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アウシュビッツ・フラクタル3. 参照:“アウシュビッツと私”早乙女勝元著 《トレブリンカ絶滅収容所、子供を抱いた母親達がガス室へ向かう》

“…ゲシュタポやSSの手によって、アウシュビッツ強制収容所に連行された人々は、それぞれ言葉もちがい、国籍も年齢も職業もみなまちまちでしたが、生まれたばかりの赤ん坊から、幼児、老人に至るまでいささかの特別扱いもなく、そのほとんどが収容所についたとたんか、あるいはしばらくするうちに死の闇に引きこまれていきました。なぜ死ななければならなかったか。理由めいたものを、あえてあげるとすれば、彼らがユダヤ人であったり、ポーランド人であったり、ソ連人戦争捕虜であり、またはジプシー、さらにナチスの政策に批判的、非協力的であったり抵抗したりした人びと、共産主義者、社会主義者はもちろんのこと自由主義者もふくめ、あるいはたまたまゲシュタポの狩りこみ中に近くを歩いていたという理由だけでも、十把ひとからげに捕らえられ収容所送りの対象とされました。

ABCの順にならべますと、アメリカ、オーストリア、イギリス、ベルギー、ブルガリア、中国(記録では一人)、チェコスロバキア、オランダ、エジプト、フランス、ギリシャ、ドイツ、ハンガリー、イタリア、ユーゴスラビア、ノルウェー、ペルシャ、ポーランド、ソビエト、ルーマニア、スペイン、スイス、トルコ……

「ないのは、日本の旗ぐらいですね」私たちの一行の小学生が、はじけたような目でいいましたが、まったくそのとおりで、こともあろうにそのナチス・ドイツと軍事的な防共協定を結んだ日本軍国主義の罪悪が、あらためて思い知らされ、まるで奥歯にものがはさまったような不快感として残ります。……”

(✷‿✷)アウシュビッツだけを強調するのはおかしい。当時のソ連、中国、カンボジアなどでも、ヒトラーを上回る自国民の超大量虐殺をしているではないか、ということは知っていますが、私が怖れるのは、早乙女氏がまさに書かれている、当時日本は、ユダヤ人を大虐殺したナチス・ドイツの仲間だと、おそらく一千万人近い犠牲者達に認識されていたという、変えられない事実なんです。彼らは杉原千畝や満州フグ計画などを知る由もなく、日本人はナチス・ドイツと同じ悪鬼と惨死の瞬間まで思い続けていたということ。さらに地球上のすべての宗教は、死者の意識を肯定することを大前提としているように、死者の意識は肉体を無くすことで、ある意味時空を越えて苦しみ憎しみ怒り呪い続けているということなんです。今でも一千万人近いユダヤの方々の壮絶な霊的視線、思い、念のようなものが、日本人全員に、注がれ続けているのは、量子力学的に有り得ると思います。またアウシュビッツの犠牲者達の時空に固定された断末魔の意識は、現在世界中でアウシュビッツと相似形=フラクタルな現象を引き起こす運命、カルマそのものとなっています。収容所は今、世界そのものです。

※画像は早乙女勝元著“アウシュビッツと私”より。

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