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ノウハウコレクターになってない?学習効率と情報収集力を上げる方法

こんにちは。デイトラマーケティング責任者の初芝賢(@hatushiba_ken)です。

このnoteでは、デイトラのマーケティング責任者・初芝が、Twitterでは言えないようなディープな話をしていきます。

今回のテーマは、大きくこの2つです。
①独学の学習効率を10倍アップさせる方法
②情報の取捨選択を迅速に行えるようになる方法

これはライターだけでなく、多くのWeb系フリーランスにとって有益な内容ですので、ぜひ最後まで読んでくださいね。

※このnoteはながれのほとりさん(@nagare0712)に初芝ラジオを文章化してもらったものになります。音源も聴きたいという人はこちらも併せてどうぞ。

1. ノウハウコレクターになっていませんか?

さっそくですが、僕からの質問です。
「みなさん、ノウハウコレクターになっていませんか?」

ノウハウコレクターとは、ノウハウを集めることばかりに集中してしまう人のことです。これを聞いてギクッとした人も結構いるんじゃないでしょうか。

いま、世の中、特にTwitter上にはいろんなノウハウが溢れかえっていますよね。図解やnoteや、あるいはスクールの乱立など、様々なノウハウばかりが一杯になっている。そしてそういったノウハウって、あれもこれもすごく魅力的に見えるんですよね。

このような多様なノウハウを見ていると、どうしても目移りしてしまう。まだまだ自分の知らない方法があるんじゃないか、もっとよい方法が見つかるのではないかと、ノウハウ集めに躍起になってしまう。僕は、こういう人は結構多いのではないかと感じています。

僕自身も、昔まさにノウハウコレクターになったことがあるんです。いろんなノウハウ本ばかりが気になって、買うには買うけど、あまりそのノウハウを生かせていないという。これって、本当に泥沼にハマっていくんですよ。

気がついたら、本来使うためにあるノウハウが集めるためのものになってしまって。集めれば集めるほど、より新しいノウハウが欲しくなっていく。更に新たに手にしたノウハウの中で過去のノウハウが否定されていたりすると、「じゃあ、今持っているノウハウだって、これよりも更によいものがあるかもしれない」ってなっていくんですよね。

結論からいうと、この思考はあまりよくありません。

その例の一つとして、
「参考書をたくさん持っている人は、絶対に成績が上がらない」
という法則があります。受験業界では常識です。そういう人はいろんな参考書に目移りしたあげく、結局どれも適当にやってしまうため、全然学力が身に付かない。

逆に、名門校である灘では
「数学は1冊の参考書を7回解け」
と言われていると聞いたことがあります。つまり、何度も同じ問題を解くことによって、知識を身体化させるということですね。

これと同じで、本来「知識」というものは、自分の「技術」に転換させていかなければならないんです。ただ普通に本を読んでいるだけだと知識は単なる情報に終わり、技術にはなりません。さらにその情報ですら、時間の経過とともにどんどん忘れてしまいますから。

2. 「チートシート」による学習法とは

では、知識をいかに技術に変えていくか。僕がいろいろ考えた末に生み出したのが「チートシートによる学習法」です。

少しでも皆さんの参考になればいいなと思い、ここで改めて紹介させていただきます。

2.1 チートシートの作り方

「チートシートによる学習法」とは何であるかを一言でいうと、「知恵を身体化させるための工夫」です。

具体的には、本やセミナーなど、自分が学ぶべき対象に出会ったとき、そこから得られた内容を逆引きの形でA4用紙1枚にまとめるというものです。概要はシンプルにこれだけです。

この一番大事なポイントは「逆引きの形で」ということです。
具体的にいうと、ノウハウを「〇〇したいときには」という見出しでまとめるんですね。

例えば、文章を書くときでも、
「人目を引く見出しを作りたいとき」とか、
「お客さんにボタンをクリックしてもらいたいとき」
というように、具体的に使用する場面を見出しに置いて、その下に具体的なノウハウを書いていくやり方です。

この「具体的な使用場面を指定する」のが非常に大事ですね。どうしてかというと、いわゆる一般的なノウハウ本はそんな形になっていないものが多いからです。例えば「よい文章とは」といった感じで延々と文章が続いていたりして、読み物としては確かに読みやすいかもしれないけど辞書的に使うことができません

つまり、僕が提唱しているチートシートとは、ノウハウを辞書的に使えるようにするための自分のためのまとめです。

2.2 チートシートが知識の習得に有益な理由

では、なぜこんなチートシートを作るといいのでしょうか。

例えば英語の学習をするときは、辞書を何度も引くことでその単語の内容を覚えることができますよね。

同様に、自分が何か問題に当たった、例えば文章の見出しの作り方が分からないようなときに、見出しを作るためにはどんなノウハウがあるんだろうと調べ、その情報にアクセスします。

そして、アクセスした結果「こういう見出しのパターンがあるんだな」と覚えていきます。つまり、その情報に何度もアクセスすることによって、その知識がどんどん自分のものとして身に付いていくということですね。

さらに、ノウハウ通りに実際にやってみること、いわばノウハウという型に自分をはめることによって、その「知恵」がどんどん身体化していくんです。身体化というのは、自分の血や肉になっていくということですね。

これは、舞台やスポーツなどに従事した経験のある人なら、結構イメージがしやすいと思います。

僕は学生時代の4年間、ステージマジックという舞台演劇のようなものをやっていたんです。そこでは「守破離(しゅはり)」が一番大事だと言われました。

守破離において一番大事なのは、初めの「型を守る」という部分です。最初は型を徹底的に守り、それをマスターしてから、初めて自分のオリジナリティーを出す段階に移っていくというものですね。

この守破離を強制的に行うために、ノウハウを逆引きという形にして何度も繰り返して見返せるようにする。これがチートシートによる学習法です。この学習法は、神経生理学的にも効率がいいんです。

神経生理学では、人間が技術を身に付けていく段階を以下の3ステップに分けています。
①認知
②連合
③自立

1段階目の「認知」は、技術を理解している状態
2段階目の「連合」は、意識しながら技術を再現できる状態
3段階目の「自立」は、無意識に技術を実践できる状態
なんですね。

特に大事なのが2段階めの「連合」です。

意識しながら技術を再現できる状態。これは要するに、カンペを見ながらゆっくりやればできる状況。この状態を何回も繰り返すことによって、無意識のうちに技術が実践できる状態になるわけです。

例えば、野球のバッティングや、バスケのシュートでもいいんですが、最初はゆっくりとフォームを意識しながら、ちゃんとした型でバットを降ったり、シュートを打ったりしていくわけです。

それを繰り返すことで、段々と自分の頭の中で思考を言語化しなくてもできる状態になっていく。これが3段階目の自立、理想的な状態というわけです。

ですから、新しい技術を習得したり何かを学んだりするためには、いかにこの認知・連合・自立というステップをスムーズに進めるかが重要です。つまり、この3ステップを意識しながら技術を再現できる環境を作り、無意識でもできる状態に持っていくか。これが習得の方針になっていきます。

2.3 「ライター・初芝」を育てたチートシート

実際、僕自身もこれを実践することで、ライターとしてのレベルをすごく上げることができたんです。

先ほど僕は、大学時代にステージマジック、つまり演劇のようなものをやっていたと言いましたね。実はそれとは別で弁論部にも入っていました。この2つの活動が僕の大学生時代の大部分を占めていたといってもいいぐらいです。

弁論部のほうでは、ひたすら議論や研究発表を行っていました。そのため、論理的に考えたり話したりする技術や、他人の意見を構造的に把握したりする技術がかなり鍛えられたと思います。

しかし、文章力におけるいわゆる表現力については、師匠と呼べる人がいなかったんです。これは自分の中で非常に大きなコンプレックスでした。

だから僕はそのときに「師匠がいないのなら、本の中に師匠を見つけるしかない」と決意しました。そして、先ほどのチートシートを作り、自分の中で文章を書くということをひたすら言語化し、身体化していったという経緯があるんです。

そして、このチートシートによる徹底的な文章の言語化と身体化をやってから、他人から自分の文章を褒められる機会が増えました。実際に僕が初めて紙の書籍を出版したときも、担当の編集者さんにすごく文章を褒めていただき、嬉しかった思い出があります。あとは趣味でやってるブログがバズってSmartNewsなどのニュースサイトに掲載されることもたびたびありました。
こうした評価が得られるようになったのも、土台にはチートシートで独学した積み重ねがあるんですね。

僕としては、本当に文章力を上げたいのであれば自分の書いた文章を誰かに添削してもらうことが一番効率がいいし、これが最適だとは思っています。

しかし、そういう環境に恵まれない人であっても、こうやって効率的に本から自分の「型」を身に付けるということをすれば、一定のレベルまでは文章力を上げられるのではないかと思います。

このチートシートに興味を持ってくださった方は、僕のnoteのこちらの記事でさらに詳しく解説していますので、ご覧ください。無料です。


3. 本の情報を素早くまとめるには

ここまでは、文章の書き方を独学で学ぶのであれば「チートシート」の作成がオススメですよという話をしてきました。

ただ、この「チートシート」は作成時にコツが必要です。それは、本を読んだ後にどうやってノウハウ部分を引っ張ってくるか。つまり、本の情報を素早くまとめるという部分にちょっとした秘訣があるんですね。

では、ここからは、素早く情報をまとめるための具体的な方法をお教えしていきます。

3.1 読書をするときの必需品2つ

僕は基本的にマンガと小説は電子書籍で買いますが、ビジネス系と学術系、そして古典などの書籍は必ず紙で購入するようにしています。

なぜ紙の本にするかというと、以下の2つの理由からです。
①繰り返し読むことが前提になっているから
②本に書き込めるから

そして、僕が本を読むときはいつも2つの物を持っています。
青いペン…普通の水性ボールペン
②付箋…貼るところが透明になっているもの(貼っても文字が見える)

青いペンと付箋はいつでも持ち歩いており、本を読んでいて気になったところがあれば、まず青いペンでバーっと線を思い切り引いてから、コメントを書き込みます。そして、気になった箇所に付箋を貼るんですね。

「本に書き込むのは、ちょっと抵抗があるなあ」
という人もおられるかもしれませんが、1回やってしまえば慣れるのでぜひやってみてください。意外と楽しいですよ。

このように、自分の中で気になった箇所に青ペンで書き込んで付箋を貼っていくと、1冊の本を読み終わる頃には、内容の薄い本では5枚ぐらい、濃い本だと何十枚も付箋を貼ることになります。


何十枚というのは一見多く見えますが、1冊の本のページ数に比べれば圧倒的に少ないです。例えば300ページの本に30枚の付箋を貼ったら、十分の一になるわけですから。本を最初から順番に読むときには、このように青ペンと付箋をつけつつ読み進めます。

一方で、最初から読まないときでも、ピンポイントで読んで付箋を貼ります。そうすると、後から読み返すときに付箋が貼られた箇所を中心に読めばいいため、大分効率がよくなるんですね。

ところで以前Twitterで、本から情報を取得する方法についての質問を頂きました。

それは僕がこちらの初芝ラジオの中で、ワンランク上の情報の捌き方について、
「自分なら、ぺラいノウハウ本だったら1冊15分ぐらいで捌ける」
と話したことについてでした。

そこでの質問は、具体的には以下の2点です。
①1冊15分という短い時間で素早く情報を捌くのは難しい
②読んだ本の内容をチートシートとして1枚の紙にまとめるときに、情報の取捨選択をどのようにすればよいか迷うことがある

ここからは、僕が普段どういう本の読み方をしているかを紹介しつつ、この2つの質問についての回答を述べていきますね。

3.2 1冊15分で情報を捌くには

①どうやって素早く情報を捌くか
これは「本を全て読もうとしない」という点が大事です。小説や学術的な本の場合、普通は本の頭から読まなければいけません。話のストーリー展開や論理が分からなくなるので。

一方で、大体のビジネス本やノウハウ本は前から読まなくても話がわかります。だから、頭から全部読もうとするんじゃなくて、本当に辞書のように必要なところだけを拾うという読み方に意識をシフトしたほうがいいでしょう。要は必要な部分だけ読めたらいいんですから。

さらに突っ込んで言うと、本の1章、2章あたりは飛ばして読んでも問題ないことが多いです。

これは本を作る側からの視点なんですが、本は読者に買わせるために前書き部分でつかみがあったり、第1章でノウハウの重要性について説いたり、問題提起をしたりしているケースが非常に多いんです。

つまり、第1章で「なぜ〇〇が必要なのか」といった問題提起を行い、それを受けて第2章で「このノウハウがあることによって、どれぐらいよい事が起きたか」といった実例を語る。そして、肝心の本題は第3章から述べ始めるといったケースが非常に多いんです。

このように考えると、もちろん1章、2章も作者が気合を入れて書いてくれた箇所かもしれないけど、そこに具体的なノウハウは載っていないことがよくあるというわけです。

だから、ぼくはそういった1章、2章はすっ飛ばして読んじゃったりします。まずは本の目次を見て「どこから具体的な情報が始まるのか」をチェック。そして自分に関係ありそうなところだけをパパっと見ていくことが大事なんですね。

3.3 まとめるべき情報の取捨選択法

次に、
②情報の取捨選択をどのようにすればよいか
ですが、これはひとつ押さえておきたいポイントがあります。それは、情報の取捨選択に迷ったら、最近、実際に必要になった情報から引っ張っていくということです。

どういうことかというと、先ほども逆引きにして情報を何回も引くようにすることが大事という話をしましたよね。そして、チートシートを作ったら何回もその情報にアクセスしないと意味がないんです。1回だけとか、作っただけで満足なんていうのは論外です。

だから、「いつか使うかもしれない」という優先度が非常に低い情報ではなく、しょっちゅう使う可能性が高い情報を持っておくことが大事だということです。

そういう意味で、最近必要になった情報だけを取り入れるという視点は、本当に必要な情報を判断する基準として使えるのではないかと思っています。

これは、1993年にベストセラーとなった、経済学者である野口悠紀雄さんによって書かれた「『超』整理法」という本の中でも使われているメソッドです。

野口さんの本の中では、たくさんの書類をどうやって整理整頓するべきかという問題に対して、ひとつの答えを出しています。それが「書類を使ったら、それを一番前に置く」というもの。つまり、新しく使ったものからどんどん前に置くという非常にシンプルな方法を提唱しておられるんです。

それまでは、例えばカテゴリーごとに分類するとか、用途ごとに分けるなど、とにかく分類するのが最もメジャーな整理法でした。これに対し、一番よくアクセスする情報こそが最も重要度が高いということで、シンプルに参照頻度によって書類を並べ替える方法が提唱されたんです。

野口さんのこの整理法は、パラダイムシフトというか、それまでの定説をひっくり返す説として話題になりました。

野口式整理法は読んだ本からノウハウを引っぱってくるときにも使えます。つまり、「自分がよく使う頻度が高い情報ほど価値が高い情報である。だから、そういったよく使う情報をチートシートにまとめる」という意識でよいということです。

ただ、こういう話をすると、ちょっと抵抗感を感じる方もおられるかもしれませんね。
「せっかく本を買ったのに、全部読まないの?」
「やっぱり本は最初からしっかり読むべきじゃないのか?」
など。

でも、僕はまずここの「本は最初から全部読むべきだ」というマインドブロックを外すことがとても大事だと思っています。1冊の本を頭から全部読もうとすると、結果的にとても時間がかかるし、そこには自分にとって必要がない情報もたくさんあるはずなので。

ですから、本は読むものではなくて、辞書のように引いて使うものだというふうに認識をシフトしたほうが、効率的なノウハウ集めには生かせると思います。

ただ、これはあくまでノウハウ本やビジネス書に限った本の読み方です。小説や学術書など、他の本には当てはまりませんのでご注意ください。

4. デイトラ生に見る成功の秘訣とは

ぼくはデイトラというオンラインスクールを運営しており、これまでにもたくさんの生徒さんを見てきました。そこで気づいたのが、「学習法を決めたら迷わない」と決めている人ほど順調に成果を出すということです。

逆に、もっといい学習方法やノウハウがあるかもしれないといってフラフラしている人は、3か月経ってもずうっとノウハウを探しているんですよね。

同じ3か月という時間で、片方の人はもうカリキュラムを終えてスキルを身に付け、更に次のステップに進んでいる。しかし、もっといい方法があるんじゃないかと迷っている人は、3か月経ってもそのままであるどころか、永遠にノウハウを探し続けてしまうんです。

あえて厳しい言い方をするなら、そういう人は自分の技術が身に付かない原因を、自分が行動していないからではなくノウハウのせいにしようとしている。このような一種の心理的な防衛本能が働いているんじゃないかなと思います。

もちろん、人間だからやむを得ない部分はあるでしょうが、人間にはこのような防衛本能が働きやすいということを十分自覚した上で、早くノウハウを1つに絞って実践するステップに移るべきでしょう。

まとめ

今回は、
・スキルを効率的に身に付けるためのチートシートを使った学習法
・情報を素早く効率的に整理する方法
について述べました。

最後、簡単にまとめると
・今の世の中は情報過多なのでノウハウコレクターになりがちだが、それはあまりよいことではない

さらに、
・ノウハウはどんどん使っていかなくては意味がない
・知恵を身体化させるためにも、情報を自分が使いやすい「逆引き」という形、つまりチートシートにまとめていくことが大事

・技術が必要になったら、自分が制作したチートシートを見つつ実際に手を動かすことによって、認知・連合・自立という、
①技術を理解している状態
②意識したら、技術を再現できる状態
③無意識に技術を実践できる状態 
この①~③のステップを進めていくのが、技術を身に付ける基本

さらに、適切な情報の取捨選択のコツとしては、
・本を頭から読もうとするのではなく、まずは目次を見ながら情報を拾う
・取捨選択に迷ったら、最近必要になった情報、自分にとってのアクセス頻度の高い情報を選ぶとよい

というお話でした。

今回はここまでです。

もし、質問や感想などがありましたら、コメントや、僕のTwitter(@hatushiba_ken)にメンションを付けてつぶやいていただけると、見落としがないので助かります。質問や感想もお待ちしています。

また、stand.fmの初芝ラジオではいつもこんな感じの話をしています。

「初芝ラジオでこういう話をしてほしい」という要望がありましたら、ぜひぜひ、リクエストしてください。

今回もお読みくださり、ありがとうございました!



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