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犬のレプトスピラ症について考える

我が家の大型犬は、ドッグラン・山・川・湖・海に行くことがある。
恐ろしいレプトスピラ症。ワクチン打っているからと大丈夫ではない。
大雨や台風など水害後は特に注意が必要だ。

レプトスピラ症とは?
ワイル病、秋やみなどに代表されるレプトスピラ症(leptospirosis)は、病原性レプトスピラ感染に起因する人獣共通の細菌(スピロ ヘータ)感染症である。病原性レプトスピラは保菌動物(ドブネズミなど)の腎臓に保菌され、尿中に排出される。ヒトは、保菌動物の尿で汚染された水や土壌 から経皮的あるいは経口的に感染する。1999 年4 月に施行された感染症法では、レプトスピラ症は届け出疾患に含まれていない(註:2003年11月施行の感染症法一部改正により、4類感染症となった)。

NID国立感染症研究所より
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/531-leptospirosis.html

沖縄獣医師会より注意喚起(2023年度)

台風6 号通過後のレプトスピラ感染症の注意

沖縄県は、年間を通して高温多湿であるため、そのような環境を好む細菌による感染症が、他地域と比べて多く発生します。
代表的なものは、消毒されていない真水(水たまり、河川、池、田んぼなど)に触れることにより感染する『レプトスピラ感染症』です。
本感染症は、ヒトを含む様々な哺乳類で発生しますが、中でも『イヌ』は、この細菌にとても弱く、感染すると高率に死亡します。
病気の特徴と、感染を防ぐ方法をご案内しますので、県内にお住まいの方は、ぜひ参考にしてください。
また、ご旅行中の方や県外から越されてきた方が飼われているワンちゃんに関しては、地域によっては、後述する、レプトスピラ感染症の対策となるワクチンを接種されていないことがありますので、ご不明な点がございましたら、最寄りの動物病院まで、ご相談ください。

【特徴】
① 主にネズミが保菌しており、その尿や糞便の中に、本菌が排泄される。
② それらが環境中の真水に混ざりこみ、一定の温度(生温い程度)の元で増殖する。
③ 汚染された水を『飲む』だけでなく、足の裏などの『皮膚が水に触れる』ことで感染す
る(水たまりに足を踏み入れる、川で遊ぶなど)。
④ 本菌は、皮膚から侵入した後、体内に深く入り込み、肝臓や腎臓などで増殖し、特にイ
ヌでは重症化して様々な症状を呈し、高率に死亡する。
⑤ 高温多湿を好む細菌であるため、県内では台風が到来する時期(5月〜10月ごろ)に
発生することが多い。
⑥ 一般のご家庭で使われている飲用水は、消毒されているため感染しないが、消毒されて
いない農業用水等からの感染は報告されているため、注意が必要。
⑦ 大型犬は、重症化しやすい傾向が強い。

【対策】
① レプトスピラ感染症のワクチン(混合ワクチンの中に含まれていることがあるが、入っていないものもあるため注意が必要。基本的には『7種』以上のものに含まれている)を接種する。
② ただし、本菌はタイプがたくさん(世界では 300 種類ほど、県内でも 30〜40 種類ほど)あり、それらのタイプが一致しないとワクチンの効果が発揮されない。すべてのタイプに効果があるワクチンは作られていないので、ワクチンを接種しているから安全とは言い切れない。
③ 基本的には、リスクの高い季節には、雨天の中、もしくは雨上がりで水たまりなどが多い中でのお散歩は、控えるべき。
④ 小型犬など、室内で排泄可能な場合は、悪天候の中でのお散歩は避け、室内で排泄を。
⑤ 外でのみ排泄をするイヌの場合は、悪天候時には遠出は極力避け、最寄りの場所で排泄を済ませて早めに帰宅する。
⑥ 猟犬等のリスクが高い環境下で活動するイヌは、感染機会が多いため、最寄りの動物病院に相談し、ワクチンのタイミング等を検討してもらう。

※ヒトへの感染について
ヒトも同様の環境下で、真水に触れることにより、感染することがあります。ヒトにおいては、イヌのように重症化することは少ないですが、小さなお子さんや年配の方など、体力・免疫力が低いと考えられる方においては、入院に至る事例も県内では毎年発生しています。河川などで遊ぶ際には、十分にお気をつけください。尚、人においては、真水と接触する体の部位(足など)に傷があることで、感染しやすくなることが分かっています。
台風6号の発生に伴い、県内では被害が拡大し、河川が氾濫している地域も多く報告されています。可能な限り、ヒトもイヌも、汚染されている可能性のある水との接触は避けるようにしてください。もし、おうちのワンちゃんが、それらの水に触れてしまい、体調が悪そうな様子を見せている場合は、最寄りの動物病院までご相談ください。
沖縄県獣医師会 災害時動物救護対策チーム

https://www.okijyu.jp/entry-blog.php?eid=187621

  1. 犬の集まる場所によく行く

  2. 山や川などアウトドアに出かけることがある

  3. 田んぼ等が多い田舎道を散歩する

当てはまる犬はレプトスピラ対応のワクチン接種が望ましい。

黄疸・下痢嘔吐等の肝臓機能異常や腎臓機能異常の症状が出たら獣医師にレプトスピラの疑いを投げかけるのも覚えておきたい。
(抗生物質:ペニシリン、ドキシサイクリンの治療が基本となるので)

大阪獣医師会資料https://www.osakafuju.or.jp/knowledge/file/doc_saigai181012.pdf

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