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あのあのビート

REFREC BEATリフレクビート
知ってます?
または、覚えてます?

中学への通学途中のゲームセンターも
高校時代に遊んだゲームセンターも
勤めた保育園の近くにあったゲームセンターも
デートで行った繁華街のゲームセンターも
店舗自体がなくなっちゃったけど。

これは、ゲームがなくなっちゃいそうな方の話。

ただいま。初めまして。

わたしの20代前半は、ほとんどリフレクに救われていた。

諸々あって(というほど複雑な事情は無い。敬愛する教授がいなくなったので、わたしも大学からいなくなっただけ。)某公立大を中途退学したわたしは、保育施設でパート勤務をしていた。
職場に昼休みを過ごす場所は無いから、ファミレスで資格試験の勉強をするかゲームセンターで息抜きをするか。
心身が元気な日はテキスト片手にガストに籠れたけれど、まぁそうもいかない日だって少なくないわけで。
正解の見えない、何を頼りにすればいいか分からない保育業の中で
やればやった分だけ上手になれる(とは限らないんだけど、少なくとも保育よりはずっとそうだった)音楽ゲームは心の支えだった。

小学校高学年〜中学校にかけて、わたしはポップンミュージックで遊ぶのが大好きだった。
「お前の好きそうなキャラがいるぞ」と誘われて、そのキャラ本人以上にそのキャラの担当曲に撃ち抜かれた。全ッ然スコア伸びなかったけど。初心者にヒプロ3はエグすぎる。
当時は中学校の近くに小さなゲームセンターがあって、1駅分歩いた大学の近くにはもう少し機種の多い店もあった。
電車に乗ればもっと大きいゲームセンターがあって、友人たちと遊びに行くいちばん上等な遊び場はそこだ。
高校時代は部活と委員会で頻度を落としつつも、生活圏内でプレイできなくなる地方大学へ進学するまで音楽ゲームは生活の一部だった。

小さな古いボウリング場だけが遊戯施設という町の大学で、すっかり音ゲーから離れていたわたしを呼び戻したのは、何年も前に「お前の好きそうなキャラがいるぞ」と誘いをかけたその友達だった。

大学を辞め、慣れない仕事(というより職場の人間関係……)にメコメコ凹んでいるわたしにとって、それは紛れもなく救いだった。
「いまJUBEATリフREFREC BEATイベントRUNRUNマラソンやってるよ」
へーそうなんだ。久々に遊んでみようかな……リフレクって新機種でしょ?触ったことないな……
……って、

「よしくん何やってんの!?」
※わたしの中で「DJ YOSHITAKA」はDes-ROWセンセイの舎弟ポジションの
 色黒長髪ラスタカラーのタンクトップ姿として記憶されていた。
 再会(?)したらなんかアイドル路線だったり翼が生えたりしてて草。
 ハネハハエマシタ?

こんな風に笑ったのは、東京を出る前以来だな、と思った。
山梨の大学生活は面白いこともあったけれど、もっと個人のニオイがする、生活の中の娯楽だった。誰々さんと誰々さんが付き合うって。先輩の就活こんなことあったらしいよ。後輩サークル辞めたいってさ。バイト先で社員がさぁ。
そういう人いきれを感じる距離感に辟易していたわたしが、逃げ帰った先で密接なノンバーバルコミュニケーションを要求されて混乱していたわたしが、画面越しに消費できるコンテンツにどれほど癒されたことか。世田谷に帰ってきて良かったああああああ。
……という感慨は、一息つけてから振り返ってやっと得られた。当時は溺れかけた人間が必死で板切れを掴むようにUstreamBEMANI生放送を拠り所に一週間ごと生きていただけだ。

職場の近くに設置店舗があったのを幸いとして、メンタル回復の手段はほとんどBEMANIシリーズで遊ぶことになった。午前中の保育の記録をして、午後からの計画を確認して、残った昼休みの十数分でPASELI電子マネー残高を削っていく日々。

最高に「ちょうどいい」対戦ゲーム

懐かしいBEMANIに帰ってこられた、という気持ちと
リフレクビートという初めてのゲームが新鮮で楽しい、という気持ち。
ハマれる物を探していたタイミングだった、ということは否めないが
それを抜きにしてもリフレクビートは面白いゲームだった。

わたしは元々高得点を狙う「スコアラー」でも、クリア数を増やしたい「クリアラー」でもない、ただプレイを楽しみたい「エンジョイ勢」だ。エンジョイ勢という括りは蔑称的に使われることもある呼び方だけれど、これを恥じたことはない。

慣れないメイン機種以外で遊ぶのは、大抵その機種にしか収録されていない好きな曲で遊ぶためだ。double thrashとTail Spinのためにドラマニを頑張ったし、cradleとClose my Eyes for Meのために弐寺を頑張ったし、Summer FairytaleとGIRIGILI門前雀羅のためにDDRを頑張ったし、We Can Win The Fightのためにダンエボを頑張った。
クリアランプがいくつ点いたとか
スコアメダルが何色だとか
ライバルと何点差だとか
10年以上そういう楽しみ方をしてこなかった。

思えば音ゲーに限らず、トラック&フィールドや競泳といった「個人の記録同士を比べて競うスポーツ」にも熱中したことがない。
昔から好きになるのはかけっこよりドッジボール、縄跳びよりドロケイ、体操よりバドミントン、ダンスより卓球……相手と駆け引きのある遊びばかりだ。
同じ徒競走だって、100メートル走よりオープントラックの3000メートル走の方がずっと面白い。

基本的に一人プレイで、競うとしたら他人とのスコア差である音楽ゲームに
長年ハマっている方が不思議なくらいだ。
競わずに個人でモチャモチャ遊んできたからだと思う。わたしにとって音ゲーはバトル欲を満たせるものではなく、絵をかいたり歌ったりするような、一人遊びであった。
(ちなみにオジャマ機能で相手の妨害ができるポップンミュージックの対戦はめちゃくちゃ好き それは納得)

そこへ来て、リフレクビートは絶妙だ。
楽曲を楽しめる純リズムゲームでありながら
ノーツは相手に跳ね返っていく(相手から跳ね返ってくる)対戦要素もある。

真横に弾けばジグザグに飛んで行って軌道が読みにくいが真上の方が反射せずスピードが出る。真下なら手前で1回、横で1回。
正直そこまでプレイ感に影響はない、駆け引きというには微かな差異だけれど、そういうことを考えながら遊ぶのがとても楽しい。

リズムは一定、好きな曲をいつも好きなままで遊べる。
操作は新鮮、相手次第で腕前を試されたり音にノリやすかったり。
両方の美味しいとこどりだ。
ストレスを感じずに楽しくなれる要素がわたしを癒したし、
一喜一憂できる勝負の楽しさがわたしを奮わせた。

ハマらない方が無理って話なのよ。

スコアラーでもクリアラーでもないまったりエンジョイ勢メンタルのまま
気が付いたら遊ぶ譜面はSPECIAL(や、のちのWHITE HARD)けっこうムズい、イカちぃやつばかりになっていたし
全曲ではないが最高難度のレベルまでちらほらクリアするようになっていた。

#全力で推したいゲーム





まぁ、こう、色々あって今のリフレクビートは孤独死しそうな状態だ。
更新がない。公式リーグもない。かといってサービス終了のお知らせもない。

ぶっちゃけ、意外さはない。
誰かにとって、ものすごくいいということは
それだけゲーム性に尖った部分があるということだろう。
往々にして「みんなにとって、そこそこいいからの乖離になりがちだ。

コナミだって慈善事業でBEMANIシリーズを動かしているわけではない。
プレイ人口が少なかったり
他の機種と相互で盛り上げにくかったり
筐体のつくりが特殊だったりするシリーズを盛り立てていくのは難しいのだろう。
ゲームセンターだってそうだ。基本的に採算が取れる機種を置きたいはずだ。

分かってるよ。
別に恨みも怒りもない。
わたしだって、数年間ほぼ毎日プレイしていただけで
引っ越してゲームセンター通い自体が減って以来かつてほどの頻度ではクレジットもパセリも突っ込んでいないのだから。

事実上の「終わった機種」である現状から目を背けるつもりはない。
ただ願わくは、上手に愛されて、きれいに終わってほしいな、と。

リフレクビート初出の大好きな曲たちが、二度と遊べなくなってしまうのは悲しい。
たとえばDisable Markなんて初めて聞いたとき比喩じゃなく泣くほど刺さった。(製作者対談を読んでまた泣いた。)
Videnもいいよね。Valangaのホワイトハード用音源も格好いい。Velvet Sentimentもたまらん。イミテーション語ル死スも好き。マッハマンの歌だって聞けなくなったら惜しすぎるでしょ。YELLOW SPLASH!!もアガるよね。斬刀鬼はいつ正式にヒップロックになるの? Des四季シリーズも最高。てかチュートリアルの威風堂々アレンジから好きなんだよね。


リフレクビート出身のキュートなキャラクタたちと、二度と会えなくなってしまうのは寂しい。
リフレク代表として(?)既に他機種に出張済みのパステルくんさんも大好きだけれど、わたしの「推し」はヤンクルとオリーブです。ショップとかにいる白と黒のヤギ。わかる? ウチにプライズのぬいぐるみあるよ。かわいいよ。白い方がヤンクル、黒い方がオリーブ。お洋服にイニシャルついてるよ。らびーとカップ2のときは学生服姿も披露されたんだよ。ちなみに名付け親はよしくんだよ。

非の打ち所がないゲームだ、なんて言わない。思ってもいない。
ただ、楽しかったことは本当なんだよ。今も愛しているゲームなんだよ。
自分が大事にしているものが、自分以外からも大事にされてほしいなってお祈りしているだけだよ。

#全力で推したいゲーム アゲイン

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