スマホと時計を手放してキャンプをしたら、大事なことに気がついた①-僕がみた景色は、僕だけのもの-
今年の11月末から12月頭は箱根の芦ノ湖でキャンプをして過ごしました。
ただのキャンプではなく、「完全にオフライン」になって、つまりPCやスマホ、時計をも手放してノーデジタル・ノーバッテリーで過ごすというもの。
「2019アンプラグド・ダイアログ・キャンプ」
(Facebookイベントページはこちら↓)
現代社会で、意図的にでしか作りづらくなったオフラインの時間を、初めて出会った方たちと過ごしての気づき。少しづつ書いていきますね。
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僕が見た景色は、僕だけのもの
これはキャンプ2日目、最初から最後までオフラインだった日の話。
散歩に出かけました。読みたいと思っていた本を一冊もって。
この日はできるだけ長く、「ひとり」の時間を作ろうと思っていました。
初めての芦ノ湖を歩いている途中、
あ、カメラ持ってないのって久しぶりだなって思いました。
写真を撮るのが好きで一眼レフは持っているし、それを持ち歩いてなくてもiPhoneにカメラがついてる。
そして、綺麗な景色を観たら、写真に撮ってインスタやTwitterにあげて…
そういうの、一切できなかったんです。これは新鮮でした。
深い色の山々に囲まれた湖面、雲の切れ間から差し込む光が水面で揺らめいて、水音に合わせて動く光の粒がとても綺麗だった。
ああ、言葉では情報量が足りない。
努力はできるけど、いくら話したって自分が見たものを100パーセント伝えるのは難しすぎる。
「そうか、これは僕だけのものなんだな」と思いました。
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ネットやSNSに常につながっていると、自分の体験も、誰かの経験も、ぜんぶ相対化されているのかもしれない。
そして、ついつい劣等感を感じてしまったりするんです。
ネット上の人が「シェア」する、なんだか自分よりすごそうな体験や経験、成果なんかと、自分のものを比べて焦ってみたり、「やっぱり自分なんて」と思ったり。
それが会ったこともないすごいビジネスマンやスポーツ選手であっても、最近留学した友達とか、今度起業するらしい後輩とかでも。
バランスが、欠けているんだと思う。
相対的な軸と、そして絶対的な軸。
自分の中の何かを評価するときに、この2つの軸があると思うのだけど
「オンライン」に慣れすぎて常にだれかと繋がってしまう僕は、相対的な軸ばっかりになっているのだと思う。
人の目を気にして、人の活躍を気にして、
それに負けたって思ったりして、ちょっと自信を失ったりもする。
でも、僕が見た芦ノ湖と夕暮れのコントラストとか、湖畔に寝っ転がってみた流れ星とか、
綺麗だなと感じて眺めていたあの時間は、だれにも評価なんてされない僕だけのもの。
僕が見た景色は、ほかの誰も見ることができない、僕だけのもので、
そしてこれは絶対的だ。
見たものだけじゃない。聞いたことも、感じたことも、考えたことも。
きっとあの時あの景色を観た僕にしか言えないこと、やれないことがあるのかもしれないってそんな気がしてきた。
「自分にしかないもの」を探している人は少なくない。きっとそれが価値だと思ってるから。
でもなかなか見つからなくて苦しんだりもしている。
きっと誰かと比べすぎてるのかもしれない。
自分がみた景色の画角は、スマホで切り取ったものなんかよりもずっと大きいはずで、そんな観たこと、考えたこと、体験したことが全部「自分にしかないもの」だって思ったら、
なんか大丈夫だって思えたりする。「自分にしかないもの」、ちゃんと持ってる。大丈夫。きっとそこに価値はある。
そして、それは僕だけじゃなくて周りの人みんなも同じで。
隣にいる人も、今までいろんな体験の中で「自分にしかないもの」を積み重ねてきて、それは誰に評価されるものでもない。
その積み重ねを、その価値を、僕は最大限に尊重したいと思うし、
絶対的な軸で、その人自身を見つめて対話することを心掛けようと思いました。
スマホの画面なんかよりもずっと画角の広い景色を、僕らは自分の目で見ている。それだけで、僕らは特別でいれるのかもしれない。
そんな当たり前のことを、誰ともつながっていないひとりの時間が教えてくれました。
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このキャンプを主催してくれた長尾彰さん、初めて出会ったみなさんに心からの感謝を。
写真、帰り際に撮ったものくらいしかないんです。ほんとに。
(ヘッダーの写真とか。他のはイメージ画像です。)
このキャンプは十数年くらい続いているそうで、きっと来年も企画されると思います。興味のある方はぜひご参加ください。
続く
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