オンライン情報処理と、オフライン情報処理
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オンライン情報処理とオフライン情報処理
オンライン、オフラインと聞くと、パソコンやインターネットの用語のように思われる方が多いと思います。
神経系を勉強していると、しばしば脳の中の情報処理の方法として、オンラインの情報処理と、オフラインの情報処理という言い方をすることがあります。
オンライン情報処理
オンラインの情報処理とは、例えば目の前にペンと紙があるとして、
・ペンを視覚的に認識
↓
・自分との位置関係、距離感を把握
↓
・ペンに手を伸ばす
↓
・ペンを持つための適切な手指の形を作る
↓
・ペンを持って紙に書く
などのように、今まさに目の前にある、起きている事象に対しての情報処理のことを言います。
オフライン情報処理
対して、オフラインの情報処理とは、
・それは文字などを書く道具
・上部分をノックすることで下部分からペン先が出てくる
・これはペン先が細いから紙に書く時は書きやすいけど、布なんかに名前を書く時には適さない
というように、そのものの情報を脳内から引き出し、頭の中で操作するような情報処理のことを言います。
どちらが優位に働くか?
どちらもバランスよく働く、というのは理想的かもしれません。
ただし、脳の発達途上である子どもは、どちらかの情報処理に偏っているのでは、と感じられる場面も少なくありません。
未知の物品を見た時、すぐに触ったり動かしたりしながらその反応を確認するタイプのお子さんは、オンライン情報処理優位。
逆にじっくりとそのものの色や形を観察して今まで見たことのあるものと参照しながら予測を立て、大人にこれは何かと言葉で確認しながら安全であるというのを確認するタイプのお子さんはオフライン情報処理優位ではないかと思います。
これは聴覚情報に対しても同じで、周囲の音や発言によく反応して、気になったり言葉を繰り返したり話に参加したりするようなタイプのお子さんはオンライン情報処理優位。
周囲を観察して自分にとって必要な情報を集めながら、音がなる原因や発言の意味や意図をじっくりと考えているようなタイプのお子さんはオフライン情報処理優位だと考えています。
優位性の利点と欠点
オンライン情報処理優位のお子さんの利点として、とにかく情報処理速度が早いという特徴があるように思います。
視覚情報にしろ、聴覚情報にしろ、ものすごい速度で自分の中に取り込んで、出力することが可能です。
ですので、授業の中では板書、書き写しなどがとにかく早い、聞き取ったことを正確に書き写すなどが得意、という利点があります。
一方で欠点としては、たくさんの情報で溢れてしまい必要なものを選び取る力が弱かったり、すぐに反応してしまうことで何に対しても反応してしまうツッコミ担当のようになってしまう事でお友達から敬遠されてしまったり、ということが懸念されます。
オフライン情報処理優位のお子さんの利点としては、記憶力が抜群高いことです。
じっくり頭で操作しながら物事を進めていくので、頭の中で繰り返し学習し、知識として蓄えていくことができます。
ひらがなや漢字を覚えていくのが早かったり、文章題をしっかり理解して解く力も高いように思います。
一方で欠点としては、引っ込み思案で行動力、超戦力が弱い傾向にあるように思います。知識が先行して失敗を予測し、行動に移せない事で、頭でっかちになりがちです。
それぞれの優位性に応じた支援を
お子さんの支援では、それぞれの優位性に応じた支援が必要です。
優位な力が発揮できる場面では、どんどんその能力を伸ばしていきます。
逆に、困り事となるような場面では、得意な力を少し抑えて、苦手な方の力を引き出すような支援が必要です。
たとえば、オンライン情報処理が優位なお子さんでは、書き写しや聞き取りの力が強いので、その場面ではどんどんとステップアップをしていき、伸ばしていきます。
逆に苦手な人の話を黙って聞くような場面では、すぐに反応して発言することを抑えながら、最後まで話を聞く事や、発言する時は手を挙げて当てられてから、というのをトレーニングするというような調子です。
オフライン情報処理が優位なお子さんでは、じっくり頭で考えて記憶していく力をどんどん伸ばしてあげます。本読みや、ドリルなどに先んじて取り組ませます。
逆に苦手な、素早く情報を処理する事や、言葉に反応して動作をする事、カルタなどの遊びですぐに反応することなどを鍛えていきます。
それぞれの特性に合った、支援を考えていく一助になれば幸いです。
今日の内容は以上です!
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