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【感想と解説】NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第13回「幼なじみの絆」

2022年4月3日(日)20時放送、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第13回「幼なじみの絆」を視聴しました。

<始まる前に>

悪名高い木曽義仲の登場ですね。
源氏系は役者が出揃ったといえます。

<NHKのあらすじ>

政子(小池栄子)が男児を出産し源頼朝(大泉洋)の嫡男誕生に沸く鎌倉であったが、頼朝の浮気が大騒動に発展。
激怒した北条時政(坂東彌十郎)は伊豆へと戻り、これを比企家の好機と捉えた能員(佐藤二朗)は源義経(菅田将暉)らに近づく。
そんな中、義時(小栗旬)は八重(新垣結衣)のことを一途いちずに思い、鎌倉と江間を往復する日々を送っていた。
一方、平家に敗北し再起を図る源行家(杉本哲太)は木曽義仲(青木崇高)を頼り……

■プロローグ

時政はやんなっちまった伊豆に帰ると言い出します。
この騒動の元を作った頼朝、自分が悪いことを認めます。
そこに源行家(杉本哲太)がやってきます。

---曲---

エバン・コール

■ナレーション(長澤まさみ)

頼朝の浮気は御家人たちをも巻き込む大騒動となった。
源平の激突を目前に、鎌倉に亀裂が入ろうとしていた。

■行家への冷遇

行家は所領の一つでもくれてもいいではないか、と主張してきました。
無謀な戦を仕掛け義円を死なせた、金輪際鎌倉へ足を踏み入れるな、と頼朝は拒否しました。
大江広元(栗原英雄)は京都の貴族とのつながりがある強者の義仲を切るのは得策ではないと言います。
さらに、奥州藤原秀衡が会津まで南下してきているという噂もあります。
そして、清盛入道を呪い殺したという噂の僧を呼び寄せます。

■木曽義仲

頼朝の従兄弟に当たる木曽義仲は頼朝にまさるとも劣らない勢力を持っています。

■伊豆の北条館

伊豆に帰ってきた時政は、三浦義澄から時政の評判がうなぎのぼりだと聞かされ、満更でもない様子。
りくは、三浦義村に亀の前のことを聞き出そうとします。
江間の館の前で、小四郎を見かけたということで、義時は八重のところに通っているようです。
八重に鯛や伊勢海老を持ってくる殊勝な義時、八重には重荷になっているようです。

■鎌倉殿

武田信義(八嶋智人)がやってきました。
義仲をなんとかしてほしいと頼みに来ました。
軍勢を信濃に送り、人質を出せと迫り、断られたらその場で義仲の首を取る、大江広元の進言です。

■怪僧鎌倉へ

現れたのは、以前頼朝に偽の髑髏を売りつけようとして追い出された文覚(市川猿之助)でした。

■御家人の不満

鎌倉殿に直接意見を言えない御家人達は、不満が鬱積、側近に対し意見を鎌倉殿に上申するよう訴えました。

■上総介広常

もっと強気に行けという考えの広常は、今のままでは鎌倉が真っ二つに割れてしまうと警戒します。

■八重

義時は相変わらず八重のことは好きだといいますが、八重との中はぎこちないです。

■比企家

この先は比企家の出番になると期待する比企能員(佐藤二朗)の妻・道(堀内敬子)は、北条のように頼朝に食い込む千載一遇のチャンスだ、とアドバイスします。
能員と道は、つねと里(三浦透子)、比企尼の孫娘2人を義経と源範頼に紹介します。
範頼は帰ってしまいますが、義経は里を気に入ったようです。

■出発の朝

謹慎中の義経が信濃へ連れて行けと主張する義経に対し、義時は出発の日時を伝えてしまいました。
しかし、義経は比企能員の企んだ娘・里と一夜を明かしたため、やってきませんでした。

■木曽義仲の館

源範頼(迫田孝也)、義時、義村が義仲の陣に到着しました。
平家と通じているという噂が流れていると義時は義仲に話します。
人質を差し出すようにと話す義時に対し、義仲は息子でいい、と答えます。
そして、見返りはいらないと。
巴御前は義仲とは幼なじみで色恋は捨てた仲で、終生尽くすことに決めているそうです。
源義高が鎌倉へ人質として行くことになりました。

■亀の前

亀の前(江口のりこ)の所に政子が訪れていました。
亀の前は、和泉式部の和歌を詠んで田舎者の政子を蔑みます。
伊豆の小さな豪族の家で育った生き遅れが急に御台所といわれ勘違いしてもしょうがない。
御台所と呼ばれて恥ずかしくない女になれ、と言われてしまいます。

■幼なじみの絆

頼朝が八重の家にやってきました。
誘惑しようとしますが八重に指を噛まれて逃げ出す頼朝でした。
義時は健気に尽くす姿を八重に対してみせます。
頼朝と何かあったか、なぜ尋ねないのかと問います。
それでも義時はその事に触れず話をそらします。
八重が幸せならそれで満足だと義時は語ります。
八重は、お役目ご苦労様でした、お帰りなさいませ、と頭を下げて義時を受け入れました。

----つづく----

次回は第14回「都の義仲」4月10日放送です。

■感想

木曽義仲が登場しますが予想外に、なかなかの好人物として描かれました。
悪ガキのイメージの義経とは好対照ですね。
殊勝にも自ら息子を人質に差し出す姿は、今後の悲劇を知るだけに辛いものがあります。
そして今後、どうやって義仲が貶められていくか、見ものです。

■勝手に解説

紀行の中で、豆塚神社や最誓寺の例を出し、八重と義時の愛にまつわる伝承が語り継がれていると説明します。
伊東祐親の三女・八重姫と恋に落ちて子・千鶴丸が生まれます。
これに驚いた祐親は千鶴丸を伊東の滝に投げ捨て、八重姫を江間次郎に嫁がせ、頼朝を殺そうとしました。
このエピソードは『曽我物語』によるもので、フィクションの可能性が高いといわれています。
鎌倉殿の13人の時代考証を務めている創価大学教授・坂井孝一さんによると、江馬次郎の滅亡後に江馬の領地を所有した義時が八重を娶って江間小四郎を名乗り、八重は「阿波局」と呼ばれて、義時の庶長子泰時を産んだのではないかとの仮説を立てています。
おそらく、このシーンも、その仮説に準拠したストーリーを取り入れたものと思われます。


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