「イツ?」「イツ?」から逃れられないと、イツまでたっても「イップス」から逃れられない話

前回、イップスの肝についてお話しさせて頂きましたが、せっかくなので、もう一つ、私が「イップスの肝」と考えていることをお伝え出来たらと思います。

名付けて、表題の通り

「イツ?」「イツ?」から逃れられないと、いつまでたっても「イップス」から逃れられない話

イップスで私のもとに相談に訪れる方は、ほとんどの方が悩んでおられた期間が長く、非常に深刻な表情をされてこられます。また、いくつかの施設やご自身で調べれれた情報をもとに、改善を試みられ、思うように行かなかった、と言うケースも多く、やや半信半疑の表情をされている方も非常に多く見られます。

そして、そのような表情をされている方の多くの口癖が

「このイップスはいつ頃治りますかね?」。

肘痛、肩痛、アキレス腱炎、捻挫、肉離れ・・・。

スポーツに限らず、私たちは生活の中で多くのいわゆる「ケガ」に遭遇する機会があります。その多くは「損傷(そんしょう)」「炎症(えんしょう)」によるもので、一時的に壊れているような状態と考えることができます。

人間の体は「自分で元に戻ろうとする力」がありますので、壊れたところは血液の栄養や回復物質を使うなどして、元に戻ろうとしてくれます。

「自然治癒力(しぜんちゆりょく)」って読んだりもします。

そしてその力は年齢や個人差もありますが、「大体いつくらいに回復」という、共有できる基準があります。多くの人が人生で何回も経験するようなものなので、データも豊富ですし、同じ人間の体なので、仕組みはほとんど同じ。

しかし、イップスは基本的には「損傷(そんしょう)」「炎症(えんしょう)」はありません。もちろん、

「損傷や炎症の復帰の練習でイップスになった」とか、

「イップスでいつもと違う動作を繰り返していたらどこかが炎症した」

など、原因や結果になることは大いにありますが、

イップスの性質そのものが「炎症や損傷そのもの」ではない。

と考えられています。


イップスはイツ治る?を決めるのはアナタ

前回のNOTEでも書かせて頂きましたが、イップスの「肝」は、「認知」です。

認知は、

対象を知覚した上で、

それが何であるかを

判断、解釈したりすること」のこと。


野球のあるあるのケースに例えるなら

「対象(大観衆の前で自分が注目されていること)を知覚(目で見た)上で、

それが何であるか(絶対に失敗してはいけないから特別慎重にやる)を

判断、解釈したこと」。

もちろん私はカウンセリングなどで多くの方々の認知の変更をお手伝いすることはできましたが、あくまでお手伝い。その判断や解釈を元に戻すのは、ご自身になります。

アイシングやテーピングのような「処置」は残念ながら確立されていません。

手探りですが、我々の研究チームは「処置」に近いものまで確立できたらという目標を持って取り組んでいます。

イツ治る?イツ投げられる?の答えは残念ながら外の人は持ち合わせておりません。もし尋ねるのであれば、正しい回答はまさにご自身の中にあります。答え探しのお手伝いはできますので、お困りの方はお気軽に。

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