ライターがスキルを活かしてマネタイズする三つの"風変わりな"方法

先日、こんなツイートをしました。

これが思いのほか伸びたので、この記事で「ライターがライティングスキルを活かしてマネタイズする方法」を三つ紹介します。

ここで紹介する方法はアフィリエイトでもブログでもnoteでもないです。
僕が試行錯誤しながら編み出した方法や、実践してみて稼げるとわかった方法を解説しています。そのためめっちゃリアルで他では聞けない話になるかと思います。

ぶっちゃけた話、僕の飯のタネにもなっているから公では語ってこなかった内容です。でも僕はライターというより東京フリーランスを大きくすることにこれからコミットしていくし、ライターさんからのニーズが多いことがわかったので公開を決意しました。
とはいえ内容が内容なため有料設定をしています。一ネタ300円、三つで900円と理解してください。もし読んで満足いかなかった場合は返金して頂いても結構です。内容には自信があります。(※2022/1/21:ここに書いている内容も広まってきたので無料化しました

ただ下品なセールスライティングはしたくないので正直に言いますが、誰でも簡単にできるようなノウハウではありません。「言われたことを書くので精一杯」という人には向いていません。駆け出しの方は購入を控えた方が無難かもしれません。

僕がこのnoteで書いている方法は、「ライターのスキルは文章を書くだけではない。もっと価値を生み出せる能力がある」という考えのもと、その能力をフル活用して新しい稼ぎ方、事業を生み出すというものです。

「経験はあるけど最近伸び悩んでいる…」
「SEOライターしかやってないけど、もっと幅を広げないとこれから不安…」

という人には大きなヒントになるかと思います。

それでは早速解説していきます!


①企業の広報ライターになる

これはあまり知られていないのですが、企業の広報ライター案件というものがちょくちょくあります。広報ライターとは便宜的に命名しましたが、企業のブランディングに関する文章全般を書く人です。

例えば企業理念に関する文章、社長からのメッセージ文章、プレスリリース文章などなど。ブランディングに直結する文章全般ですね。

この手の仕事は企業からしたら絶対に失敗できない文章です。安ければ誰でもいい、というわけにはいきません。「ちょっとくらい高くてもいいから良いライターさんを紹介して欲しい」というニーズが生まれているのです。
僕も「初芝さん書いてもらえないですか?それかいい人紹介してください!」とよく声をかけられるようになりました。

このニーズが伸びている理由の一つにnoteの普及があります。noteによって企業が気軽にメッセージを発信できるようになったことで、noteでのブランディング記事を求める人も増えているんですね。
こういった案件はTwitterやクラウドソーシングには出てくる類のものではないので、あまり実感を持つ人は少ないかもしれません。でもリファラル(人づての紹介)では確実に増えています。

気になる単価ですが、正直それは交渉次第で人によります。
でも一例で出すと、僕が受注したものだと2000字の企業紹介記事で2万円(文字単価10円)のや、2000字程度のプレスリリース記事で3.5万円(文字単価17.5円)といったものがあります。
こういった案件は文字単価ではなく記事単価で交渉することが多いので比較的高単価になりがちです。

これ系の案件は基本的に経営者からの直発注になります。
こう言うと「どうやって繋がりを作ればいいの?」と思う方がいるかもしれません。
そんな人にはFacebookがおすすめです。
Facebookで自分が書いた記事や記事へのこだわりについて投稿し、ライターとして活動していることを発信します。要するに、「自分は何ができて、どんな実績があるか」の発信をするのです。

Facebookで社会人の知り合いが誰もいないというなら難しいですが、外に出て名刺交換をすることが多い人ならそれなりに知り合いはできているはずです。彼らに「企業の広報記事を書けるライター」として認知されれば紹介される確率はグッと上がります。結構色んな場所で話していますが、「コミュニティにおけるニッチポジション」を取れればめちゃくちゃ強いです。やっておいて損はありません。

「企業広報となる記事を書いたことがない!」という人は、インタビュー記事を実績として使うことをおすすめします。インタビューには相手の強みを理解する分析力、面白い話を引き出す質問力、読者にとって魅力的な記事にする構成力など、さまざまな能力が必要です。
なので「自分が記事を作るときはこういうところに力を入れて書いている」ということをアピールできれば、信頼獲得のチャンスになります。作成物+作成過程でブランディングをするということですね。僕もよく口頭で記事へのこだわりやノウハウを話しますが、それが信用に繋がることがよくあります。

企業広報の仕事はその企業の魅力を引き出すことになるのでとてもやりがいのある仕事です。興味ある方はぜひチャレンジしてください!

②電子書籍を出版する

「え?いまさら電子書籍の出版?」と思った人は副業業界に結構長くいる人かなと思います。
ここでは「電子書籍、案外イケてるよ!」というお話をします。

今から10年前に『電子書籍の衝撃』という本が出版され、出版業界は「大電子書籍ブームが来る!」と大騒ぎでした。その折に出てきたのがAmazonを初めとしたセルフパブリッシングです。
通常本を出したいと思ったら出版社に企画を通し、何万、何十万字を書き、編集や構成に何度も直されながらようやく出版。それでいて印税は8%程度。
それに対してAmazonのKDP(Kindle Direct Publishing=Kindle自己出版)なら印税70%で誰でも出せる。これは「出版の革命だ!」と大騒ぎしていました。そして電子書籍で副業しよう系の本がたくさん世に出回りました。

ところが現在、電子書籍副業系の本はめっきり出なくなりました。僕は電子書籍出版の特化ブログをやっていて主要キーワードで上位をたくさん取っていましたが、その実感としても電子書籍出版はブームが去ったという認識です。

何故、電子書籍はそれほど人気が出なかったか。
僕が思うに、人を引き付ける文章をたくさん書ける人はアフィリエイトの方が効率が良かったからです。
数年前のアフィリエイトブームの時には月に数十万、数百万を稼ぐ人も珍しくありませんでした。そんな人々にとって、一冊300円で売って手数料30%を持っていかれるKDPなんて効率が悪いものでしかありません。一冊作るのに手間暇もかかりますしね。
また、アフィリエイトは煽ることでASPやサーバーアフィリエイトへ繋げたり、infotop系の情報商材で利益を得ることができました。だからどんどんアフィリエイト参戦を促すことへのインセンティブがあったのですが、KDPにそういったものはありません。その点でもKDPがアフィリエイトに比べて流行らなかった理由があります。

さらに最近では強力なライバルであるnoteも現れました。
noteの価格設定は革命的です。KDPは商業出版されている本と比較されるため、せいぜい500円くらいが関の山です。1000円なんかつけた日には「プロが丹精込めて作った本が数百円で変えるのに、素人がそれより少ない分量で1000円とか舐めてんのか!」と買ってもらえません。下手すればレビュー低評価がつきます。
でも、noteは500円だと"安い"。数千円でも珍しくありません。
さらにレビュー機能もないからクオリティが低い記事でも出しやすい。
おまけに手数料は10%。
これだけの条件が整ったらnoteを使わない理由がありません。
僕も現在フォロワー数が多くて権威性も獲得できている人ならnoteをおすすめします。

さて、前置きが長くなりました。ここまで説明したのはアフィリエイトにもnoteにもない電子書籍の特徴を理解してもらいたいからです。
アフィリエイトやnoteに大きなメリットがある中、それでも「電子書籍意外といいよ」と言う理由を説明していきます。

VS アフィリエイト~ASPにもアプデにも影響されない~

アフィリエイトは月数百万円稼ぐ爆発力があります。ただその分ASP側による非承認、広告主による撤退、Googleアップデートなどのリスクを抱えています。特に最近は大手企業の参入や、権威性重視のGoogleアップデートによって個人ブロガーやアフィリエイターが大きな痛手を負っていることはご存知かと思います。

最近では転職アフィの稼ぎ頭、ビズリーチが緊急配信停止したことで話題になりました。

アフィリエイトはハイリスクハイリターンで、プレイヤーも増えたため初心者が参入するのはとても難しい領域と言えるでしょう。

一方で電子書籍はAmazonというプラットフォームに乗っかっているので無風です。過去にどれだけ本を出したかにも影響されることなく、出したその日から売れるチャンスがあります。
外部要因からの影響が小さく、額は小さくとも安定して販売し続けられるのが電子書籍の強みです。

VS note ~影響力がない人でも売れる!~

あなたが既にインフルエンサーなら電子書籍よりもnoteの方が効率が良いでしょう。
けれどそうでないなら電子書籍はチャンスです。影響力がなくとも良い作品がを作れれば自然と売れるからです。
実際に僕が初めて電子書籍を出したのは2016年で、そのときはTwitterの影響力もゼロでした。でも読んだ人のレビューが溜まっていきランキング上位をキープするようになるにつれて売れ行きが拡大していきました。
影響力がなくてもプラットフォームの力を借りて多くの人に読んでもらえる。これがnoteに対する電子書籍の優位性です。

電子書籍はどれくらい稼げる?~1冊で100万円超え~

売上公開的なのはあまり好きじゃないのですが、せっかく有料で買って頂いてるので僕が出した本『歌舞伎町ホストがこっそり教える「もっと話したい!」と思われる人になる最強のフレーズ厳選20選!! 』の売上を参考として公開しようと思います。
この本の2016年1月から2020年3月までの売上の合計は110万円でした。売上は時期にもよりますが、毎月2~5万円くらいで安定しています。
以下は調子がよかったときの売上です。

KDP売上

この本は2万字弱です。もちろん気合を入れて作った結果ではありますが、たったそれだけの文字数でこれだけの収入になると思うと魅力的に思えてきませんか?

これはあまり知られていないのですが、実はAmazonから出すKDPは本が売れなくてもお金が入ってくる仕組みになっています。AmazonのKDPセレクトというのに登録すると自分の本がKindleアンリミテッドというKindleの読み放題サービスの読み放題対象になるのですが、それで読まれたページ数に応じて収益が分配されるのです。極端な話、一冊も売れなくても読まれさえすれば収益が入ってくるのです。僕の収益も結構な割合はこの分配金が占めています。
AmazonはKindleアンリミテッドのユーザーを増やすためにアフィリエイトや広告、期間限定セールをやっていますし、今後もまだまだ伸びしろがあると思います。

強いブログがない人でも、インフルエンサーでない人でも、企画力と文章力で稼ぐことができる。
それが電子書籍の最大の魅力であり、楽しみです。
(シンプルに自分の作品を出すって楽しいですよ!)

③ゴーストライターをする

これは今後も増えていくと思うのですが、ゴーストライターは結構アツいです。安定収入になったり、大きなストック資産になるチャンスがあるからです。
ゴーストライターとしての稼ぎ方には大きく二種類あります。以下にそれぞれ説明していきます。

パターン①インフルエンサーのお抱えゴーストライターになる

インフルエンサーの人って自分の影響力をどんどん資産化したいと考えている人が多いです。自分の思想や話術で売っている人なので、それをストック化させたり、自分を知らない人に届けたりすることを望んでいるからです。

古くから有名人がお抱えの編集部を持つことは珍しくありません。ホリエモンはメルマガを作る編集部を持っていますし、彼の著作がゴーストライターによって書かれていたことが暴露されたこともあります。キングコング西野さんやオタキング岡田斗司夫さんも自分の影響力を拡大するためにコンテンツを色んな媒体に載せる試みをしています。

思想を発信する⇨色んな媒体に拡散する⇨影響力を集める⇨さらに思想を発信する

というのがインフルエンサーの勝ちパターンであり影響力のインフレスパイラルです。このスパイラルの過程において、「コンテンツを多媒体に載せる」ことに力を入れるのが彼らにとって一番レバレッジが効くのです。

けれど文章を書くのは時間がかかりますし能力が必要です。だからこそニーズがあるのです。
インフルエンサーはお金があり・発注数が多い上客です。そのため彼らのお抱えゴーストライターになれたら安定して稼ぐことができるでしょう。

この路線でとても良いロールモデルになるのはふじいさんです。

ふじいさんは東フリのライターもしてくださっているのですが、クライアントの意図を汲み取って文章を書くのが得意な方です。
そんなふじいさんは人生逃げ切りサロンのオーナーやまもとりゅうけんさんのゴーストライターをしています。

ふじいさんの場合はサロンに入り、リアルな場で関係構築していくことでゴーストライターになっていったそうです。これは再現性が高い方法でしょう。
ふじいさんは普段から有益な情報を発信されているのでフォローをおすすめします!

パターン②レベニューシェアでの企画提案をする

僕もゴーストライターをよくしているのですが、僕の場合はこっちのパターンです。これをやっている人はなかなかいないと思います(少なくとも僕は見たことがありません。)。
面白いネタを持っている人に「こういう企画でコンテンツを出させてください!費用はいらないので利益を分け合いましょう(レベニューシェア)!」と提案をするという方法です。
世の中には面白いネタを抱えているけどに世に出していない人がたくさんいます。ネットを見ていると「希少なネタを持っている人は既にそれで商売している」と思うかもしれませんが、全くそんなことはありません。お宝のようなネタはリアルに転がっています。

実は先ほど紹介した僕の電子書籍も友人に企画を持ち込み、話を引き出して出版したものです。彼には別に利益を提供し、それとのバーター(交換)という形で出版する権利をもらいました。
さらに、電子書籍での販売実績を元に企画を練り直して出版社に持ち込み、所業出版にも成功しました。

このように、ネタがない人は面白いネタを持っている人に「ネタを売ってください!」「売上を折半しましょう!」などと交渉することでコンテンツを作れます。電子書籍を用いればコンテンツ販売も容易です。

…と、ここで終わっても良いのですが、さらにおすすめの方法があります。
それはインフルエンサーにレベニューシェアでのコンテンツ企画の提案をすることです。僕が最近やっている方法です。

「面白いネタ」をコンテンツにするだけだと当たるも八卦当たらぬも八卦になってしまいます。自分がどれだけイケてると思っても滑る可能性をはらんでいます。

でもインフルエンサーなら売上の期待値はかなり上がります。ファンと販路がある状態ですからね。
特に狙い目は影響力とネタは持ってるけど文章を書くのが苦手な人です。

インフルエンサーの影響力×自分の企画力・文章力

で収益をあげるのです。
実際に僕が取った方法は、「執筆量はいらないから、売上の30%をください」という条件である人のnoteを書いたことがあります。30分ほど話を引き出してそれをnote化したのですが、それは四日で10万円の売上となってお互いにWin-Winの関係を築けました。

またあるインフルエンサーの人に「自分が本の企画書を作って出版社に持っていきます。通ったら文章も書くので出版出来たら印税の30%をください。もし通らなかったら費用は一円もいりません」と提案したこともあります。
その本は実際に企画が通って原稿も完成しているので、今年の五月に某大手出版社から販売予定です。

このやり方のいいところはインフルエンサー側にとって痛みがない提案なんですね。成功報酬なので「当たればラッキー」感覚で受けてもらいやすいんです。
ただ、その代わり自分がちゃんと商品になる文章を書けることを示す必要はあります。こればっかりは実績を積む必要があるので、最初は条件が悪くても実績作りをすることに注力するとよいでしょう。

腕のいいゴーストライターは売れる商品のプロデューサーになります。そうなれば引っ張りだこなので、”プロゴーストライター”としてブランディングするのはこれからとても有効な戦略だと思います。
僕がライターとしてやっていくなら取ろうと思っていたポジションですが、東フリにコミットしていくのでしばらくはいらなくなりました。なので興味ある人は実績を積んでこのポジションを取りに行くのはかなり美味しいと思います。(正直これはあまり話したくなかったネタです…。書くかめっちゃ迷いました)

おわりに:ライターの価値を再定義しよう!

このnoteの冒頭で
「ライターのスキルは文章を書くだけではない。もっと価値を生み出せる能力がある」
と書きました。これはもっと踏み込むなら、「対象の価値にレバレッジをかける力がある」ということです。
紹介した三つの方法で説明するなら、

①企業の広報ライター
⇨傾聴力・分析力・構成力を使って企業の魅力を引き出す
②電子書籍
⇨企画力・マーケティング能力を使って新しい商品を生み出す
③インフルエンサーのゴーストライター
⇨引き出し力・企画力を使って新しい商品を生み出すorその人の魅力を引き出す

といった具合です。
実のところ、僕自身も情報を引き出す力・言語化能力・企画力を武器にライターをしています。専門性や文章力は自分の本質的な強みとは思っていません。

最近はライターが不人気になっているように感じます。一時は副業の花形だったのが、「ライターは稼げないからプログラミングや動画編集をやろう」という人が増えてきているのです。これは実際にライターさん達からヒアリングしていてひしひしと感じています。

たしかにライターは他の仕事に比べて単価が低いかもしれません。それは事実です。
でも、ライターの仕事が価値がないとも、ライターの能力に価値がないとも僕は全く思いません。むしろそのクリエイティブな能力を発揮すればいくらでも輝けるチャンスはあります。クリエイティブであるが故にロードマップがなく、誰でも簡単にできるものでないためチャンスが見えなくなっているだけです。

ライターを「単なる下請け仕事」と自分で卑下していたら、見えるものも見えなくなります。もっと価値を生める仕事のはずです。僕はそう本気で信じています。

このnoteが読んだ方の良い転機となることを心から願っています。

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