは翌年に使いの者が持ってきました。
行きめぐり、またあなたに逢える日を待っている私が、あなたの御歌に詠まれている、“待つ”の御名を待たれる松浦の鏡明神に対して、誰を終始心にかけて祈っていると思われますか。もちろん、あなた以外の誰でもありませんわよ。(友から紫式部へ)
(笠間書院「紫式部集全評釈」から)

美術展ナビ
https://artexhibition.jp/topics/news/20240614-AEJ2117278/


(感想)
さわさん、声だけの出番で終了です。
九州に居るので仕方ないですかね。

●宣孝の妻に
宣孝の妻になろうかと打ち明けるまひろです。
為時(岸谷五朗)がびっくりして腰を痛めました。
宣孝が何を企んでいるのか為時は疑っています。
「ありのままのおまえを引き受けることができるのは私だけ」と言われたことが胸にしみたとのことです。

●周明の師
朱(浩歌)が周明の先生を連れてきました。
周明は生まれ故郷を見たいと出ていったそうです。
交易が認められないなら帰らない、帰らなければ博多の港に船はつかないと脅し文句を言います。
なぜ船は来ない?
「日本との交易が望み、交易できないなら、宋の品が入ってこない」(朱)
実は周明はまだ越前にいるのでした。
女の心に入り込めなかったという周明、心のなかから消え去るといいなと朱は答えました。

■朝廷では

太宰府では藤原が交易を独占している、越前を朝廷の商いの場にすればいいと一条天皇は言い放ちます。
越前と都は近い、宋の軍勢が攻め上ればひとたまりもない、属国として扱うだろう、断じて許してはならないと道長は強く突っぱねました。
宋とのことは、左大臣に一任されました。
為時には、このまま様子を見て時を稼げとの左大臣の回答でした。
宣孝からの文を読んで微笑んでいます。

----終わり----

次回は 第25回「決意」6月23日放送です。

■感想

当時の越前は古来より先進地域だったそうです。
古くは、継体天皇。
越前の王で、血統が途絶えそうになったところを越より呼ばれ、天皇として即位しています。
それだけ繁栄していたのでしょう。
都と交流したい外国にとって越前は最良の地だったようです。
ただし、貴族にとっては恐ろしい蛮人が襲ってくると警戒しました。
愛発関が有ったくらいです。
愛発関は、北陸道の越前にあったとされる関所です。
東海道の鈴鹿関と美濃国の不破関とともに古代三関(さんげん)の1つでした。
何か事件が発生すると三関が閉じられ、防衛したと言います。
そして、有名な武将も領地としました。
柴田勝家、明智光秀、新田義貞など。
その後は、鯖街道でしょうか。
現代では太平洋側に繁栄を持っていかれましたが、元は北陸地方のほうが繁栄していました。


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