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J3入門ガイド作ってみた①<讃岐・YS横浜>

各チーム補強がひと段落し、リーグからも日程が発表された。
J3初挑戦となる松本山雅だが「J2と違ってJ3各チームの情報が分からない」「調べようにも媒体が少ない」という人も多いのではないだろうか。というか、自分自身がまさにその一人である。昨年は新加入選手の情報を集めるのでパンクしそうになっていたが、今オフはJ3というリーグについて猛勉強しなければならない。

ただインプットだけでは時間と共に忘れてしまうことも多いので、いつも通りアウトプットも兼ねてJ3の各チームについてnoteでまとめていきたいと思う。J3マイスターの方々からするとまだまだ無知な部分も多いはずだがそのあたりはご容赦願いたい(ハードルを下げておくスタイル)。

そして、今回の企画ではJ3の入門"ガイド"として、このオフだけではなく、開幕前、シーズン中、対戦前(レビュー)など『繰り返し見て楽しめるnote』を目指して、その都度、最新情報を追記・更新していこうと思う。「対戦相手のことを知りたい」「気になるチームがある」「自分で調べる時間がない」などなど……困ったタイミングで気軽に開き、知りたい部分を読めるものになれば幸いである。

ということで、一発目は開幕戦の讃岐、第2節のYSCC横浜。
(開幕までに間に合わないでも何とかなるように対戦順にしたが、できるだけ間に合うようにしたい……)



<カマタマーレ讃岐>

■直近5年の成績と監督遍歴

17年:J2・19位/ 北野誠
18年:J2・22位/ 北野誠
19年:J3・14位/上村健一 
20年:J3・16位/望月一仁
21年:J3・15位/ 上野山信行 (1月~3月)、西村俊寛<暫定> (3月 ~4月)、ゼムノビッチ・ズドラブコ(4月~12月)

22年監督:西村俊寛
J3降格&8年続いた北野体制の終焉後は監督は毎年変わっている讃岐だが、去年は上野山信行GM兼監督がわずか2試合で辞任。トップチームダイレクターの西村氏が内部昇格で暫定監督を務めるなど混乱を極めた。その後、正式に監督を引き継いだゼムノビッチ監督もオフに退任となり、今シーズンは西村TDが正式に監督に就任。北野監督時代にはトップのヘッドコーチは務めていたがトップチームの監督は初。「戦い方はとにかく、攻守の切り替えを速くして、長い距離をしっかり走ること」を掲げている。


■去年のスタメン

・第1節

・第16節(中断明け)

・第30節

最終成績:勝ち点21 4勝9敗15分け 20得点41失点 得失点差-21

4バックを試していたのは上野山監督時代の2試合のみ。そこからは352と3421の併用で戦い抜いた。主力はほとんどが30歳以下。23歳~26歳くらいの選手が中心となり、若い選手を積極的に起用する方針が感じられた。課題は得点力。1試合の得点平均0.6点はJ1(横浜FC0.84)、J2(相模原0.78)の最下位チームと比べても低い数値になっている。チーム得点王はWB川崎・FW重松・MF中村駿の3人(3得点)。クロスからの得点が多くなっているが、ボックスで勝負するストライカーの得点はもう少し増やしたいように思う。

■現スカッド・オフの雑感

【GK】
昨年の守護神・高橋が残留。若手の渡辺や日本体育大学からのルーキー・今村がそれを追う構図。

【DF】
3年連続キャプテンを務めていた竹内の引退は痛手。CBの補強は新卒選手のみなので懸念点にはなってきそう。また、去年ブレイクした左WB薩川も鹿児島へ移籍。こちらも新卒の内田や若手の下川らがブレイクできるか。

【MF】
竹内と同時にチーム2番目の年長組の10番・高木和正も引退。ただ目立った主力の流出は無し。仙台からのルーキー・鯰田太陽は昨年も特指として終盤試合に絡み続けていたので今年は頭から計算できる。仙台大、そして柏ユースで7番をつけた司令塔タイプのボランチで(少し気が早いかもしれないが)奪取力の高い山雅のIHとの対決は楽しみになってくる。

【FW】
林(→山形にレンタルバック)、阿部(→YSCC横浜)と長身系のCFが移籍したところにFCティアモ枚方から松本孝平(186㎝)、おこしやす京都から青戸翔(185㎝)、福井シティから吉井佑将(180cm)と補強。フィジカルに長けた栗田(180cm)もすでに主力としているので前線のエネルギーは高まった印象がある。特に松本は大学時代に江原スカウトも絶賛、「山雅のスタイルに合う」と話していた選手(ややこしい笑)。名古屋に加入してからはうまく結果は残せていないが強烈な武器を持っているのは間違いない。


■開幕戦をうけての予想スタメン

■シーズン展望


<YSCC横浜>

■直近5年の成績と監督遍歴

17年:J3・14位/  樋口靖洋
18年:J3・15位/  樋口靖洋
19年:J3・13位/シュタルフ
20年:J3・17位/シュタルフ
21年:J3・8位/シュタルフ

22年:仲田建二
今年から長野の監督に就任したシュタルフ監督が3年をかけてJ3で初の一桁順位を達成。元岡山の有馬監督、元琉球の樋口監督に続き、監督にとっての登竜門になりつつある。そして、今年は岐阜のヘッドコーチを務めていた沖田コーチが監督に就任。開幕戦はいきなり岐阜とのダービーとなる。記事などが少なく、どのようなサッカーを目指しているのか?シュタルフ式のサッカーを踏襲するのかは未知。

■去年のスタメン

第1節

・第17節(中断明け)

・第30節

最終成績:勝ち点40 11勝7分10敗 得点31失点33 得失点差-2

3バック/4バック、中盤の構造など様々なシステムを駆使。屋台骨の土舘をどこに置くかによって攻撃の起点を設定していたように見える。後ろで使われている選手の配置は試合によって変わることが多いがメンツは固定気味で、前線はンドカ、神田を軸に流動的に選手を起用していた模様。ただし、これは前監督のシュタルフ色が現れていたものと思われるので、外からやってきた仲田監督がどのようなサッカーを選択するか?読めないところはある。

■補強などの雑感

【GK】
セカンドGKの小池が八戸に移籍。現在3枚なのでGKの補強はある?

【DF】
主軸の船橋・池ヶ谷が長野に移籍、大城が浦和に復帰とCBとサイドに大穴が空いた。CBの即戦力は鳥取を契約満了になっていた藤原と出戻り移籍となった西山(東京武蔵野ユナイテッドFC)のみ、船橋のWBも収支的にもマイナスは避けられないだろう。補強を見ると、東福岡→国士舘大学のルーキーSB中村駿の出番がいきなり来る可能性は高そう。

【MF】
起用法やシステムが流動的だったのでFWやDF登録の選手でやり繰りはできるはずだが、松井大輔(無所属)や兄が川崎にいる脇坂(新潟医療福祉大)、古宿(横浜FC)などタレントが加わった。これらの選手が2列目・3列目で躍動するようだと今年のYSCCも面白みが増してきそうだが、昨年までの激しい攻守の入れ替わりや中盤省略の多いスタイルにバッチリはめ込めるかは微妙な部分も。また松井大輔はフットサルと兼任でキャンプ初日も不在。コンディションがどうなるか……。
J3・YSCCが始動 仲田監督「昇格争いに割って入る」 | カナロコ by 神奈川新聞 (kanaloco.jp)

【FW】
昨年6得点でチーム得点王のンドカ・チャールスが同カテの岐阜に移籍したマイナスは大きい。FWの新戦力は山雅にいた韓勇太の弟・韓勇岐くらいなので、途中出場が多かったピーダーセン世穏や讃岐から夏に期限付きで加入、オフに完全移籍に移行した林ら既存戦力たちの奮起は必要になってくるだろう。

■開幕戦をうけての予想スタメン

岐阜戦をドローで終え、一定の成果を得たのでスタメンは前節をベースに。3バックは去年からCBの空中戦を支えてきた宗近を中心に新加入の橋本、藤原で継続。

ボランチもチームの支柱・土舘、横浜FCからのレンタルで青森山田時代から有名な古宿は固そう。WBは一応継続にしているが、前節CFだった柳を回すこともできたりと3番手以降の評価がまだ読めない。

前節なかなか攻撃に出れなかったので1トップ2シャドーをいじるのはあるかも。前節は柳・神田・吉田と170前後の選手が3枚並んで積極的にプレスをかけていたが、山雅は岐阜ほど保持する訳では無いので1枚高さを加えるのもありかなと林を入れた。

田場ディエゴ、オニエのようなリズムを変えられる選手がベンチに控えるので注意が必要。松井大輔もベンチ入りはあるかどうか……。ただカードの幅という意味ではそれほど広くない。

■試合前展望

岐阜戦を見る限り、1番の狙いはボランチ、もしくはSHに入ったところで挟み込みを狙ってのショート〜ミドルカウンター。最終ラインに対しては前線の機動力と運動量で何とか間に合わせようとしているところはあったので前節のような不用意な縦パスは失点に繋がりやすい。

相手の前線との個人勝負には苦労しているところは見えたので、まずはCBが深さを取った状態で全体を釣り出し、相手が出てきたところで中盤を省略して攻めるのが現段階では1番有効な策に感じるが、スタートからそれを出していくのかどうか……。

個人的にはそうではなく、前節同様、保持と可変にチャレンジすると思うので積極果敢に前に出てくるWBのところで縦関係を作って相手を惑わすような攻撃を繰り出したい。

先制点というのはどの試合でも重要になってはくるが、「(開幕前の評価を考えると)岐阜相手に無失点で終われた」というのはどのチームとやる上でも勇気を持てる要因になってくると思うので"前節のような流れで進ませない"という意味でも早めの先制点で相手の勢いを鈍らせたい。


※掲載順・目次

①カマタマーレ讃岐・YSCC横浜
②鹿児島ユナイテッド・SC相模原
③テゲバジャーロ宮崎・FC岐阜
④アスルクラロ沼津・ギラヴァンツ北九州
⑤AC長野パルセイロ・FC今治
⑥ガイナーレ鳥取・藤枝MYFC
⑦愛媛FC・いわきFC
⑧ヴァンラーレ八戸・カターレ富山
⑨福島ユナイテッドFC・松本山雅

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