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初芝イチオシの次に来る仕事"eBook職人"とは?そのアツさを解説

こんにちは。デイトラのマーケティング責任者の初芝賢(@hatushiba_ken)です。

このnoteでは、デイトラのマーケティング責任者・初芝が、Twitterでは言えないようなディープな話をしていきます。

今回のテーマは、次に来る仕事としての「ebook職人が来るよ」というお話です。これはかなり重要で、役に立つ話だと自分でも思うんです。

どうして僕が、いまこの仕事がアツいと考えており、今後需要が増えると思っているのか。

その背景が理解できれば、たとえ直接「ebook職人」の仕事をしない人でも、今後いろんなことに生かせるんじゃないかなと思います。

※このnoteはながれのほとりさん(@nagare0712)に初芝ラジオを文章化してもらったものになります。僕の声で直接、ebookへの熱い想いを聴きたいという人は「初芝イチオシの次に来る仕事"eBook職人"とは?そのアツさを解説」も併せてどうぞ。

1.eBook職人が来るよ


今回「 eBook職人が来るよ」について触れようと思ったのは、僕のとあるTwitter上での発言が発端です。

「eブック職人は需要があるし、僕がゼロからライターをやるなら絶対狙うだろう。やる優先順位が非常に高い仕事だ」という内容のことをつぶやいたんです。


そうしたら、思いのほか反応が大きくて、リプライをいただいたり、DMでも何件かこれについての質問もいただいたりしました。

だから、今回ここで詳しく説明していこうかなと思います。

2.eBookとは何か 

まず、「eBookとは何か」についてお話します。

eBookとは、一言で言うならPDFですね。例えばフリーランス向けの商材だったら、「フリーランスのなり方」といった、そのテーマに興味を持っている人へ向けて体系的に説明する、大体数十枚程度のPDFをeBookといいます。

これはAmazonのkindleや楽天のkobo、ああいった電子書籍とは違い、インターネット上で無料配布するために使われるものです。

3.eBookは何のために使われるものか

じゃあ、このebookは何のために使われるものなのか。

それには大きく2つの目的があって、 
①リード獲得
②ナーチャリング
になります。

3.1 リード獲得

1つ目の「リード獲得」とは。

これがメインの目的になってくるんですが、eBookは大体ホームページなどに設置されていることが多いんですね。マーケティング系のメディアを見たことがある人だったらよく分かると思うんですけど、「広告運用のテクニックを50個載せたPDFを無料配布しています」とか、あとは「海外のECでの事例をまとめたレポートがあります」とか。

そういう有益な情報をまとめたPDFを用意しておいて、
「この資料が欲しかったら、こちらのフォームにあなたの情報を入力してください」
とリードするんですね。フォームに名前や電話番号、メールアドレス、あとは会社の役職などを書く欄があって。そうやって、その分野に興味のある人を集めて、そこで収集した電話番号やメールアドレスなどに営業をかける。こういうふうに使われるものなんです。

これらはリード獲得のため、要するに「この資料=ebookをあげるから、ここに登録してください」というふうに使うのがメインの目的です。

3.2 ナーチャリング

もう一つが、「ナーチャリング」になります。

ナーチャリングとは、「顧客の教育」を表す言葉です。

マーケティングにあまり詳しくない人は御存じない単語になってしまうかもしれないんですが、大体、toBで使われることが多いんです。

ついでに言っておくと、リードとは「見込み顧客」のことです。

これはtoB業界で言われることが多いですね。

一方、情報商材系というか、toCのDRMをやっている人は「リスト」という言い方をする傾向がありますね。両方とも大体同じ意味なんですけど、業界によって呼び方が違っています。まあ「リード」と言ったり「リスト」と言ったりしますが、どちらも意味は変わらないですね。

ちょっと余談になりましたが、要するにナーチャリングは顧客の教育のことです。

もし、webサイトの改善をやっているマーケティング会社があるとしたら、お客さんに「webサイトの改善をしなくちゃ」と思わせないといけないんですね。

だから、「webサイトの改善はすごく重要なことで、これをやらないといくら広告費をつぎ込んでもうまくいかない。まさにお金を垂れ流しているようなもんですよ」とか。逆に、「改善がうまくいったら、これだけ売上に影響してきますよ」など。

こうして、お客さんに問題意識を持ってもらったり、自分のコンテンツ、自分自身への信頼性をも持ってもらったりする。

「こんなノウハウを持っているのなら、この人はすごいんだろうなあ」
とか、
「この会社もすごいんだろうなあ」
と思ってもらうということですね。

ナーチャリングとは、そうやって顧客の態度変容を促していくことです。

お客さんを「へえー」という段階から、「おっ、興味ある」とか、「これ、欲しい!」という段階にシフトさせるためにも、eBookの存在は非常に有効になるんです。

つまりこのeBookの目的は、リード獲得とナーチャリング。見込み顧客の獲得と、顧客の教育のために使われるPDFだと思ってください。

これがeBookの基本的な説明になります。

4.なぜeBookが来るのか

では本題の「なぜebookが来るのか」という話をしていきます。

これについては、単に「コロナの影響でweb集客の重要性が上がっているから」だけで終わらせるのではなくて、さらにその一歩先についても説明していきます。

ちょっと踏み込んだ話になるので、難しいと感じる人もいるかもしれないですが、なるべくかみ砕いて説明していきますね。

なぜebookが来るのか。2つの視点から説明します。

4.1 インフルエンサーとLINEの間をつなぐものがない 

インフルエンサーがどんどん出てきて、Lステップがすごく流行っている。それにもかかわらず、両者の間をつなぐものがない。

これが1つ目の理由になります。

いま、インフルエンサーがどんどん出てきていますよね。ここでのインフルエンサーとは、Twitterに限らず、YouTubeやInstagram、TikTokなど、いろんなところで見込み顧客の集客が終わっている人、見込み顧客の中でも「なんとなくこの人面白い、ウォッチしてみよう」というお客さんの集客が終わっている状況にある人ですそういう見込み顧客のリストを持っている人が、いま非常に増えているわけです。

また一方で、そういうリストを持っている人たちが効率的に物を売っていく手段として、Lステップが非常に流行っているという現状があります。

Lステップとは、LINEを使ったステップメールのような感じで、お客さんのナーチャリングをしていくもの。

さっきのweb解析の例で言うなら、1日目に「webサイトの改善をしないと、こんな点で困りますよ」とか、「改善するため、こういうことをしていきましょう」といったことをステップを踏んで教えていきながら、顧客の教育、ナーチャリングをしていくことです。

そうしたLステップの舞台裏、つまり、お客さんを捕まえてから直接教育する段階、やりとりをして直接メッセージを送ったりできる段階になったときのノウハウが、いま非常に発達してきたという感じなんです。

一言で言うなら、最近はLステップの構築が非常に高度になってきているということですね。リストを獲得さえしてしまえば、どうやったらお客さんを教育して、ものを買ってもらえるか。そこのテクニックが非常に進歩してきている。この1年で非常にノウハウが進歩してきているという実感があります。

ノウハウが進歩するとどうなるか。今は、インフルエンサーはターゲットが欲しがるような商品さえ作れていれば、LINEに誘導するだけで商品が売れるという状況になっているんですね。

こういう実態があるから、いま、Lステップが結構バブル状態になっているんですよ。

じゃあ、そういう状況になったときに、自分の商品を持っていて、自分の商品をLINEで売りたいと思っているインフルエンサーたちは、どこにボトルネックがあるかを考えてみましょう。

それは、ちょうどその2つのメディアの間なんです。言ってしまえば、TwitterのフォロワーをLINEにつなげる、あるいはYouTubeで集めたお客さん、チャンネル登録者数をLINEに流し込むみたいな。そこのステップが非常に重要になってきている。だけど、誰もがここのノウハウを持っているワケじゃないということになるんです。

ここで出てくるものがebookなんですね。

僕はさっき広義の意味で「ebook」と言っているんですが、これは別に動画とかでも何でもよくて。要するにフォロワーさんを別のクローズドなスペース、LINEやメールなどに誘導するためのコンテンツをつくれる人。これが非常に重要になっているという話です。

この間のステップがないと、いくらフォロワーを持っていても、その人たちが全員LINEに登録するかといわれると、「そこまでじゃないよね」とか、「LINEに登録したいとは思わないよね」とかいうことになってしまうわけです。

でも、そこで登録してくれた人に対して「〇〇について解説した動画を配ります」とか、「〇〇について徹底解説したPDFを配ります」といった、すごく魅力的なコンテンツがあったとしたら。

このつなぎ込みに必要な資料であったり、コンテンツといったものは絶対に必要になってきます。つまり、「LINEを使ってビジネスをやりたい」「LINEでセールスをしていきたい」と思っているインフルエンサーが増えれば増えるほど、ここの仕事が増えていきますよということがひとつ言えるんですね。

これは別にインフルエンサーに限ったことじゃなくて、法人でも同じです。法人でも、クローズドなメールとかLINEなどにつなぎ込もうという戦略を取るところが増えれば増えるほど、ここの間、つまりリード獲得につながるようなebookの需要が増えていく。

これがebookが来る2つ目の理由となります。

4.2 ニッチ事業の勃興 

2つ目は、ノウハウはあるけど、体制が整っていないニッチ事業が勃興しているからという話です。

いま、世の中にはどんどんニッチな新規事業が出てきています。ニッチ向けとは、特定のターゲットにだけ刺さる商品ですね。例えば、すごくふくよかな人向けの洋服専門店ってあるじゃないですか。

ああいうものだとか、最近だとそれこそクラウドファンディングサイトの「キャンプファイヤー(CAMPFIRE)」だったり、「マクアケ(Makuake)」だったり。ああいうものを見ると、かなりニッチ層向けの商品が世に出てきているんだなあと感じます。

今、どんどん人々の趣味が多様化してきています。しかもネットで物を売ることがすごく簡単になっているし、開発といったもののハードルも下がっている。結果として、どんどんニッチな商品やサービスが出てきているわけです。

こうしたニッチな新規事業やニッチな会社がバンバン世の中に出てきたということは、まだそこには集客の体制が整っていない会社がいっぱい存在するわけですよね。

これが10年、20年の歴史がある老舗企業だったら、「オウンドメディアがあります」「メルマガ、SNS、YouTubeがあります」といった感じで、完全に集客体制が組み上がっているかもしれません。

でも、そうじゃなくって、PMF(プロダクトマーケットフィット)まで言うと大げさかもしれないですけど、一部の層に絶対需要があると分かっている商品を作ったばかりの会社。こうしたところは、まだリード獲得のできる体制が整っていない状態なんですよ。

言ってしまえば、ベンチャー企業って、そんなオウンドメディアは持っていないことが多いし、集客の手段などはまず持っていない。

ちょっとマニアックな話になってきちゃいますが、今のものの売り方って、基本的にテストマーケティングから入るんですよね。現在ビジネスの王道は。

これはMVP(Minimum Viable Product)というんですけど、最低限の機能を持った消費やサービスをリリースして、それでお客さんの反応を見て、反応が良かったらその方向性でどんどん進めていく。逆に反応が悪かったり、こっちのほうがいいと分かったら、ピポッドと言われる方向転換をして、商品を変えていく手法があるんです。

そうやって、まず小さくマーケットに合わせていく。そしてテストマーケティングをして、ニッチでも一部の層から支持を得られたら、それをどんどん広げていくやり方をしているんです。

ここで大事なのが、支持を広げていくフェーズになってくると、商品がターゲットにさえ合っていたら、ターゲットを集めれば集めるほどお金がもうかる。広告費さえかければお金が手に入る、売上が上がるということです。

よく、サース(SaaS)の企業が、めちゃめちゃ高額な出資を受けられることがあるんですよ。

あれは、よくあるパターンとしては、もうそこのプロダクトがマーケットに受け入れられることが分かっている段階。この商品は正しいターゲットに届けさえすれば売れることが分かり切っているから、「正しいターゲット、想定しているターゲットに届けるために広告費を投下していこう」というフェーズになってくる。するとドカーンと出資して、テレビCM打ったりとか、タクシーCM売ったりとか、広告を回していくといったフェーズになっていくんですよね。

こんなふうなやり方が増えていけばいくほど、あとはリードさえ獲得できればOKという勝負になりやすいんです。

つまり、リードを獲得したい、リードさえ獲得すればOK、でもそのリード獲得に向けた体制が整っていない状態の企業がいまどんどん増えている。だからそこに対して「リード獲得できますよ」と言えること、提案ができることが非常に重要になってくるんです。

リードを欲しがる企業が今後どんどん増えていく。それゆえ、ebookのようなリードマグネット、これはリードを獲得するために使うコンテンツのことを言って、マグネット、つまり磁石でリードをひきつけるという意味なんですけど、そういったリードマグネットとしてのebookの重要性も、今後、当然上がってきますよということです。

なぜこれからebookの時代が来るのか。

1つ目は、インフルエンサーという見込み顧客の集客ができている人が増えていて、その集客手段と、集客したあとのバックエンドで教育からセールスまでやっていくLステップも増えている。にもかかわらず、その間をつなぎ込む手段がない人が多いこと。

そして2つ目は、充分なノウハウがあったり、プロダクトは世間に受け入れられているけど、それをターゲットに届ける手段がない、そういった事業がどんどん勃興していること。

この2つの理由によるものです。

5.なぜeBookがアツいのか

今回の話はちょっとボリュームが大きくなっていきますが、がんばって読んでください。

次は、「なぜebookがアツいのか」という話を3点にわたってしていきます。

なるべくシンプルに述べていきますね。

5.1 参入障壁が高い

1つ目は、参入障壁が高いことです。

ebookの制作って、求められるレベルが非常に高いんです。いわば総合格闘技になってくるんですよ。

文章だけではなく、画像も適切に見せていくことが大事になっていく。そもそも、ユーザーがどんなことで悩んでいて、そのユーザーはどんなものを提供したら顧客へと育ってくれるか。いかにして自分の会社やサービスに興味を持ってもらい、最終的には自分のお客さんになってもらうか。そこへつなげていくためのマーケティングの思考とか。

そもそも1冊のebook、たとえ数十ページのPDFであっても構成は必要だから、それを正しく作れる構成力だったり。さらに、情報をシンプルに、その業界に詳しくない人でも分かりやすいように文章でまとめたり、適切な図を入れるとか。状況によっては、ebookよりも動画コンテンツのほうがいい場合だったら、そういった動画を用意するとか。そういったいろんな知見を持って1つのコンテンツをつくらなければいけない。

このように、まさしく総合格闘技になってくるから、作り手に求められるレベルが非常に高い。これが参入障壁が高いポイントになります。

これを聞いて、「うわあ、難しそう」と思ったかもしれないですね。

でも、これは勘違いしないでほしいんですが、基本的に難しそうと思ったもののほうが、ビジネスはチャンスになります。「だれでも簡単にできそう」となってくると、一瞬で参入障壁が下がってしまって、どんどん人が入ってきちゃうから。こういった参入障壁が高いようなもののほうが、ビジネスとしてはチャンスになります。そのほうが、業界で1位を取りやすいですから。

5.2 第一想起がない

2つ目の理由は、「第一想起がない」ということです。

僕は「ebook職人」と名付けたんですが、これって全然一般的な名称ではないですよね。あと、「ebook」という言葉自体、知っている人は知っているけど、知らない人も多いんですよ。今回の僕のツイートで初めて聞いた人も結構いるんじゃないかなあと思います。

それって、実は結構おいしい状況。第一想起がない状態なんですよ。

第一想起とは、「〇〇といえば」と言ったときに、最初に思い浮かぶものです。

例えば今だったら、「遊園地といえば」だったら、第一想起に「ディズニーランド」あるいは「USJ」を思い浮かべる人が多いと思うんですよね。あとは「オンラインスクールといったら、デイトラ」とか(笑)。

この第一想起を取ることは、非常に大事なんですね。

「どれぐらい想起されるかが、最終的に選ばれる確率に関わっている」

これは、USJを復活させたマーケターの森岡毅さんがよく言っておられる言葉です。

ということで、「〇〇といえば」で思い出してもらうことが非常に大事なんですね。

「ebook職人」というけど、実はそんな言葉はないんです。そもそも僕が勝手につくった言葉なので。だから今「ebookをつくれる人といえば、誰?」といったときに、「〇〇といえば」の先がない状態なんですね。これはポジショニングがしやすいんです。

僕はebookという昔からある言葉を使って、さらに「職人」と名付けました。さらにこれをすごくカッコよく「〇〇クリエーター」といった、イイ感じの名前をつけられたら、そのネーミングで独走できると思いますね、これは。

この第一想起がないという状態は、つまり、ポジショニングがしやすいということ。だから、非常にオススメなんです。

だから、僕が今ライターだったら、もうここを「ebook職人」とか「ebookクリエーター」みたいな感じにしますね。

Twitterとかでも
「どうしてリードの獲得が大事になってくるのか」とか、
「リード獲得にはこういうコンテンツが必要ですよ」とか、
「こういう構成にするといいですよ」
みたいな発信をどんどんしていって、専門性に特化するんです。

それができたら、とりあえず「これを最初に名乗ったのは初芝さんだなあ」となるし、第一人者になれるので、ポジショニングができたことになります。

これが2つ目の理由です。

5.3 単価を上げやすい

3つ目は「単価を上げやすい」ということです。

これは、そもそもの話になってくるんですけど、単価が高くなりがちな商売とは何かといえば、お金に近いところなんですよね。お金へのレバレッジがかかりやすいものほど、単価は高くなります。

これは業界を見れば分かると思うんですけど、世界で一番サラリーマンの給料が高い業界は何かといったら、大体外資系金融なんですよね。外資系金融の人たちって、何億や何十億単位で平気でボーナスもらったりするわけですよ。外資系コンサルでも、一般人では全然手が届かないレベルの年収を獲得したりして

それはなぜかというと、彼らがめちゃめちゃデカいお金を動かしているからですね。それこそ、1人で何千億円というお金を動かすから。何億とか何十億とか運用していて、そこから利益を出してくれるんであったら、1年間でその人に払うフィーが1億円とかでも全然惜しくないと会社としてはなってくる。だから、こうやって大きなお金を扱っている点が非常に大事になってくるわけですね。

あとは、不動産やマスコミなど、あの辺も大きいお金を扱っているから、そこの構成員たちは当然給料が高くなる。これを資本装備率といいます。これは、ある会社などの組織において、一人当たりの社員がレバレッジをかけられる資本の大きさのことです。この資本装備率が高い業界ほど、給料が高くなりがちな傾向があるわけですね。

これはもう当然であり、売上をつくる効率がよい社員だったら、高いお金を払っても全然いいよということになるわけです。

逆に単価が低い仕事、売上に直結しない仕事は、単価が上がりにくくなります。売上に直結しないというのは、売上に直結していることが見えにくいというのも同様で、そのような職業は、給料が下がりがちです。

いまクラウドソーシングなどでは、SEOライターの単価が非常に低いなと思います。どうしてそういうことが起きてしまうのかというと、もちろんライターがたくさんいるからでもあるんですが、そもそも1記事当たりの投資対効果が非常に見えにくいからなんですね。

この1記事が、何万、何十万円も生んでくれるのであれば、当然文字単価が高くても発注しようとなる。だけど数を打って勝負する、その1記事当たりの投資回収率は分からんなあとなってくると、それに多くのお金をかけることへの企業にとっての合理性がなくなるわけです。

ですから、そもそも単価が上がりやすいのは、売上に直結しやすいものであるということがあります。

マーケティング系の会社が大きな利益や売上をつくりやすい理由は、売上に見えやすい形でコミットできるからですね。

だから、ある人のマーケターとしての報酬が1回100万円だとしたら、一見、その100万円を「高い」と感じるかもしれません。でも、その人がお客さんの月々2,000万円だった売上を5%上げて、2,100万円にしましたよと言って、1か月でそれをやってくれたら。それ以降、ずっと売上2,100万円でいけるとしたら、月々100万円以上トクしていくわけだから、その人の報酬に100万円を払っても全然痛くないわけです。これは非常に当たり前の理屈で。

売上に直結する仕事をする人ほど、経営者からしたら投資対効果が計算しやすく、投資がしやすくなるんです。

これは何かというと、さっきの話で言うとリード獲得といったもの、ebookの価値といったときに、
「すごいコンテンツをつくれるんですよ」
とか、
「おしゃれなebookがつくれます」
ではなくて、
「これをつくることによって、YouTubeからのLINE登録者数を5%上げることができますよ」と言えたとします。

そうしたら、今1,000人いる登録者数が5%上がると、50人増えることになりますよね。そこからのコンバージョンが仮に10人に1人だったとしたら、5人コンバージョンすることになります。この商材が例えば1個10万円だったら、毎月50万円分のインパクトがあるんです。

「毎月50万円分のインパクトのある改善ができるebookをつくるので、それを30万円で承ります」
と言ったら、相手にしてみれば、もうめちゃめちゃ安くすみますよね。

そういうふうに、このリード獲得は、まさに見込み客という売上に直結する数字に影響を与えられる。だから「単価を上げやすい=経営者にとって投資対効果が見えやすい仕事」になってくる。こういう話です。

これが、単価を上げられる、ebookがアツい3つ目のポイントになります。

まとめると、なぜ今ebookがアツいのか。それは

①求められるレベルが高くて参入障壁が高い。
②ポジショニングがしやすい。今は誰もいないから、第一想起がない。
③売上に直結するから単価を上げられる。
ということです。

6.案件につなげるための3STEP 

最後に、「ebook職人になるには、どうやって勉強するの?」という質問があったので、そこについても説明していこうかなと思います。

これに関しては、いわゆる「お勉強」といったものはかなりやりづらいかなあとは思っています。さっき言ったように総合格闘技的なものだし、一応マーケティング会社などでノウハウを公開しているところや、それこそノウハウを無料PDFで配布している会社って結構あるんですが、「これさえできるようになっておけばOK」というように定義できるものではないんです。

お客さんの媒体や業種によっても求められるものが全然違うし、かなり学びにくいものかなと思っています。なので、どうやって勉強するのかというと、ちょっと答えづらい点がありますね。

ただ、ここで終わってしまうとちょっと不親切なので、その上で、じゃあ、どうやったら案件につなげられるのかを3ステップで説明していこうかなあと思います。

6.1 既存のホワイトペーパーを見てパターン化する

1つ目は、まず既存のホワイトペーパーを見ることが非常に大事です。既存のBtoB企業とか、とくにマーケティング会社だと、ホワイトペーパーをバラまいているところがたくさんあるんですね。

あとは、それこそ BtoC企業だったら、胡散臭いかもしれないけど、リードが取れているtoC向けの商材とか、リードマグネットでPDFを使っているところがあるので、そういうものをとりあえず保存しまくること。

その上で、まず構成を知ることが非常に大事になります。基本的にどんなことをやるにしても、ほかでやっているところのリサーチから入るのがやっぱりいいんです。ほかの人がやっていることというのは、既に最適化されている可能性が非常に高いので、そこから学んでいくのが非常に大事です。

さらに、ホワイトペーパーを見るときも、ただ漫然と見ているだけでは意味がないんです。

ではどうやって見るかというと、構成を理解することが大事です。そして構成を理解して、パターン化することが重要になります。

冒頭で何を言っているのか、出だしでどうやって読み手の関心をつかんで、お客さんの悩みをいかにして喚起して、悩みの解決方法をどうやって提示しているか。そして、自社の権威性や、自社への問い合わせへどうやってつなげているかとか。そういった構成やストーリーの流れを理解していきます。

そのときに、パターン化していくんです。パターン化するときにぜひやってほしいのが、縦軸と横軸をつくってマッピングすること。これがベストです。今回のebookのリサーチに限らず、何でもパターン化するときに、パターン化して分類することが大事なんですね。こういうときはこう、みたいな感じで。

「こういうときはこう」というときに、非常に便利なのが縦軸と横軸です。例えば縦軸で、上がtoC、下がtoBみたいな。で、左右で安価な商品、高価な商品とか、何でもいいんですけど、そういった形で、こういう商材の場合はこういうパターンが多いなあという傾向が見えたら、縦軸と横軸を作ってマッピングしていくと、どういった商材のときはこういうパターンがイケているんだというのが見えてきます。このようにマッピングして整理することが非常にオススメなんですね。

これがどうして大事かというと、縦軸・横軸に分類するとミーシー(MECE)という、いわゆるモレなくダブりなくになるので、分類としても非常にすっきりしたキレイな形にできるのもあります。それに加えてパターン化するのは、営業の際にも役だってくるんですね。

お客さんに営業するときに、
「実はebookはこういうふうにパターン化されていて、こういうときにはこんなのがいいんです」
「だから、お客さんはマッピングで言うとこれになってくるから、こういうコースでいきましょう」
と言うと、説得力が段違いになります。

お客さんに提案する「何でこういう構成をとるべきか」ということの説得力が増すし、そうやって体系的に理解しているだけで専門家としての説得力が非常に増すので、マッピングをやることは非常にオススメです。

これはもう、コンサルタントが好きな手法になってきますね。ちょっとこれはまた別で話そうかなと思うんですけど、コンサルの手法って、基本的に独立しているフリーランスがパクれることが非常に多いので、積極的にパクれるものはどんどんパクったほうがいいと思います。これだけで1時間はみっちり語りたくなってしまうのですが、今回はここでやめておきます。

6.2 必要な人と組む

2つ目は、「必要な人と組む」ということです。

既存のホワイトペーパーをマッピングしたり、いろいろ資料を見たりしたら、次に「これを作るには、どんな能力を持った人が必要なのか」が見えてくると思うんですね。

動画が必要だったら動画編集者とか、デザインだったらこういうデザインがつくれる人が必要だなあとか。あるいは、文章を書くんだったらこういう文章が得意な人が必要だなあというふうに、必要な要件が見えてくると思うんです。

自分があるべきホワイトペーパーの構成要素というものをイメージしたときに、その構成要素を満たすものをつくるにあたって、それをつくることができる人が段々とイメージできてくると思います。そうしたら、その必要な人と組むというフェーズになってきます。

これに関しては、今Twitterとかで人と簡単につながりやすいので、イケている人がいたらどんどん声をかけちゃうのがいいんじゃないかなあと思っています。これも大事なポイントで、必要な人を選定して組むことも、一つのハードルになってくるんですね。

僕は、このebookは一人で全部つくれるものではないから、絶対にチーム化が必要になってくると考えています。このチーム化にも、さっき言った参入障壁が関わってくるんです。ここで優秀な人と組めたりすると、さらに他からの参入障壁が高まるというか、差別化要素になっていく。だから、ここは大事にしたほうがいいと思います。

6.3 クライアントのビジネスモデルを理解する

3つ目は、実際の提案段階においてですが、「クライアントのビジネスモデルを理解する」ことが大事です。

ここがめちゃめちゃ重要なポイントです。ebookをつくるといっても、クライアントの目的に達しない、寄与しなかったら意味がないわけなんで。

クライアントの目的を達するためには、まずクライアントが行っている仕事についての理解を深める必要があります。

具体的には、
・クライアントはどこに顧客接点があって、どんな媒体を使っているか
・ターゲットはどこのどんな人で、抱えている課題や悩みは何か
・その課題を解決するために、このクライアントは何を提供しているのか
・クライアントが提供するこのサービスが、他の競合他社に比べてどんな優位性があるのか
についてを理解する必要があります。

これらをひっくるめてここでは「ビジネスモデル」と呼びますが、このクライアントのビジネスモデルを理解するのが非常に重要になってくるんです。

このビジネスモデルが分かっていると、提案は非常にスムーズになります。相手のビジネスモデルがちゃんと理解できていれば、正直いって、相手が大物インフルエンサーでも提案は通りやすいでしょう。

「いま〇〇さんのところでは、Twitterで顧客接点を持って、LINEに流して、こういう教育をされていますよね」

「でも、ボトルになってくるTwitterからLINEへの移行率、転換率を高める必要がありますよね」

「〇〇さんの場合、ターゲットはこういう層なので、こういう層はこんな悩みを持っていると思うんですよ」

「なので、そこの悩みを解決するために、こんな構成のebookを作ってみましょう」

と提案する。

さらにそのebookの中で、悩みとその解決方法について説明しながら、
「この悩みは、我々の持っているこのサービスであれば解決できますよ」
ということを示していく。ここまで提案できると非常に説得力が増すというわけです。

おわりに

さらに細かく解説しようとするとまだまだ時間がかかってしまうので、今回はこんなところにしておこうかなと思います。ちょっと長くなってしまいましたが、何かの参考になれば幸いです。

このnoteでは、こんな感じで結構コアな話をしていくので、よかったら「スキ」や「フォロー」をよろしくお願いします。

そして、「こういうことについて話してほしい」など、そういった要望がもしありましたら、コメントやTwitterのDMなどで教えてもらえたらなと思います。

僕のTwitter(@hatushiba_ken)へのリプをつけてくれたら、見落としがないので非常に嬉しいです。

また、Stand.fmの初芝ラジオではいつもこんな感じの話をしています。

「こういう話をしてほしい!」という御要望がありましたら、

ぜひぜひ、リクエストしてください。

今回もありがとうございました!





             

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