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ヒロキと弘樹はトルナトーレには出会えない

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ニューシネマパラダイスの監督ジュゼッペ・トルナトーレに会いに行く42才になった監督の弘樹。映画の道を歩み始める20代・大学生のヒロキ。時空を超えたクロス・マッチングストーリー。果…
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#夢を叶える

第42回「イタリア縦断記 その10」目指せニューシネマパラダイス 夢の島へはゆっくり…

1992年 弘樹高校2年。 では、シチリアにはいつ、どのように行けばいいんだろう。弘樹は、ぼ…

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第41回「イタリア縦断記 その9」目指せニューシネマパラダイス 映画の道

「夢の島シチリア」  シチリアへ行きたい。  あの映画の中に、世界に入ってみたい。  初…

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二十四回 「出鱈目なパズル その壱」

一九九四年初頭の出来事  草加 我ながら出鱈目なことばかりしている、と分かっている。この…

二十二回 「僕は本で出来ている」

1994年 2月 草加 〇 運ばれた荷物の殆どは本だった。 こうしてみるとよく分かる。僕という人…

十九回 「辞める、止めた、やめだ!」

1994年1月 R女史の部屋・草加  RECボタンは押しっぱなし。コタツに寝転がりながら、弘樹は…

連載十五回 「再会のまち」

◆一九九三年 九月釧路にて  まだ彼は来ていない様だった。 だから僕らは釧路駅の「くしろよ…

三、ヴェネツィア 「両国くんの事情」

◆2018年、7月。  「互いにどうしても譲れない一線まで来てしまい、僕からはいったん『お別れ』を告げました」 はしご酒も三軒目。ヴェネツィアのバーカロ(立ち飲み居酒屋)で、元公務員の両国くんは静かに、こう切り出した。イタリア語で新星を意味するノーヴァ通りの裏筋にあるこの店は、いつもなら店外まで男女がワイン片手に盛り上がり、とても静かに語れる場ではない。 しかし、今の時期はヴァカンツァも始まり地元の人が「外」に出て行っているせいか、店内は両国くんと僕の二人だけだった。元

四、 「すばらしい日々」

◆ 一九九三年、五月。  ユニコーンが新しいシングル「すばらしい日々」をリリースした。半…

二 、サクラはサクが、青が散る

◆1993年、4月。入学式。 冴子は、来なかった。同じ高校から弘樹と同じく指定校推薦で入…

序「二つの時代の物語を」

僕は「カントク」と呼ばれている。映画の監督を生業としているから、まあそれは仕方のないこと…