究極の選択肢、こどものころと大人になってからと
タクティクスオウガというゲームを知っているだろうか。
スーパーファミコンで発売されたシミュレーションRPGである。
2011年にはPSP向けにリメイクもされた名作である。
簡単に言ってしまうと戦争のゲームであるが、このゲーム中にでてくる選択肢がとても印象に残っている。
僕にその手を汚せというのか
ゲーム中の章のタイトルである。
このゲームでは主人公は迫害される自民族のレジスタンスとして他民族との戦いに身を投じている。
詳細は省くがこの章の終盤、主人公は組織のリーダーに自民族のために奮起しない人々を虐殺し、他民族の仕業とみせかけるよう指示を受ける。
このときに出てくる選択肢で大きくゲームのルートが変わる。
虐殺するのか、しないのか。
こどものころ
まだ中学生くらいであった私は、虐殺なんて当然悪いこと。
それに反発するのが正義だと思い迷うことなく「しない」選択肢を選んだ。
しかし、ストーリー上、虐殺を止めることはできず、結果としてより多くの犠牲を生み、主人公とそれに味方するキャラクターも追われる身になった。
それでもあの選択肢で「する」方を選ぶなんて頭になかった。
大人になってから
リメイク版がでたことで、またこのゲームをプレイしようと思った。
そして、あの選択肢が。
大人になった私は当時はあまり理解できていなかった組織の機微やどうしてリーダーが虐殺を持ちかけてきたのか。リーダー自身の苦悩まで理解することができた。
するとこのゲームをここから進めることがとても難しくなった。
どっちの選択肢を選べばいいのか。
こどものころ迷わず選んだ「しない」選択肢は結果としては多数の犠牲者をだした。
最小限で済むのは「する」方なのではないか。人を数で考えるようで恐ろしいことだが、これがきっと戦争というものなのだろう。
色々と考えさせられた。
ゲームとして
普通にゲームとして楽しんでも面白いこの作品。
しかし、戦争という重いテーマを扱っているゆえにキャラクターの心情や置かれている立場に思いをはせるのも良いかと思います。
いまだに忘れられないこの章のタイトル「僕にその手を汚せというのか」。
ぜひ一度、手に取って遊んでみて悩んでみて欲しい選択肢です。
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