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地図のない道

第5話  智恵

弥生が「智恵?最近、忙しいの?」と急に声を掛けられて、智恵が「うわ?びっくりした?」と思わず驚いた顔で弥生を見ていた。
智恵は「え?弥生?私は、別に何も用は無いけどね」と弥生に返事を返した。
弥生が「じゃーさ?私の弟の彼女にならない?」と智恵に聞いた。
智恵が「え?弥生の弟ちゃんってまさか、翔大君?あの時、小さかったよね?私にはちょっと無理かな」と弥生に首を傾げた。
翔大が「姉ちゃん。俺がどうしたって?」と思わず尋ねた。
弥生が「え?さっきの聞いてた?」と翔大の方を振り返って聞いた。
翔大が「聞いていたも何も、外から丸聞こえだろう?」と面倒臭そうな顔をしていた。 
弥生が「あ、ごめんなさい。翔大のお姉さんとしては、恋人とか作って将来の事を考えなきゃいけないんじゃ無いかと思って心配をしていたのよ」と翔大の事を心配していた。
翔大が「そう言うのがお節介なんだよ?全く姉ちゃんづらして良い時だけそうだよな?」と弥生につっかかった。
智恵が「そんな事なら、私帰るよ?」と弥生に返事をした。
翔大が「俺もつまらないから帰るわ」と弥生に返事を返して帰って行った。
弥生は「んー、もぅ。何で皆私の話を無視するのよ?私の気持ちを誰も分かってくれない」と悔しそうな顔をしていた。
弥生もしぶしぶ家に帰ると、保も家に居なくなっていた。
弥生は「どこに行ったんだろう?」と周りを見渡すと、翔大が「姉ちゃん、誕生日おめでとう」と弥生に声を掛けた。
クラッカーを飛ばし、ケーキとチキンをテーブルの上に出して、保も「おめでとう」と嬉しそうにしていた。
智恵は「あ、そう言えば、今日弥生の誕生日だった」と急いで制服のポケットから携帯を出して、メールで「弥生、誕生日おめでとう」と返事を送った。
弥生が「サンキュー。私も自分の誕生日を忘れていたよ」と智恵にメールを返した。
智恵は、「うふふ」とニヤけて、弥生のメールを読んでいた。
弥生が「翔大は、好きな子いないの?」と急に不躾な質問をした。
翔大は「あの、最近気になる子が居てさ?でも、どうなるかわからないんだよな」と曖昧な返事をした。
弥生が「あら?早速、そんな素敵だなと思う子が居たの?」と変にニヤけて居た。
翔大が「何言ってんだよ?姉ちゃん。俺の問題なんだから、悪いけど首突っ込むなよ」と弥生に返事を返した。
弥生が「顔を赤くして、照れちゃって、お姉さんに恋愛だったら任せときなさい」と笑って居た。
翔大が「姉ちゃんじゃ、頼りないな」と弥生に声を掛けた。
保が「彼女が出来たら、父さんにも紹介しろよ」と翔大に笑顔を見せた。
翔大が「へいへい、分かりましたよ」とお茶のペットボトルを冷蔵庫から出して飲み始めた。





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