「利回り」には時間軸がないのでIRRを使ってみよう
投資リターンを測る指標として「利回り」がよく使われています。
この利回りとしてよく使われるのが、CAPレートで、経費などを差し引いた純利益を購入価格で割った時の%です。
ですが、この利回り、投資期間を考慮できません。利回りは一年単位でしか計算できないため、時間軸がなく、収益が購入から1年後に発生しても、3年後に発生しても、価値は同じになってしまいます。
投資期間を考慮した上で投資リターンを測るための指標としてIRRというものがあります。
IRR(アイ・アール・アール:Internal Rate of Return)とは、ある投資対象を評価するために使われる指標の1つで、日本語で「内部収益率」といいます。
不動産投資の場合、物件を購入した後にすぐに、借りてくれる人が必ず現れてくれるとは限りません。もしかしたら1年空室になってしまう場合も考えられます。でもその後景気がよくなり、予想より高い賃料で借りてくれる人が見つかるケースもあるでしょう。
なので、利回りだけで収益率を正確に測ることはできないので、期間を考慮したIRRを算出してみることにより、より正確なシナリオを描くことができるのです。
実はこのIRR、エクセルの計算式が組み込まれていますので、比較的簡単にエクセルで叩き出すことができます。
簡単なシナリオをエクセルに入れてみましょう。
シナリオ:コンドミニアムを$200,000で購入。1年目は修理やリフォームで経費がかかり、家賃収入純利益$5,000、2年目は家賃収入純利益が$10,000にアップ。3年目に管理費と固定資産税が上がり、経費が増えて、純利益が$8,000にダウン、4年目も$8,000。5年目に市場が良くなったところで、$250,000で売却。
上記のシナリオで、1年目だけのCAPレートを算出すると2.5%ですが、5年通算で、最後の売却価格も考慮したIRRを出してみると、8%。
5.5%もの差が出てきます。
このIRRですが、エクセルに =IRR(適応範囲)と入れるだけで、%を算出することができます。
不動産投資を考えるとき、できればこういった「時間軸」も考慮して作戦を立てるのがいいかと思います。
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