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【感想】NHK 歴史探偵「古墳最前線」を視聴しました

2023年7月26日(水)22:00~22:45、歴史探偵「古墳最前線」を視聴しました。

<始まる前に>
最近古墳のニュースが多いのでその特集でしょうか。
楽しみです。

<NHKのあらすじ>
新発見が相次ぐ古代史。
今、ホットなのが古墳だ。
蛇行剣の発見で注目の奈良・富雄丸山古墳。現代アートのような九州の装飾古墳。
日本各地の古墳を訪ね、古代史の謎に迫る。


■古代史ミステリー 古墳最前線

■スタジオで
クイズです。
古墳は日本各地にいくつ有るでしょうか?
佐藤所長「3000くらい」
答えは、約16万、コンビニの3倍あります。
都心にもあります。芝丸山古墳です。
最近、奈良で国宝級の大発見がありました。

■富雄丸山古墳(奈良)

・村瀬陸さん
発掘調査中の富雄丸山古墳です。
古墳といえば大仙陵古墳など前方後円墳をイメージしますが、富雄丸山古墳は円墳です。
109m日本最大、古代史の謎と言われる4世紀後半に作られました。
3世紀は卑弥呼の時代で、次に日本の記述が現れるのが『宋書』倭国伝
この間の4世紀は空白の四世紀と言われています。

●だ龍文盾型銅鏡(第6次発掘調査)
1600年前のだ龍文が残されていました。
蛇行剣という鉄剣は全長267cm、過去のは1m程度でした。
X線調査で、1本の蛇行剣だと証明されました。
村瀬さんに蛇行剣の模型を用意していただきました。
まずは、蛇行剣の形に注目。
呪いの要素が加わり、この形になったと言われています。
次に、銅鏡。
呪術的意味が込められ、主に3世紀の古墳(黒塚古墳石室など)で大量に副葬されました。
それらは円形で、だ龍文盾型銅鏡は、明らかに盾の形をしていました。
村瀬さん「この古墳は4世紀後半で、呪術から武器武具へ変わる時代を反映しているのかもしれません」

●作り方
国産だと推定されます。
鋳造製、1600年前にこれほどの鋳造技術があったことが分かります。
4世紀に国内生産できたことを裏付けています。
大和政権は5世紀に成立したと考えられていました。
富雄丸山古墳の発見によって、すでに4世紀にはヤマト政権の土台が築かれていた可能性が高まりました。

■スタジオで
佐藤所長「打ち震えるような発見ですね」
河合先生「盾形の銅鏡は日本では出たことがないです。4世紀こんなにすごい技術があったことはわかっていなかった。教科書に載ると思います」

■蛇行剣のクリーニング作業(奈良県立橿原考古学研究所)

筆と縫い針を使って土やサビを取り除いています。
・奥山誠義さん「緊張の連続で、情報を漏らさず落とさず気をつけながら作業を続けています」
柄の当たりに漆が見つか装飾されていたことがわかりました。

■まりこふんおすすめの古墳

古墳シンガーのまりこふんさん、3000以上の古墳を訪れています。

●おすすめ・今城塚古墳
継体天皇の墓と考えられています。
約6000超える埴輪が発掘されています。
祭祀場に置かれている190体の埴輪ステージ
レプリカなので子供が乗っても大丈夫。
古代人を調査します。
武人の格好をしています。
巫女の姿の埴輪、器を持った埴輪もあり、古代の儀式が分かります。
クイズです。
実は力士の埴輪なんです。
力士は四股を踏むことで、邪気を払う役目だったと考えられています。
日本で一番大きい家形埴輪は伊勢神宮の神殿に似ています。

●埼玉古墳群(埼玉県)
5~7世紀の古墳が10基以上集中する珍しい古墳群です。
後円部には、盗掘にあった埋蔵施設があります。
一つが盗掘にあい、副葬品は持ち去られてしまいましたが、もう一つは奇跡的に無事でした。
日本史を揺るがす発見、国宝金錯銘鉄剣です。
表面には「ワカタケル大王」の文字が見えます。
雄略天皇を指します。
ヤマトの勢力が関東まで及んでいたことが分かりました。
まりこふんさん「古墳はみんなで、国を盛り上げよって言ってつくったんじゃないかと想像します」

■スタジオで

河合先生「人も歩けば古墳にあたる。石田三成が丸墓山古墳に登って忍城を眺めています」
佐藤所長「家族で行ってみたくなります」

古墳巡りの心得

  1. 夏は博物館などがある古墳を選ぶ

  2. 虫よけ対策

  3. 許可が必要か事前に確認
    古墳は埋葬者がいてお墓ですから敬意を持つことが重要です。

■装飾古墳

お墓が装飾されている古墳です。
九州に集中していて、熊本が代表的です。

●チブサン古墳(6世紀)
44mの熊本にある前方後円墳です。
装飾の劣化防止のため制限時間が設けられています。

●熊本県立装飾古墳館
・坂口圭太郎さん
復元模型が展示されています。
チブサン古墳の模型もあります。
石室には亡骸が安置される石屋形です。
白い三角、黒い三角、菱形の文様が描かれていました。
「これはとがったイメージから魔除けの意味が有るのではと考えられています」
目のような文様は悪霊を祓う鏡だと考えられています。
入り口正面に魔除けを描き、ここにいる人の安寧を祈ったのです。

●千金甲1号古墳(5世紀)
立体的に彫られています。
「リアルな現実的な絵を描いています」

靫(ゆき)と呼ばれる古代の矢筒です。
悪霊から死者を守る役目だったと考えられています。
副葬品の持つ霊的な力をより高めよう浮き彫りにして石室を飾り、魔除けの彩りを加え平面的な絵に変化していったと考えられます。

●王塚古墳(6世紀)
6色の顔料が使われ、装飾の進化を見ることができます。
三角文が連続し、靫が絵で描かれ、盾も描かれています。
モダンアートのような芸術性を持つまでになりました。

■装飾の理由

石室の中で行われた儀式です。
横穴式石室とう構造で、古墳の外からの通路があり、追葬が行なえます。
追葬の際は儀式が行われました。
・河野一隆さん(東京国立博物館)
「装飾は死者にみせるというより、会葬者を意識して描かれたものだと考えられます」

■スタジオで
河合先生「九州の古墳は6世紀になると王塚古墳のように豪華な装飾古墳が現われます」
特に多いのが九州ですが、近畿は装飾古墳は少ないです。
なぜ少ないかというと、石室を見ると分かります。
横穴式石室の形を見ると、近畿の方は隠しているような感じです。
河野さんによると「死者を隠すという死生観があったから装飾はしないと考えられます」
佐藤所長「九州とヤマトの死に対する考え方が違うのも興味深いです」
釜尾古墳、井寺古墳など熊本豪雨で壊れています。

ーーーおわりーーー

次回は「江戸に届け!真夏の“氷”大作戦」8月2日(水)放送です。

■感想

最近話題の古墳が取り上げられました。
例の吉野ヶ里遺跡の石棺墓は出てきませんでした。
本来なら特集組まれそうですが、大した発見がなかったのでイマイチだということでしょう。
戦国時代のお城と一緒で観光には良いんですけど、背景を知っていたほうが楽しめますね。
特に古墳は説明展示が少なく、あっても地味なので。
吉野ヶ里遺跡、今城塚古墳といった有名古墳なら子供でも楽しめそうです。
そして、古墳発見の視点で散策するのも面白いかも。
私は、小高い丘と神社が共存していると、そこには古墳が眠っていると想像して楽しんでいます。
小高い丘は洪水の被害に会うことなく、貴人の墓には最高の場所です。


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