見出し画像

【感想】NHK大河ドラマ『光る君へ』第34回「目覚め」

2024年9月8日(日)20時『光る君へ』第34回「目覚め」を視聴しました。

<NHKのあらすじ>
興福寺の僧らが都に押し寄せ、朝廷に要求を突きつける非常事態。
道長(柄本佑)は事の収拾に奔走する。
一方、まひろ(吉高由里子)は物語を書き進め、宮中の話題を集めるが、狙いである一条天皇(塩野瑛久)と中宮・彰子(見上愛)の関係は深まらない。
道長が熱望する彰子の懐妊はほど遠く、さらに都で病や火事など、不吉な出来事が続いたため、道長は一世一代のある決断をする。
そんな中、天皇がまひろを訪ねてきて…


■プロローグ

■寛弘3年(1006年)
興福寺別当の定澄(赤星昇一郎)が願いを聞き入れなければ屋敷を焼き払うと脅します。
それに対し、興福寺が乱暴の限りを尽くしているのは大和守の訴状で分かっていたが、これほどの暴挙は許しがたいと、道長が返します。
定澄は、暴挙は大和守・源頼親と右馬允・当麻為頼の方だと反論します。
さらに、解文を詮議してほしいと訴えます。
道長は脅しても無駄だ、藤原氏と氏寺が争うことなどあってはならないと返しました。

---音楽---
冬野ユミ

---テーマピアノ演奏---
反田恭平

■争いの経緯

陣定で道長はこう話します。
日頃から大和守・源頼親と興福寺は争っていました。
興福寺の僧が亡くなったため、寺側が大和守の家来・当麻為頼の屋敷と田畑を焼き払いました。
朝廷は興福寺の蓮聖の公の法会参列を禁じました。
その最中、朝堂院に僧が押し寄せているとの知らせが恒方(尾倉ケント)からもたらされました。
検非違使を派遣し追い払う宣旨を要求します。
一条天皇はそうするよう命じました。

●その頃藤壺では
斉信(金田哲)は中宮を奥の間に隠せと宮の宣旨(小林きな子)に指示します。
まひろは、帝と同じ清涼殿にいるのが安全だと策を提示します。
一条天皇は彰子に向かって、父を信じよ、顔を見せろ、こういうときこそ胸を張れと言いました。
顕光(宮川一朗太)は朝堂院の僧を追っ払いましたが、定澄が会いたいといっていると報告します。
道長は後日、土御門殿にて会うと伝えるように言いました。

●定澄の目論見
訴状を道長に渡し、南都にひきあげるのに約束を要求しました。
1.当麻為頼の屋敷と田畑を踏みにじったことをしらべてほしい
2.大和守・源頼親と為頼を解任してほしい
3.右馬允・当麻為頼を解任してほしい
4.蓮聖の公の法会への参列をゆるしてほしい
それを聞いた道長は、123は不許可、蓮聖のことはそのことだけの申文を出せと述べました。
南都に戻り御仏の道にもどれと言いました。
定澄は、帰り際、よかった、一つでも望みがかなったのは上出来だと慶理(渡部龍平)に話しました。

(感想)
藤原の絶大な力の前に、興福寺といえども逆らえないということです。
興福寺は藤原の氏寺なので、少し甘えのような感覚があって強く出たのでしょう。

■まひろ
まひろのところに道長が会いに来ました。
帝と中宮の様子を伺います。
なんとかならないか、このままでは不憫すぎると話します。
中宮の心が開かれないと難しい、焦らないようにとまひろは答えました。
「もう6年、焦らずにはおれぬ」

●惟規の出世
まひろは道長から、弟は今何をしているのかと尋ねられます。
中務省で内記をしていると答えます。

■寛弘4年(1007年)

●ナレーション 伊東敏恵(NHKアナウンサー)
「年が明けると倫子は四女・嬉子を産んだ。6度目の出産は重く、倫子はしばらく寝込んだ」
「同じ日、中納言・藤原斉信の屋敷が焼けた」

●除目
蔵人は三人欠けている、として道雅、藤原惟規を蔵人にすることを推挙します。
伊周(三浦翔平)の息子・道雅(福崎那由他)は、父の前で、嬉しくはない、父の復讐の道具にはなりたくないと反発します。
母の幾子(松田るか)が道雅を咎めます。

■惟規の出世
惟規(高杉真宙)は、父のお下がりを着てまんざらでもありません。
蔵人になれたのは左大臣のおかげだと話しています。
「神の斎垣を越えるかも、俺」(惟規)

■中宮
左衛門の内侍(菅野莉央)は、彰子が藤式部のつぼねが見たいと言ったと、まひろに伝えます。
まひろと彰子は二人きりになり、物語の面白さがわからない、光る君も何をしたいのかもわからないと話します。
帝は物語のどこにひかれておいでなのかと尋ねます。
そこに敦康親王(渡邉櫂)がやってきたので、また来てもいいかと問いました。

■物語を読む人たち

(公任と敏子)
「眠りこけている様などがみぐるしいほど変わっていて、だんだん正体が分かるにつれ、情けなく心やましくなりましたが、人違いと分かってしまうのもみっともないし、女も変に思うだろう。意中の人を尋ね寄ろうにも、これほど逃れようとする心があるならば、甲斐がない、さぞ愚かしいと思われるだろう」とお思いになります」
公任(町田啓太)は、とんでもない男だと言います。
敏子はあなたにも似たようなことがあるのではと返しました。

(行成)
「女はようやく目覚めると、思いもかけないあまりの出来事に途方にくれた様子になるだけで、思慮が浅く可哀想なほど何の心構えもありません。男をまだ知らぬにしては・・・」

(斉信)
「大人びていて弱弱しく思い乱れることもありません」
「私だとは知らせまいとお思いになるけれど、どうしてこのようなことに・・・」

筑前の命婦(西村ちなみ)等が集まって語ります。
「女が後に思いめぐらしたりしたら、私にとっては何でもないことでも、あのつれない人がひたむきに名を隠そうとするのは、さすがに気の毒なのでたびたびの方違えに、かこつけてこちらに来ていたのだとうまく言いつくろいなさります」

読まれていたのは「源氏物語」第3帖「空蝉」の一場面

美術展ナビ

(感想)
筑前の命婦役の西村ちなみさんは、アニメ「おじゃる丸」の坂ノ上おじゃる丸の声優だとか。ちょっとびっくり!

NHK

■帝とまひろ

帝がまひのところにやってきました。
聞いてみたいことがあるとのことです。
なぜこの物語を書こうと思い立ったのか?
お上に献上する物語を書けと、左大臣が仰せになったからだと答えました。
何が帝の心を打つか思いつかず、左大臣に聞いたことを物語にしたとも。
「この先はどうなるのだ?」
ありのままを語るものはめったにいない、まっすぐ語りかけてくる、また来るといって退出していきました。
(心の声)
「私ではなくて中宮様に会いに来てください」(まひろ)

■曲水の宴

(ナレ)
「3月3日、上巳の祓の日、土御門殿で曲水の宴が行われた。曲水の宴とは曲がりくねった水の流れに沿って座り、和歌や漢詩を詠んで競い合う催しである」
「水の神によって穢れをはらおうとするものであり、道長は中宮彰子の懐妊を切に願ってこのうたげを催した」

菅原輔正がお題を読上げます。
流れによって酒を浮かぶです。
突然、雨が降ってきて、宴は中断となりました。

道長、源俊賢、行成、斉信、等が、まひろがいるところへ雨宿りで集まっています。
彰子は御簾に隠れて様子を聞いています。
歳を取ったが道長はいい体をしているとか話しています。
俊賢(本田大輔)はなぜ光る君を源氏にしたのか?父・高明を思い出した、父は素晴らしき人だったと語ります。
光る君は俺のことかと思っていたと斉信が述べると、みんな黙ってしまいました。
そして宴は再開されました。
赤染衛門の夫・大江匡衡(谷口賢志)の漢詩が詠まれました。
大江匡衡は赤染衛門の夫です。

●まひろのアドバイス
彰子は、さきほどの男同士の会話を聞き、道長が心から笑うのをみてびっくりしたと感じています。
まひろは、殿御は皆かわいいもの、帝も殿御だと。
先ほどの公卿たちとそんなに変わりはない、帝と話したらどうかとアドバイスしました。

■思い出が物語に
道長から貰った扇子を見ながら、子供の頃の三郎との出来事を思い出しています。
(心の声)
「小鳥を追っていた先で出会った恋しい人とずっと生きていたらどんな人生だっただろう」

●何か不吉な状態
興福寺の僧を追い払ってからなにかおかしくないかと疑問に思う道綱(上地雄輔)、斉信の家、道綱の家が火事で焼けました。

(ナレ)
「道綱の屋敷が焼けた直後、敦康親王は病に臥せった」
伊周が見舞いにやって来て源為憲の口遊を渡しますが、敦康親王は嫌がり、道長の元へ駆け寄りました。

■藤原頼通

不吉なことが続き、懐妊もないので、吉野金峯山に御嶽詣をするという話になりました。
8月に100日精進潔斎し、酒肉色を絶たねばならないが、頼通(大野遥斗)はお供する決意をしました。

●御嶽詣の準備
道長は彰子に明日都を発つと報告します。
伊周はその知らせを受け、何かを家来に指示しました。

(ナレ)
「道長は嫡男・頼通、中宮権大夫の源俊賢を伴って京をたった」

----終わり----

次回は 第35回「中宮の涙」9月8日放送です。

■感想

今回は、源氏物語の話しを背景に描かれました。
そして、曲水の宴が詳しく描かれたのも印象的でした。
あんなに優雅に遊ぶことが仕事だったとは、平和すぎますね。
「口遊」(くちずさみ)が登場しました。
雲太・和二・京三で有名ですね。
しっかり、京三として京都の大極殿も入っています。
雲太は出雲大社、今よりかなりデカかった。
和二は東大寺大仏殿、これはよくわかります。
今回の大河ドラマは、細かいところに丁寧で、説明のナレーションや語りがあるので、勉強になっていいですね。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?