セレッソ戦振り返り〜反省点が集約された1失点目と今後の課題〜
2020年シーズン、布山雅が新たにスタート。
布陣は442。「現状のベストメンバー」とのことだが、榎本を起用すると考えた時の布陣で「(愛媛戦まで考えた時の)現状のベストメンバー」という含みであると考えてよいはず。(もちろん怪我の可能性もある)
■結果は1-4で敗戦
結果内容に関しては賛否はあると思うが、
①相手が現状ベストメンバーで監督のコンセプトも浸透しているセレッソであったこと。②自分たちのサッカーを貫いてくるというよりは相手のウィークを的確に突いてくるチームであること。
を考えるとセレッソは相手としては最悪の部類であり、自分たちの課題を浮き彫りにするには最高の相手だったと試合を通して感じることができた。
■前半で先制も……
試合を通してみてみるとまず先手をとったのは山雅。田中隼のクロスを阪野が落として鈴木のボレーが見事にゴールに吸い込まれた。サイドバックが攻撃参加し、中のFWとサイドハーフが仕留めるという群馬時代の十八番をこの相手に見事体現できたことはかなりポジティブで、J1相手になかなか見せることができなかった「再現性のある攻撃」が見れたゴールだったと思う。
しかし、セレッソも甘くはない。すぐさまブルーノ・メンデスに決められて振り出しに戻されてしまう。
■続いてしまった両サイド4枚の連携ミス
失点シーンを振り返ると、
左サイドハーフの杉本が相手の右サイドバック松田に振り切られ、
高橋が遅れてフォローにいこうとするもブロックに遭い、ほぼフリーであげられて
柿谷の折り返しを中のメンデスに合わせられた。局面では数的同意、もしくは優位にたっていたにも関わらず最後のメンデスのところ以外はほぼフリーでやられた。
こちらの左サイドを突破されての失点だが、杉本が左右に振られていたにも関わらず、塚川の距離は遠く、高橋もフォローにいけないポジションを取っていたので格上が相手だったことも加味すると抜かれたとはいえ、杉本は気の毒にも思える。
中は数的優位ができていたので上図のように高橋と塚川もプレッシャーをかけることで外に追い込む(できないでも縦に限定する)のがベターだったと思う。
逆の右サイドはどうだったか
恐らくこの時点では柿谷は田中隼と鈴木の2人で見るような形になっていた
が、クロスが上がる直前には柿谷にはどちらもつけていなかった。鈴木は丸橋を外すことはできないので柿谷のマークを完全に受け渡すべきだったが、ここがスムーズに行かなかった結果、フリーでやられてしまった。田中隼もCBのフォローやマークの確認の声がけを直前までしていて単に個人の失態ではないとフォローしたいところだが、やはり対面の柿谷にやられたのはいただけないだろう。
■悪癖をついてきたロティーナセレッソ
442の3ラインの距離感は初戦にしては違和感なく、前半は特にセレッソも縦一本でチャンスを作ることはできずにいた。一方、山雅は横への揺さぶりには対応できず、その結果サイド攻撃に関してはかなり手を焼くことになっていた(もっとも反町3421時代もサイドはかなり攻略されていたが)。中を締める意識が高いがゆえに、サイドでは個が晒されやすくなるのはひとつの悪癖かもしれない。
■他にも課題は多いが……
2点目以降は完全にセレッソに流れがいってしまったが(それ以前もやられまくっていたが同点なら精神的優位性は残っていた)攻めにいった結果でもある。
厳密にいうと433だったはずだが、形としてはこんな感じの攻撃的布陣に。こうしたギャンブル布陣は相手の混乱を引き起こすことも多いが、伝達係が唯一の外国籍だったジャエルだったこともあり先に山雅側が混乱していた笑
これは布監督自身も反省点にあげていたが、ビハインド時のテストにはなった。反町さんのスタイルだと同点、もしくは1点差なら大きくは崩さず、終盤まで耐えてドローならOKということが多かったので(リーグとルヴァンの違いという要素もある)、点差は広がることにはなったが動かず1-2で終わるよりは有意義だったと捉えたい。
■最後に
今週末はついに愛媛でリーグ戦の初戦。ルヴァン参加自体がどう転ぶかは終わってみないと分からないが、現状ベストのセレッソと公式戦で戦えたのはほぼ間違いなく良かった。
まだまだチーム作りの段階だが、リーグ戦では何としてもいい結果を残したい。
(間違い・誤字などあったらすいません)
END