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【感想】NHK大河ドラマ『光る君へ』第31回「月の下で」

2024年8月18日(日)20時『光る君へ』第31回「月の下で」を視聴しました。

<NHKのあらすじ>
ある日突然、道長(柄本佑)がまひろ(吉高由里子)を訪ねてくる。
道長はまひろに、一条天皇(塩野瑛久)に入内するも、相手にされず寂しく暮らす娘・彰子(見上愛)を慰めるために物語を書いてほしいと頼み込む。
しかし、真の目的は…。
一方、宮中では年下の斉信(金田哲)に出世で先をこされた公任(町田啓太)が参内しなくなってしまった。
事態を案じた斉信が公任の屋敷を訪ねてみると、思いがけない人物と遭遇する。


■プロローグ

突然やってきた道長は、カササギがたりが評判だということを知り俺にも読ませてくれと話します。
もし面白ければ中宮に献上したいと思っているとも。
まひろは、カササギがたりは燃えてしまい無いと答えます。
道長は、帝の渡りのない寂しい思いをしている中宮のために新しい物語を書いてくれと依頼しました。
まひろは、やすやすと書けないと返答します。

---音楽---
冬野ユミ

---テーマピアノ演奏---
反田恭平

■寛弘元年(1004年)

●ナレーション 伊東敏恵(NHKアナウンサー)
「この年の秋、斉信が従二位に叙された。一歳年上の公任を追い抜いての出世であった」

■公任の気持ち

公任は酒を飲みながら、来訪した斉信に、まつりごとで一番になれないなら和歌や漢詩で一番になるといいます。
斉信は、中宮大夫だったので位を上げてくれただけ、公任に出仕してくれと依頼します。
そこに実資(秋山竜次)が訪ねてきました。
斉信と同じことを話す実資です、公任はだれかに頼まれたのだと訝しがります。
実資は密会をするため待っていた百乃(千野裕子)とともに消えていきました。

●枕草子
まひろは、和泉式部・あかね(泉里香)に枕草子のことを聞こうとしますが、艶かしさがないので覚えていないと言います。
あかねは、気が効いているけど、胸に食い込んでこないとも。
「黒髪の みだれもしらず うち臥ふせば まづかきやりし 人ぞ恋しき」と詠いました。

(引用)
後拾遺和歌集に載った和泉式部の和歌です。
黒髪が乱れるのもかまわずに臥せると、まずこの髪をやさしく搔きやってくれたあの人が恋しく思われる(岩波文庫「御拾遺和歌集」から)

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●清少納言
清少納言(ファーストサマーウイカ)の皇后に影など無い、はなやかな姿だけ残したいという言葉がまひろの印象に残ります。

■彰子
彰子がひょうたんに顔を書いているところに、道長がやってきました。
彰子は一人できた道長のことを夫婦で何かあったのか、不安な表情です。

●明子
明子は道長と添い寝しながら、頼通は正五位になった、自分の子にも頼通に負けない地位をほしいと願います。
土御門は財もあり世話になったという道長に対し、明子は血筋以外無いのかと怒ります。

(ナレ)
「以来、道長は土御門殿にも高松殿にも帰らず、内裏に泊まる日が多くなった」

●惟規とまひろ
まひろは、弟・惟規(高杉真宙)に私らしさを問います。
惟規はややこしいところ、根が暗くて鬱陶しいところと返しました。

■物語作成依頼への返事

まひろからの回答は承諾の返答で、それに見合う紙をほしいとのことでした。
道長から物語を書くための越前和紙が届けられました。
まひろは、越前和紙に早速物語を書き始めます。
福丸(勢登健雄)は左大臣がこの家に来ることに驚いています。
いと(信川清順)は、そう来るのよ、と自慢気に返しました。

(感想)
まさに紫式部単独制作説のようですね。
そりゃそうか、まひろが主人公ですから、ということです。

■本音を白状する道長

道長は早速物語を読むと、良いではないかと褒めました。
まひろは、この内容で、中宮を慰められるか、なにか違う気がすると言います。
道長は中宮のためではなく、帝に献上したいと思っていたと白状しました。
ならば、これとは違うものを書きたいから帝のことを教えてほしいと要請します。
帝の生身の姿を知りたいと述べます。
そして、道長は帝のことを話し始めました。
満月の月を見ながらかぐや姫が月に帰っていった、月に人がいて見ているかも、といいます。
「おかしきことこそめでたけれ」
道長は、直秀も月にいるかも知れない、誰かが一緒に見ていると願いながら月を見上げてきたと話します。

(感想)
番組を通して、ふたりは月で結ばれています。
最終的に、この世をば、望月の歌に連なるのかな。

■インスピレーション

執筆に思い滞るまひろを見て、為時(岸谷五朗)はほっておいてやろうと、いとに話します。
赤、青、黄色といろいろな紙が上空から降ってきて、物語のイメージが拡がります。
いづれの御時にか・・・
道長は物語を読んでみて、かえって帝のご機嫌をそこねるのではないかと思っています。
そこに賢子(福元愛悠)がやってきて挨拶しました。
6つだど答える賢子に、道長は母親似にいていて賢そうだと褒めました。

(感想)
実の親子のご対面です。
そしてついに、源氏物語の誕生です。

●一条天皇への献上
一条天皇に物語を献上します。
帝には後で読むとあまり興味を持たれなかったようです。

●執筆中
為時がすでに左大臣に提出したのではないかと尋ねると、手直しするのは物語は生きているからと答えました。

■物語を読む

一条天皇は、源氏物語を手に取り読み始めました。

(まひろ)
「いずれの御時にか、女御、更衣があまたお仕えしている中に、それほど高い身分ではありませんが、格別に帝のご寵愛を受けて、
栄える方がおりました。
宮仕えのはじめから「我こそは」と思い上がっていた方々は、その方を目障りな者として蔑み、憎んでいたのです」

----終わり----

次回は 第32回「誰がために書く」8月25日放送です。

■感想

今回は、まさに『源氏物語』誕生の瞬間を題材にした内容でした。
そして、過去のドラマで繰り広げられた数々のエピソードが関連していたのがわかって面白かったです。
しっかり繋がっているんだということの確認の意味もあったのでしょう。
直秀のことや、まひろが話す宋での暮らしを覚えていた道長、越前和紙の話しなどなど。
そして、重たいテーマである「人とは何なのか」を語る二人。
ドラマという空想の世界とはいえ、なかなか味わいの深い内容でした。


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